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【GDC 2013】中国を攻略した『Plants vs. Zombies』が積み重ねていった地道な改善

ゲームビジネス その他

OMG! Zombies on the Great Wall of China
  • OMG! Zombies on the Great Wall of China
  • PopCapのJames Gwertzman氏
  • 中国市場の困難さを強みに変える
  • マーチャンダイジングは大成功している
  • 書籍も多数が発売されている
  • 既に800万部以上が販売された
  • 中国版のゲーム
  • 売上の推移
「5年前のGDCに参加したとき、誰も中国で成功する見込みがあるとは思っていなかった」エレクトロニック・アーツ傘下のPopCapで戦略開発を担当するJames Gwertzman氏は振り返りました。本講演では中国で大成功を収めたその『Plants vs. Zombies』の全容が語られました。

Gwertzman氏は中国での典型的な失敗例として「拙速に雇いすぎ」「間違った人を雇う」「欧米と同じ戦略」「非現実的な予測」を挙げ、中国という市場は巨大な砂場(=実験場になる)であり、上記の過ちを避けながら、「海賊版の横行」「厳しい競争」「短気な性格」「すぐ辞める従業員」「トップダウンスタイルの経営」「クオリティの低さ」といった困難さを逆手に取っていく必要があるとしました。すなわち、それぞれを「IPを確立する」「新しいアイデアを試しやすい」「イテレーション向きで、方針転換も容易」「状況に応じたレベルの従業員を雇いやすい」「方針をダイナミックに変えられる」「最小限のプロダクトで始める」へと変換するわけです。

こうした前提条件の中、『Plants vs. Zombies』の成功の要因として、マーチャンダイジングでの浸透はよく知られています。あるECサイトでは関連商品が5万件以上出品されていて、その種類も玩具、フィギュア、ボードゲーム、生活用品、絵本まで多岐に渡ります。今では上海のあらゆる店にグッズがあるような状況になっているそうです。このビジネスは中国から逆輸入され、世界的に『Plants vs. Zombies』のビジネスの中核へと育っています。

しかしマーチャンダイジングが上手くいったからといって簡単にゲームも成功するというわけではありません。『Plants vs. Zombies』のは現在では中国で有料ランキングの常連となっていますが、これまでには長い年月があり、そして地道な改善の連続だったそうです。Gwertzman氏が示したグラフによれば、昨年5月と今年3月を比較すると売上は10倍以上に伸びています。この間、何があったのでしょうか?

1つはコンテンツの追加です。8月にエンドレスモード、10月には更なるエンドレスモード、1月には中国をテーマにした「Jorney to the West」というモードを追加しています。遊べるモードを追加していくことで、アイテム販売が増加。アイテムを購入するための「ダイヤモンド」の販売は全体の売上の81%を占めるまでになったそうです。アイテムはゲームを有利に進めるものや、ゲームオーバーから復活するためのものが中心です。

また、通信環境の悪い中国に配慮してファイルサイズの削減も行いました。画像や音声を細かく削減していくことで容量は当初の72MBから8MBまで劇的に小さくなりました。Androidが多く、かつバージョン2.2を搭載しているような低スペック端末が多いのも中国の特徴ですが、ファイル容量と平行して使用するメモリサイズも150MBから48MBに削減して、そうした端末でも快適に遊べるようになりました。こうした容量の削減と比例してダウンロード数は増加していったそうです。

さらに、当初テンセントのみで提供していたストアを拡大して、様々なストアでゲームにアクセスできるようになりました。中国のアプリストアは乱立していて、この取り組みは非常に意味があるとのこと。

これらの施策に加えて、アイテムの価格調整や、ペイウォール(一定のレベル以上を遊ぶために追加の費用を要求する)の調整も行なっているそうです。ペイウォールは設ける場合と設けない場合(無料になる)で比べると、設ける場合では収益が3倍になることがA/Bテストで明らかになったそうです。また、ペイウォールを設ける場所については、3ステージ終わった時点で設けるパターンが、6ステージ終わった時点で設けるパターンよりも30%収益が向上することが確かめられたとのこと。

細かい施策の積み上げで収益を向上させてきた中国における『Plants vs. Zombies』。中国だからといって特別な事は無く、すべきことを実行していくことが成功に繋がるというのは開発者に勇気を与えるものでしょう。Gwertzman氏は今後のテーマとして、引き続き改善を重ねていくこと、本社に教訓を持ち帰り世界的な展開に繋げていくことを挙げていました。
《土本学》

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