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『イングレス』は京都をそして世界をつなぐのか?・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第35回

京都で開催されたDIECにて、『イングレス』を提供するナイアンティック・ラボの創業者であるジョン・ハンケ氏と、同UX/Visual Artistの川島優志氏らが集まり、世界的なムーブメントとなっている本作について語りました。

ゲームビジネス 市場
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当初こういったイベントは毎月開催していたのですが、それだとユーザーにとっても話の展開を追いにくいということもあり、2013年の後半から3か月ごとに実施することにしたとのこと。ちょうどテレビの1シーズンに近いタイミングでしょうか。その後、イベントもよりスムーズに行えるようになったとのこと。もちろん、日本でもイベントをおこなっているわけですが、すごいのは、日本のプレイヤーはとりわけクリエイティブであるとハンケ氏は、日本のファンを高く評価。横須賀市では、スカジャンがつくられ、Tシャツや、ポスターなど様々な二次創作がプレイヤーの手で作られていることに驚いたとハンケ氏。このような中、京都で開催されたShonin~証人~では史上最大の人数である5600人以上が集まったと改めて感謝を示しました。一方、ヨーロッパで一番ユーザー規模が大きいのはドイツとのこと。だだ、ヨーロッパではイベントを開くたびにヨーロッパ中のひとたちが集まりゲームを楽しむという傾向があるとも。この他にイベントは世界中でおこなわれてきており、今後もこれは継続されるとのこと。

このようにゲームをプレイすることで世界中の人たちが国境を越えてつながることができることが素晴らしいとハンケ氏。具体的な例としてシャードと呼ばれるヴァーチャル・オブジェクトを世界中で移動させるという、世界を舞台とした大玉ころがしのようなゲームプレイについて説明。

このイベントをきっかけにプレイヤー間でグローバル規模の諜報ネットワークが形成されたとのこと。Google Hangoutsを用いて世界中のプレイヤーが情報を共有し、国境を越えてシャードを運ぶのです。これによって地域ごとに存在するコミュニティがグローバル規模でつながったとハンケ氏。例えば「オペレーションフライドチキン」では日本のプレイヤーが協力して、シャードをハワイへと運んでいったとのことです。ちなみにハンケ氏がこのオペレーションに参加したひとは挙手をするよう会場で聞くと、数名が手をあげ、喝采を浴びていました。

また日本や韓国、台湾のひとたちが一緒に協力したり、中東の人とイスラエルの人がオペレーションで実際に協力することもあるとのこと。これについて、ハンケ氏は改めて驚きをあらわしつつもこういった『イングレス』の可能性に期待を見せました。



■『Endgame』、API公開と新たな戦略が目白押しのナイアンティック・ラボ

このように多いに盛り上がる『イングレス』。今後はどうなるでしょうか?まず、APIを公開するとハンケ氏。また、新作『Endgame』と『イングレス』の違いとして、それ自体が既にグローバル規模で人気のあるコンテンツであることを言及。ゲームに小説、映画とこれまで以上に大きなスケールで融合を果たすつもりだとのこと。またこのようなゲームをより多くのデベロッパーが開発してもらえたらと展望を述べ、講演を締めくくりました。日本では、昨年12月に行われた公式イベントのDarsana(ダルサナ)よりムーブメントが一気に顕著化したように見えますが、ハンケ氏の話を聞く限りこれまでの展開はまだ序の口といったところ。これからのナイアンティック・ラボの更なる壮大なビジョンがどう現実となるのが、今から楽しみですね。
《中村彰憲》
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