イベント前半は『零式HD』のデモプレイを中心に進行しました。田畑氏ははじめに開発が海外ユーザーからの要望によってスタートしたことについて触れ、すでに進行していた『15』の基礎技術を一部流用していることについても説明しました。具体的には物理ベースのライティングが行われており、PS3世代までのHD化とは大きく方向性が異なることをアピールしました。
続いてデモプレイでは中盤すぎのステージとなる氷の洞窟でのバトルが披露されました。すでにプレイしたユーザーなら御存知の通り、本作のバトルは過去の『FF』シリーズの戦略性を踏まえつつも、アクションベースに大きく振った独特なスタイルになっています。一方で本作では、キャラクターが生きるか死ぬかの緊張感を表現するために、敵を一撃で倒すチャンスが生まれる「キルサイト」というシステムも導入。田端氏はこの「戦略性」「アクション性」「スリル」という3つの要素がうまく融合しているのが、本作におけるバトルの特徴だとしました。
その後、発売日についても明らかになりました。日本語版の3月19日より2日早い、3月17日に中文版が発売となります。また特典として日本語版と同じく『15』の体験版「EPISODE DUSCAE(エピソード ダスカ)」の同梱も決定。さらに先行予約として、台湾限定となるアルミ製のスチールブックも存在するとのことです。
後半では『15』のコーナーとして、協力会社である台湾XPEC Entertainment社から董事長の許金龍氏と王彦凱氏が加わりました。ところが、ここで許氏は「台湾ユーザーのために特別映像を持ってきた」とサプライズを披露。「ユーザーのためなら・・・」と田畑氏がOKを出すと、同社が担当しているゲーム後半部分の映像が一部上映されました。映像はジャンプフェスタ2015のトレーラーでもちらりと登場した列車シーンの詳細で、車内にもかかわらず吹雪がノクトに襲いかかっているというものです。
続いて、同じくジャンプフェスタ2015で登場した、犬視点で街を案内する「Dog Cam」にインスピレーションを受けたとして、「Cat Cam」も紹介。工場と思しき建物の中を、猫がパイプの上などを伝って縦横無尽に歩き回るというもので、「ぜひ犬だけでなく猫視点での散策も導入してほしい」と即興でプレゼンテーションを行っていました。これには田畑氏も「台湾の人はおおらかだなあ」と苦笑い。それでも「台湾の人は猫好きが多いですか?」と会場に聞くなどして、最後には「検討します」と回答していました。大藤氏も「宣伝担当として、心臓がドキドキしてきました」と心中を吐露していました。
その後、クイズコーナーを経てイベント終了時に、大藤氏は「ぜひこれだけは伝えたい」と前置きして、東日本大震災の時に台湾から多額の支援を受けたことについて、改めて感謝のことばを伝えました。「この御恩は決して忘れません」(大藤氏)。また「『FF15』の体験版で中文版は作らないのですか?」と聞かれた田畑氏は「まったく予定に入っていませんでしたが、もし皆さんが応援してくれるなら、がんばります」とユーザー本位の姿勢をアピール。最後まで会場に集まってくれたファンに感謝のメッセージを送っていました。
ステージ終了後に、田畑端プロデューサーにお話を伺いました。
■『FF15』における台湾企業との連携