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【Unite Japan 2014】FlashデザイナーにとってSpriteStudioは福音なのか・・・KLabが直面したアニメーション制作の課題とは?

日本はスマホネイティブにおいても、2Dゲームが好まれやすいという、世界的にもユニークなお国柄です。そこで求められるのが、使い勝手の良いスプライトアニメーション制作ツールです。

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日本はスマホネイティブにおいても、2Dゲームが好まれやすいという、世界的にもユニークなお国柄です。そこで求められるのが、使い勝手の良いスプライトアニメーション制作ツール。「OPTPiX SpriteStudio」はその代表例で、昨年のUnite Japanにあわせてバージョン5にメジャーアップデート。『サムライソウルイクサ』『拡散性ミリオンアーサー』など、昨年秋口から徐々に採用事例を増やしています。

しかし、これまでフィーチャフォン向けにウェブのソーシャルアプリを開発してきた企業では、Flashベースの開発ノウハウが大量に蓄積されています。FlashとSpriteStudioでは、同じ2Dアニメーションを制作する上でも、まったく作法が異なります。Unite Japanで4月7日、ウェブテクノロジ・コムとKLabが行った講演「デザインとコードの2面Tips!」では、この違いに起因する躓きと、その解決事例がわかりやすく紹介されました。

同社では「ぶん投げRPG」がキャッチフレーズの新作ソーシャルゲーム『かぶりん!』を近日リリース予定です。同社にとって「初のUnity開発」「初のSpriteStudio採用タイトル」と初物づくし。開発統括兼プロジェクトマネージャの村上雅裕氏は、「オーサリングツールの使いやすさから採用を決定した」といいます。Unity側からのスクリプト制御においても、シンプルな命令の組み合わせで複雑なアニメーション表現ができたと評価しました。

一方でデザイナーの柴田典政氏にとっては、少々勝手が違いました。一般にUnity上で2Dゲーム開発を行う場合、ドローコール(オブジェクトを表示する命令)が大量になりがちで、実行速度が目に見えて低下しがちです。もっともSpriteStudioでは「同素材のアニメーションなら、複数配置してもドローコールが増えない」という特徴が有りました。試算ではバトルシーンで、総オブジェクト数84個、ドローコール12回ですむはずでした。

ところが組み込んでみると、ドローコールが約100回という驚きの事態に。サポートに問い合わせてみると「アニメーション素材を同じZ軸平面状で大量に配置すると、お互いが干渉し合ってドローコールが肥大化する(ことがある)。1つのキャラクター内にアルファブレンドとそうでないものが混在していても同じ」という、ビックリな答えが返ってきたのです。「聞いてないよ~」と柴田氏が感じたのも当然でしょう。

最終的に柴田氏は「使用するセルの整理」「干渉の整理」という二大方針で対策を行いました。これまで個別に使用していた主人公キャラと雑魚キャラのセルを1枚に集約。これによりモーション数は制限されましたが、種類は増やすことができ、当初のコンセプトだった「バトル中のわらわら感」を演出することができました。また手前と奥とでバトル画面を3分割し、それぞれに固有のオブジェクトを配置。ドローコールを16まで減らすことに成功しました。

このようにエンジニアには高評価、デザイナーにはまあまあ、といった評価を得たSpriteStudio。しかし実際の動きをつけた、アニメーショングループ・グループリーダーの朝日秀樹氏にとっては、ついついFlashと使い勝手を比べてしまっていたようです。朝日氏は冒頭「Flashとともに心中するんじゃないかと思っていたが、SpriteStudioでまた制作の場をいただけた」と感謝を表明。その一方で、さまざまな不満点を表明しました。

中でも一番しんどかったのが、Flashでいう「ムービークリップ」的なことができず、アニメーションの複製が大変だったことです。ムービークリップはアニメーションを内包したオブジェクトのこと。キラキラ光る星を大量に配置したい場合、Flashでは1つ動きを作っておけば、あとはタイムライン上で手軽にコピー&ペーストして設定できます。タイミングをずらして点滅させるなども比較的容易です。しかし、これがSpriteStudioでは大変な作業になるのです。

またイーズイン・イーズアウトどの動きに抑揚をつける場合、Flashでは一つの動きに対して一括で設定できます。しかしSpriteStudioでは1つのプロパティの動きに対して1つずつ設定するため、これまた煩雑なことに。もっとも、Flashでは不可能だった複雑な動きも設定できるため、これはトレードオフだとされました。他にループアニメーションをゲームプログラムに組み込むまで確認できない点も勝手が違ったといいます。

これに対してウェブテクノロジ・コムの浅井維新氏は、「ムービークリップ」的な処理の回答として、v5.3から実装される「インスタンスモード」を紹介しました。これはキャラクターのアニメーションを一体だけ作成すれば、あとはコピペしてパラメータを変えるだけで、さまざまな動きが可能になるという機能。まさに「明滅タイミングが異なる大量の星を表示する」といった用途に最適な機能となっています。



このほかキャラクターアニメーションを動画ファイルに出力してYoutubeにアップロードしたり、Photoshopとの連携機能を向上させるなどのアップデート案についても紹介。できるだけ早く実装していきたいと抱負を語りました。同社に限らず、ネイティブアプリに向き合わざるを得ないFlashアニメーターは国内で数多く存在します。彼らに対してFlashライクな開発環境をいかに提供できるか・・・。さらなるアップデートに期待しましょう。

《小野憲史》

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