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【特集】ゲームブックはオワコンなのか ― 「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来

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──電子化の利点も含め、“幻想迷宮書店”の「これまで」に関して色々と伺ってきましたが、そのまとめを兼ねて、現時点で苦労されている点などあればお聞かせください。

酒井氏:世の風潮として、“オワコン”扱いされている点ですね。こういった空気があると、作り手側が萎えてしまう面があるんですよ。

例えば極端な話ですが、誰も買わないような“自分の日記”を自費出版する社長さんとかいるじゃないですか。まず売れるわけないんですが、「何冊売れたの?」と熱心に訊ねてきたり、周りの方に配ったりと、販促に余念がないんですよ。普通は、著者の方々は例外なく、そういった熱意があるんです。

──なるほど。

酒井氏:ですがゲームブックの著者の方は、(“オワコン”といった空気から)ちょっと諦めが入ってるところがありまして。「10冊くらい動いたのかな」くらいの感じなんですよ。だから「面白いもの作りましょうよ」と言っても、なかなか難しくて。




──“オワコン”という空気があると、執筆への意欲が傾きづらいですよね。どうしても。

酒井氏:“幻想迷宮書店”では、新作も扱っていくつもりなんです。なので、それも含めてという話を持ちかけるんですが、「酒井さんが“幻想迷宮書店”で出し直してくれるのは嬉しいし構わないけど、新作は・・・」という感じなんです。どうせダメだろう、という空気が漂っているのが辛いですね。

──確かにこれは、厳しい問題ですね。

酒井氏:ただこれも、時間と状況で解決できると思うんですよ。

──“幻想迷宮書店”が継続的にタイトルをリリースしていくことが、問題を解決するひとつのポイントでもあるんですね。

酒井氏:そうなれるよう頑張ります。あと逆に、このジャンルに期待感を持ってくれている新しい作家さんもいるんですよ。そういう新しい人たちに触発されることで、ゲームブックの執筆から遠ざかってしまったクリエイターの方々が、もう一度筆を取ってくれることもあればいいなと思います。

──これからのゲームブックを変えていきたいその姿勢、期待させていただきます。では、これだけ情熱を傾ける「ゲームブック」を、酒井さんからの視点で色々お聞かせ願えればと思います。まずはじめに、酒井さん自身がどのような形でゲームブックと出会ったのか、そこからお聞かせください。

酒井氏:初めて触れたのは、二見書房の「恐竜探検」でした。日本で発売されたゲームブックという意味では、初期の作品に属すると思います。遊んだ時は、小学校の低学年でしたね。

酒井氏:続いて触れたのは、同じシリーズの「海賊の秘宝」と「ムサシの剣」です。こちらを一通り買いまして、実に面白かったですね。ちなみに「火吹山の魔法使い」はリアルタイムに遊んでないんですよ。

(「火吹山の魔法使い」は、「ファイティング・ファンタジー」シリーズの第1巻。本著で初めてゲームブックに触れたという読者も多い。黄金期を築き上げた名作群のひとつ)

──「火吹き山の魔法使い」でデビューした人も多いものの、ゲームブックの入り口って人によって結構様々ですよね。

酒井氏:(「火吹山の魔法使い」を出した)社会思想社は、シリーズ2作目の「バルサスの要塞」からでしたね。「ソーサリー」なども遊んだのに、なぜ当時「火吹き山の魔法使い」をやらなかったのか、我ながら不思議ですね(笑)。

──その後もしばらく、ゲームブックは遊ばれていたんですか?

酒井氏:ゲームと名のつくものは当時から好きでして、ゲームブックも当然遊んでいました。なので、例えば「パンタクル3」であったり「ブラックオニキス2」であったり、そういった続編が出ない状況が残念ではありました。

──衰退していった時代も直接体験されたんですね。ファミコンブームとぶつかったのが、ひとつの要因だったのかもしれません。

酒井氏:ゲームブック自体が、例えばファミコンよりも前に生まれていれば、例えば育成要素をもっと強めるような形で発展していたんでしょうね。ですがその方向の強化では、やはりコンピュータには敵わないので、いずれ淘汰されていたのかなとも思います。

「ドルアーガの塔」三部作を今読んでも面白いのは、読み物部分の面白さがあるからなんですよね。キャラクターも魅力的ですし。

この下りは、どうやら長くなりそうだ。新しい情報を得られそうな気配もあるが、確証はない。敢えて先に進むのも、ひとつの手かもしれないが・・・。

・いや、焦ることはない。このまま行こう。
6へ進め

・時は金なり、という言葉もある。直感を信じよう
7へ進め

《臥待 弦(ふしまち ゆずる)》

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