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【NDC17】第4次産業革命時代におけるゲーム開発-人工知能の時代に開発者はどう生き残っていくか

基調講演では、ネクソンのWAHT!STUDIOディレクターであるイ・ウンソク氏が「第4次産業革命時代におけるゲーム開発」と銘打った講演をおこないました。

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4月25日から韓国のネクソンコリアにて開催されているゲーム開発者向けのカンファレンスNexon Developers Conference2017(以下:NDC2017)。

基調講演では、ネクソンのWHAT!STUDIOディレクターであるイ・ウンソク氏が「第4次産業革命時代におけるゲーム開発」と銘打った講演をおこないました。ウンソク氏は2002年にネクソンに入社し、同社の『マビノギ』アートディレクター、『マギノビ英雄伝』ディレクターを歴任し、現在は『野生の地:Durango』の開発総括ディレクターを務めています。そんなウンソク氏の語る次世代のゲーム開発と、開発者に求められるものとはいったいどういったものなのでしょうか。


WHAT!STUDIOディレクター イ・ウンソク氏


◆未来のゲーム開発の形


ウンソク氏はまず、『ドラえもん』のひみつ道具である「まんが製造箱」を例にあげゲーム開発も将来はこうなるのではと真剣に考えるようになったといいます。「まんが製造箱」は、漫画の見本をセットし、どんなストーリーにしたいか、何ページにするかなどを指定すると自動で漫画を作ってくれるひみつ道具です。まさしく人工知能と機械学習があわさった道具といえるでしょう。こういった技術が発展してくると、人間の仕事がなくなっていくが、その際にどうすればいいか、長く仕事をするため何をするべきか、ウンソク氏は話を続けます。


のび太くんは手塚治虫の漫画をセットし「SF漫画で宇宙冒険物、笑いと涙のある250Pの漫画」と指定。


◆弱い人工知能の時代においてゲーム開発への影響は?


ウンソク氏は、例えば自動車事故の判断や監視カメラを通じで不審な行動が検知するといったことは自動化が可能であるとし、いわば「弱い人工知能の時代」が来るのではないか、と予期します。これに関連し、新しい職業が生まれてくるから問題ないという意見もありますが、ウンソク氏はこの意見に対し反対の立場をとっています。誰にでも当てはまることですが、今の職業がなくなったからといってすぐに次の仕事にうつれるでしょうか?例えば、スーパーのレジ打ちがすぐに自動化の管理者になれるでしょうか?答えはNoでしょう。人工知能の発展した未来には、人間の仕事がどんどん減っていくのです。

ソフトウェア産業であるゲーム業界は人工知能の影響を受けやすいとウンソク氏は話します。自動運転車や産業用ロボットのようにハードウェアが必要ないので物理上の導入がたやすく、価格が安くなりさらに導入がしやくなると、独占と寡占、二極化がますます激しくなるのではと述べました。人工知能を研究するリーディング企業であるGoogleやFacebookなどの企業はアルゴリズムやツールは提供しているが、データは公開していません。人工知能の学習には膨大なデータが必要なので、良質なデータを抱えている巨大な企業であればあるほど、ますますうまくいくようになるのです。

ゲーム業界での人工知能の活用例として、テストの自動化、レベルデザインが自動的に行えるようになるのでは、とウンソク氏は話します。例として挙がったのがスーパーマリオのゲームレベルについてです。スーパーマリオと同じようなゲームレベルを模倣するように人工知能に指示すると、おなじようなレベルのアウトプットが出てくるというのです。


テストプレイやレベルデザインを人工知能が行う。


また、人工知能は解像度の低い写真1枚あれば、解像度の高い3Dテクスチャを作製することが可能で、これは、『GTA(グランド・セフト・オート)』を作る際にも応用ができるそうです。昔であれば、数百人のキャラクターを作るためにそれに応じた人数を3Dスキャンする必要がありましたが、人工知能があれば写真を解析するだけで人数分のキャラクターがすぐにでき、労力の削減にもつながります。


低解像度でも写真があれば簡単に3Dテクスチャがつくれる。キャラメイキングも簡単に。


◆人工知能の時代に開発者はどう生き残るか


さらにウンソク氏は、「人間にゲームに気持ちよく勝ってもらう」ための人工知能の活用も理論上は可能であると話します。AlphaGoは人間に囲碁に勝つために機械学習をしていますが、囲碁を打っている人間のまばたきや脳波、心拍、体温を測定し、夢中になっているシーンを人工知能にインプットできれば、どこに打てば相手が喜ぶかを学習できます。その学習結果をもとに囲碁ゲームを作ると、人間の力量にあわせて囲碁を打ってくれるようになり、人間はギリギリの勝負のすえに勝利を味わうことができるようになるのです。いわゆる「接待プレイ」のようなことが機械によって実現される未来もそう遠くはなさそうです。

これまでウンソク氏は、データが多くパターン化されたものが人工知能によって取って代わると話してきました。では、どういった能力が次世代に必要になってくるのでしょうか。

企業においては、ウンソク氏はIPとブランドを作ることが重要だといいます。『Ingress』と『ポケモンGO』の比較した際、IPの違いにより100倍以上の差を生んでおり、自社だけのIPをつくることが未来においても大切だと述べました。


『Ingress』と『ポケモンGO』の比較


個人においては、データ化、パターン化できない仕事をすることが重要とし、弱い人工知能は人間を理解することができないので、人間に対する、理解、共感、交渉の能力がAIにとってかわることはないと話します。プログラマーを例にあげると、与えられた仕事だけをこなすのでなく、その意図を理解し、アクティブに仕事をすることが長く生き残れる法則だとアドバイスを送りました。

最後に、ウンソク氏は「皆さんのなりたい姿はなんでしょうか?それについてぜひ考えてもらいたいと思います」と会場の開発者たちに自身の未来を考えるように促し、講演を締めくくりました。

取材協力:ネクソン
《山﨑浩司》

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