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世界が認めた開発力、欧米を中心に『UFC Undisputed』シリーズが大ブレイク中のユークスに迫る!・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第14回

日本においては、K-1やDynamite!といった総合格闘技のファンが数多くいますが、欧米においても同様に総合格闘技には熱心なファンが数多く存在します。欧米において特に人気のある総合格闘技がUFCですが、これを忠実に再現し、大ブレイクを果たしたのが、ユークスです。

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UFC Undisputed 2010
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■米国パブリッシャーのこだわりを徹底的に追及し、日本ならではのキメ細かいゲームデザインはそのままに筋肉から、胸毛、モミあげまでもカスタマイズを実現!



―――あと、『UFC』シリーズでの筋肉システムはすごいですね。

上野:筋肉については、THQ様や団体様のこだわりですね。テクスチャーで書き込む場合と、ポリゴン、双方で作りこんでいます。

森田:最近でこそポリゴンで割れるようになりましたが昔はすべて手書きだったんです。技術制約上、ポリゴンは使えませんでしたから...

上野:テクスチャーで書くしかなかったんです...っ(苦笑)

―――更に『UFC』では筋肉を欧米RPGの主人公のようにカスタマイズ出来るのには驚きました(笑

上野:これも。THQ様から具体的にどの部分をカスタマイズしたいかという事で依頼がきました。これ位の種類がほしいですといった指示です。最初は、カスタマイズしたいといった話から、序々に特定の筋肉を指定してのカスタマイズの依頼がきました。胸毛のカスタマイズについても具体的に細かく指示してきました。また、もみあげとか髭についてもすごいこだわりがあったんです(一同笑)。

―――これらの表現は現行機だから可能になったわけですね?

森田:あれはシェーダーで肌の感覚を表現していますね。少し前のだと擬似的なバンプマッピングで表現している場合もありますが。ゲームキューブ、PS2の時はそうでした。
Q:血や汗の表現も非常にリアルですよね。

森田:汗の流れであったりというのは海外ならではのこだわりだと感じました。流血も現実に忠実に再現しています。技術的にはパーティクルやシェーダーを使っています。それにより「汗が流れる」という表現が可能になったんです。

―――では技も最新鋭の技術を導入したわけですね。

上野:技については今でも手づけが多いです。また各格闘家の特徴などは今でこそキャプチャーを使ってきていますが、フレーム単位の動きの調整をやるのに手づけじゃないと融通が利かないんです。映像資料や、グランドポジションなどの各ポジションに関していろいろ資料を送っていただきました。なお勝利シーンや入場の模様については、アクターの方に映像資料を見てもらった上でモーションをキャプチャーしています。

―――インターフェイスやゲーム全体のデザインを欧米市場に合わせるための工夫はどのように進めてきたのでしょうか?

上野:そうですね。こちらだけで決めれるものは何もない、というのが正直なところです。

―――格闘システムも比較的精緻になっていて、格闘ゲームのようにガチャガチャプレイするわけにはいかないですよね。

森田:単純のほうが好まれるのは事実です。従って『WWE』を実際に分かりやすく作られています。しかし『UFC』の場合は格闘内容の複雑さからあれだけのボタンを使わざるを得なかったというのが実情です。

上野:UFCルールの深さがありますので...だからといって間口を狭くするのではなくて、入口は広く、ハマればハマるほど深いという形になるよう努めました。まずチュートリアルが分かりやすいものである、というのとチュートリアルが楽しいものであるように注意を払いました。そうでないと楽しんでもらえませんので。

―――『UFC』シリーズについて今後の展望などを教えてください。

上野:2009年版のシステムを生かしながら更にブラッシュアップしきれなかった部分をブラッシュアップしたりといったことを進めてきました。

森田:海外のひとはボタンを押してその反応が気持ちいいかどうかを重要視しているのでそういったところを更に洗練していきたいと思っています。アメリカにはいろいろな人たちがいるのでそういった人たちが共通で遊べるものということで感覚的に気持ちいいものを求められる傾向にあります。ですので、その点を重要視出来ればと思っています。

―――ネット上のコミュニティから何かフィードバックを受けることはあるんですか?

上野:インターネット上のコミュニティから上がって来た声は、THQ様がまとめて我々に送ってくれます。09年版で受けたフィードバックを10年版で反映させたりしてきています。この点は日本では考えられない位、パブリッシャーとコミュニティとの間が近いですね。ユーザーを裏切らないという意識は強いと思います。ネットの声を拾ってきて修正を求めたりということもよくあります。

―――ファイティングゲーム以外での展望を教えてください。

森田:特にこれといったジャンルに対してこだわりはありませんが、戦闘に関するノウハウを蓄積しているのでそれを生かすことは出来ると思います。

上野:弊社としてのポリシーとしては、まず技術に対するこだわりを大事にし、ひとつひとつの仕事を確実にこなしいいモノをつくれば次につながるだろうと思っています。

森田:物理演算については一歩秀でているのではないかと思っています。そういった部分でそれを生かしたゲームが作れればいいなと思っています。

―――御社の内制エンジンですが、リアルタイムレンダリングでの空間表現というのは、現段階ではどこまで実現しているのですか?

森田:作り的には現在の内制エンジンは狭い空間に限定していますが、過去に『ベルセルク』、『双界儀』のように広いフィールドで行動するというコンテンツの開発経験もあります。

―――ではユークスとしての展望についてもひとことお願いします。

森田:私自身、『装甲騎兵ボトムズ』といったアニメコンテンツのプロジェクトディレクターをやっていましたし、『機動戦士ガンダム00 ガンダムマイスターズ』も開発を行いましたのでそのような部分でも更にいろいろとやっていきたいと思っています。海外だけでなく日本の大手の会社様とも是非いろいろやることが出来ればと思っています。

上野:人と人とでの物理計算が出来るようになりましたが、メカでもより効果を発揮できるのではと思います。

森田:筋肉だけだとデザイナーも飽きてしまうので(笑)

一同:これからも最先端の技術を生かしたゲームを作り続けていきたいと思っています。

―――ありがとうございました!

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《中村彰憲》
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