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【TGS 2014】世界で成功するアプリ制作の秘訣はこれだ~対戦脳トレ『BrainWars』からみる海外展開で意識する部分とは

9月18日より幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2014。同イベントに出展しているCyber Zステージイベントにてネイティブアプリ『BrainWars』を手がけるトランスリミット社のステージイベントが行われました。

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9月18日より幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2014。同イベントに出展しているCyber Zステージイベントにてネイティブアプリ『BrainWars』を手がけるトランスリミット社のステージイベントが行われました。

株式会社トランスリミットは対戦脳トレ『BrainWars』を今年5月にAppStoreにてリリース。一切広告プロモーションを行わず、瞬く間に200万ダウンロードをされ、世界中のユーザーにプレイされているタイトルとなります。今回のステージでは代表取締役の高場大樹氏が登壇、本タイトル成功の秘訣を披露しました。



本タイトルは、非言語的に設計がされており言語や知識に依存しない"脳の力"で競い合うということで「世界視座」をコンセプトに作られています。その結果、日本を始めとしアメリカ、韓国、中国など世界中のAppStoreのおすすめに選ばれ、米AppStoreゲームランキングで1位、総合無料ランキングでも2位を獲得しました。また、アジア圏のStore内でもランキング上位を獲得する結果となりました。その結果、海外ユーザーの比率が95%となっており、なんと日本の比率は5%しかありません。このような比率を持つ日本アプリは数が少なく、トランスリミット社は今後も今回の様に「世界で戦うアプリ」の設計を中心に行っていくとのことです。ユーザーからの評価も軒並み高く、特に中国では国柄と相まって、5つ星の評価を獲得しています。ツイッターなどのソーシャルメディアでは、日本語だけでなく、様々な言語で本タイトルについてコメントをしているユーザーが多くなっています。







ほとんど課金を必要としないゲームとなっており、ビジネスモデルも非常にシンプルで「課金」と「広告」のみとなっています。また技術的にもいろいろなことにチャレンジをしていくとのことで他企業とのタイアップが簡単にできる仕組みも導入、bento.jpとのタイアップ企画では、公式アカウントと対戦をし勝利すると、弁当がもらうことができるという試みも行っています。今後の展開としては、10月上旬にAndroid版のリリース、シングルモードの追加などを予定しており『キャンディクラッシュサーガ』のように1人でコツコツプレイしても楽しめるタイトルに育て上げたいとのこと。



さてそんな『BrainWars』が海外展開において意識した部分は何かというと

・世界視座のコンセプト
・極めてシンプルなルール、デザイン
・敢えてやらないカルチャライズ
・拡散性マーケティング


の5つを重視しています。

■世界視座のコンセプト

グローバルプロダクトを作成する意志が重要であると高場氏は語ります。世界でみると日本のユーザーは課金率や課金額は他国と比べると圧倒的に高く、成功はしやすいと認識しつつも「それだけではおもしろくない。世界で戦えるアプリを作りたい」という理念を持ち、「日本はあくまで市場の一部」とし「世界」を市場にフォーカスしました。「言語・知識・文化に依存しない世界中で使えるもの」「年齢・性別・国に好みが左右されない」といった部分を意識し、幅広いユーザーがプレイできることを目標としました。『QuizUp』はアメリカで4ヶ月で1,000万ダウンロードされたモンスタータイトルとなっており『BrainWars』を制作する上でも参考にされているアプリです。クイズ型対戦アプリとなっており、知識で戦い早く回答したほうが勝利といった内容。



非常によく出来ているアプリと述べたものの、英文で問題が記載されているためネイティブレベルで英語を読むことができないと勝利するのが難しく、またリンカーンに関する問題など、その国特有のクイズが出された場合など、早押し回答が難しい点などを指摘しました。『BrainWars』はどんな国・どんな言語を利用しているユーザーでも手軽に回答ができるよう「脳トレ」といった形で展開することで、誰もがフラストレーションを溜めずにプレイできるものとなっています。



また文化に依存している例として『BrainWars』内にある「後だしジャンケン」というミニゲームを紹介し「ジャンケン」というものは日本やアメリカ、中国にも存在するものの、インドネシアなどではジャンケンの種類が3種類ではなく5種類であったり、手の形が違っていたりするなど国によって内容が全く異なり世界中で知られているテーマでないことを述べました。




またアニメーションを例に挙げ、国によってヒットコンセプトが違う点も紹介。日本ユーザーはアニメや戦国モノのコンテンツがヒットしやすいですが、アメリカではゾンビやアリス・イン・ワンダーランドが支持されるなど国によって「好き」の好みが変わってくることを述べました。年齢や性別による好みマッピングを行い、全世代から支持されるようなコンテンツ(例えば、ミッキーマウス)となるよう『BrainWars』は設計されています。

■極めてシンプルなデザイン、ルール

日本のアプリは一昔前までは画面にいろいろな情報が記載されておりユーザーから見るとがちゃがちゃした印象を持たれがちでしたが『BrainWars』は文字を極力少なくスッキリと作ることを意識したとのことです。また、ルールについても文字を必要とせずにルールは5秒で理解できるものとし、視覚的に分かるよう設計されています。※5秒で理解できないものはシンプルではない



■人口を意識したローカライズ

世界的に見ると、コンソール機器と違い、1人1台スマートフォンを持つのが当たり前になってくるとし「人口≒スマホ所持台数」といったような人口市場を意識しているとのことです。話数が多い言語(英語、陶ペイン語)やヒットしやすい言語(アジア圏)などを中心にローカライズを進めることで、世界のAppStoreにて紹介される結果に結びつきました。




■敢えてやらないカルチャライズ

「カルチャライズを推進しすぎると現地人でしか理解できない部分もでてきしまう」ということで、『BrainWars』ではカルチャライズを行っていないとのことです。もちろん、タイトルによって徹底的にカルチャライズを行うことでヒットする可能性もありますが「世界共通」を意識し、「数字」「記号」「色」といった誰でも理解できるコンテンツ内容とし、ポジティブな形で敢えてカルチャライズは行っていないとのことです。またフラットデザインを採用することで、国やユーザー、年齢によっての好き嫌いの好みが分かれることを少なくしている点も述べました。





■拡散性マーケティング

ユーザーがいかに自発的に広げるかという点にフォーカスをしているとのことで、理由としては、海外は課金率、課金額が圧倒的に低いため広告費をかけづらく、ユーザーが「クチコミ」をしやすい設計を用いることでコストをかけずにタイトルのPRをすることが可能となります。その中でも「シェア機能」が非常に重要と述べビデオ(動画)の成功事例を紹介しました。動画で紹介することでより、楽しそうな様子が伝わりやすかったり、ゲームの内容が理解しやすい、チュートリアル的な役割、プレイの参考になる、非言語的であるといったビデオの良さを語りました。





また『BrainWars』内にてユーザーが動画を録画することで、そのログデータをサーバー保存、データを活用してリアルタイムでなくとも対戦ができる点も紹介しました。芸能人やアイドルなどは時間が限られいるため、例えシステムとして対戦が可能であったとしてもリアルタイムで対戦することは非常に難しくなります。そこでサーバーに保存したログデータを活用し「擬似リアルタイム対戦」を可能とすることで、一般ユーザーでも誰でも気軽にマックスむらい氏などと対戦が可能となり、動画がシェアされやすくなる仕組みを取り入れています(マリオカートのゴーストのようなもの)。マックスむらい氏を例にあげると、氏が1度プレイしただけで約500人ものユーザーがマックスむらい氏に対戦を挑む結果となりました。





今後Android版リリースに伴い、さらなるヒットが予想される本作ですが、どのようにマーケティングを行っていくか、今後の動向に注目してみてもいいかもしれません。
《森 元行》

森 元行

海外のゲームショウにてeスポーツの大会に出会い衝撃を受け、自身の連載「eスポーツの裏側」を企画・担当。プロプレイヤーはもちろん、制作会社や大会運営責任者、施設運営担当者など「eスポーツ」に携わるキーマンに多くのインタビューを実施。 2022年3月 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科 博士課程前期課程(修士/MBA)修了。

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