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【特集】ゲームブックはオワコンなのか ― 「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来

名作ゲームブック「ドルアーガの塔」三部作を電子化し、一躍注目を集めた“幻想迷宮書店”。その後も意欲的なリリースを続けると共に、電子書籍としてのメリットを生かした「ゲームブックの進化」にも取り組んでいます。

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素晴らしい! 君はゲームブックのシステムを、今実際に体験したのだ。この行為が人生初ならば、経験値を1得る。今回の経験をどのような形で活かすかは、君次第となる。


1970年代に誕生した、“テーブルトークRPG”という遊びをご存じでしょうか。このゲームにはいわゆる勝者が存在せず、「勝ち負け」ではなく「役割を演じる」ことが目的であり、同時に面白さでもありました。

この「役割を演じる」という意味の“Role Playing Game”、頭文字を取って“RPG”と呼ばれる遊びは更なる発展を遂げ、そのひとつとしてコンピュータゲームにおいて一ジャンルを築き上げるほどの展開を見せます。

そして、“テーブルトークRPG”から派生した展開はこの他にもあり、「ゲームブック」もそのうちの一つです。役割を演じ、物語を自らの選択で変化させていくという“テーブルトークRPG”の魅力と、ひとりでも楽しめる気軽さを融合させた「ゲームブック」は、1980年代を中心に国内外で大きな盛り上がりを見せ、一大ブームとなりました。

当時はまだ紙媒体が主流だったため、ゲームブックも書籍という形でリリース。番号が割り振られたパラグラフ(段落)を辿ることで物語が進行し、選択肢を選ぶ度に別のパラグラフにジャンプ。順番に1ページずつ読み進める通常の本とは異なり、1冊の本の中であちこちに跳びながら物語を追いかけていく、といったスタイル自体もどこか「冒険」を感じさせ、これまでの遊びにはない独特の手応えがありました。

国内におけるゲームブックの盛り上がりは、まず海外で出版された名作群の登場で幕を開けますが、ほどなく国内産のタイトルも登場。それまでのゲームブックの魅力を継承しつつ、更に独自性を加えた作品などがリリースされ、国内からも様々な名作が飛び出しました。

原作ゲームをモチーフにして三部作ものボリュームで描いた「ドルアーガの塔」や「ワルキューレの冒険」、ジュブナイルな切り口に伝奇・民話を融合させた「送り雛は瑠璃色の」、ファンタジーからSFまで幅広く手がけた宮原弥寿子氏の代表作とも言える「フォボス内乱」など、一例を出すだけでも枚挙に暇がないほどです。

このゲームブックのブームは残念ながら、1990年代に大きな衰退を見せることになります。ですが約10年後となる2001年に、創土社がゲームブックの出版を開始。国内外で人気のあった「ソーサリー」シリーズや、軽妙な語り口調とユニークなセンスが高評価を博す「グレイルクエスト」シリーズなど、内容の改善を加えつつ復刊。このほかにも、前述の『送り雛は瑠璃色の』など国内の作品も復刊させました。

また創土社は、新作ゲームブックのリリースにも意欲的で、前述の「ドルアーガの塔」三部作を手がけた鈴木直人氏の新作「チョコレートナイト」や、松友健氏による「魔人竜生誕」など、それまで停滞ムードのあったゲームブックに新風を送り込むことに成功します。

こうして新たな動きを見せ始めたゲームブック。大きな流れでこそないものの、不定期ながらも様々な作品が展開されていきます。また携帯やスマートデバイスでのアプリ化も果たすなど、時代に合わせてその形態を柔軟に変化させていく進化も辿ります。

こうして君は、ゲームブックが歩んだ歴史を垣間見ることができた。知識という武器を手にし、“幻想迷宮書店”のインタビューを読み進めよう。恐れることはない、冒険はまだ始まったばかりだ。次のページへ進め。

《臥待 弦(ふしまち ゆずる)》

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