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【インタビュー】『サマーレッスン』が提案する新体験は“人間関係の構築”…その真髄を原田P&玉置P/Dに訊いた

 

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◆『サマーレッスン』はコンテンツではなく“体験“を提供する



──自分の中のひかりちゃんへの印象が変わるだけでなく、彼女の中で自分がどういうふうに思われているのか、「ひかりが感じてる自分の印象」まで気になってしまいそうですね。

原田:デモ版の頃から、その反応はあったんですよ。1,000人くらいの体験会をやった時に「あ、みんな嫌われたくないんだ!」って気づいたんです。体験が終わった後、「始める前は、立って歩いたり色んなとこ見たりしてやろうと思ったんですが、何も出来ませんでした。もう一度プレイさせてください」って凄く多くの方が言うんです(笑)。

もちろん緊張もあるんですが、そういう反応になるのは「嫌われたくないから」なんですよね。嫌われたくないので、NOが選べない。みんなYESを選んでしまう。これもひとつの発見でしたね。だから、例えば厳しい反応をひかりにする方は、自分は甘い人間だと思われたくないからなんでしょうね。その方が男らしい、と考える人もいますし。

玉置:ひかりちゃんとどういう人間関係を結びたいのかが、透けて見えてきますよね、他の人のプレイを眺めていると。ちょっと怒らせたり文句を言わせるような選択をチョイスする人は、憎まれ口を叩き合えるような関係を望んでいるんだろうな、とか。

──人間関係の構築を観察できると。それも新しい体験ですね。さて基本パックが発売された後の展開に関してなんですが、エピソードやキャラクターが追加されていく、という認識でよろしいのでしょうか。


玉置:認識としてはちょっと違ってまして、まずエピソードという概念ではないんですよ。ゲーム的にストーリーがあって、それを輪切りにして出すという感じではありません。そもそも『サマーレッスン』が提供しているのは、ドラマのような読み潰していくようなコンテンツではなく、“体験“なんです。

今後配信するのは、全て“シチュエーション”です。VRは今どんどん進化している途中でして、基本パックというのはあくまで「今の段階の結論」なんですよね。今後の研究開発の中で新たに見つけたり生まれたものを、随時展開していくような形です。なので、シチュエーションを、手を変え品を変えで提案しつつ、良いと思えるものを出していくのがメインです。VRキャラクターものを盛り上げていくのは、シチュエーションの開拓がまず急務だと思っています。そこを集中してやっていくというのが、今の現状ですね。

原田:もちろん、遊んでいるうちに「こんなキャラいたらいいな」とかは自ずと出てくるでしょうし、ユーザーさんが基本パックでVRを体験することで、VRというコンテンツに対して具体的な希望や要望が言えるようになると思うんです。そういった声は、『鉄拳』などでもしっかり聞いて取り入れてきたので、『サマーレッスン』でもTwitterとかで言ってくれればちゃんとチェックします。

玉置:もともと、お客さんの支援がなかったら出来ていないプロジェクトですし、一緒に歩んでいかないと分からないものなので、そこはユーザーさんと共にやっていければなと思います。

原田:ただ過去の経験上、『サマーレッスン』の部屋の中に「ブライアン」が出ることだけはないでしょう(笑)。


『サマーレッスン E3 2015 DEMO』の画像

──昔のデモには原田さんが登場していましたが、それも出ないんでしょうか。

原田:あれどう見ても僕でしたけど、誰も僕とは言ってませんからね!。ただまぁ、あれが登場したらダメですよ(笑)。当時は当時で、ちゃんと研究のために出しただけで、おそらく二度と出ることはないでしょう。……ただ、こういうこと言うとみんなリクエストしてくるんですよ(笑)。しかも腹が立つのは、「原田さん出してください!」って大勢からリクエストが来て、「こんなに要望する声が来てる。これ、出した方が良いんじゃないか?」とか思うわけですよ。でも実際に出してみると、誰も買わないっていう(笑)。インターネットコミュニティの怖いところですよー。

玉置:出るって決まる瞬間までの経緯がコンテンツなんですよね(笑)。

原田:「うわー本当に出たイエーイ!」で終わり。「おいお前ら決済してないぞ! 買うって言ったよな!?」みたいな。……だから、絶対に出しません(笑)。

──では、これだけは絶対に出ないんですね?(笑)

原田:でも最終的には玉置が決めます。任せます(笑)。

玉置:そこは相談しながら(笑)。

──そこもトップダウンではないんですね(笑)。

原田:ただ絆創膏の件も含めて、悪い影響を与えたところもあるかもしれないので、『サマーレッスン』で悪いところを見つけたら、全部原田のせいだと思ってください(笑)。そして新しい発見があったところは、玉置君や若い世代が凄いからです。

玉置:そんなかばい方をしなくても(笑)。僕が思うのは、最初に企画した時と何も変わってなくて、「まったく新しいものなので全員にアイディアを出す権利がある」ということなんです。原田さんの意見が良かったら原田さんのものが取り入れますし、私の意見がよければ原田さんも認めてくれる。その人間関係は何も変わってませんし、それが『サマーレッスン』の持ち味だと思うので、今後もそのままでいきたいなと思ってます。

原田:最後に怒る権利を持っているのが僕ってだけです(笑)。

玉置:それは権利というか……どう考えても、怒らせたら一番怖い人じゃないですか。だから、そういう仕組ですよ(笑)。


──それでは最後となりますが、ユーザーさんに向けたメッセージをお願いします。

玉置:今回お話したように、VRのキャラクターものは今後も進化していくと思いますが、デモ版で応援していただいた皆さんに対して「ここまで出来ました」とお見せ出来る機会がようやく訪れました。今までは体験会といった機会しかなく、外に出かけないと出会えない『サマーレッスン』でしたが、これまで「サマーレッスンを俺が家で遊んだらどうなるんだろう」と期待してくださっていた皆さんに納得してもらえるものが出来たと思います。ぜひ買って、体験してみてください。思わぬ発見や、「VRの世界ってこうなっていくんだ」という未来が見えると思います。

原田:冒頭でも言いましたが、形になる日が来るまで凄く遠かったので、出せることが本当に嬉しいです。若い世代と古い世代が入り混じって創りだしたので、普通のゲームにはない「いい味」が出ているかなと思っています。

あと開発側もユーザーの「ここがよかった、あれがよかった」を共有したいので、どんどん教えてください。僕らが知らないこともあったりするので。悪かったところはすぐに分かるんですが、逆に良かった部分は、ユーザーさんが先に気づくところもあると思います。だから、良かったところを言ってくれる方が勉強になるケースなんですよ、今回は。ほかのゲーム、例えば格闘ゲームとかはまた違いますが、VRは「自分が良かったところ」を教えてくれると、僕らが気づいていないニーズに気づけるので、言って欲しいですね。

玉置:「俺はひかりちゃんのこういうところが好き」とか、聞きたいです。あ、もちろん、悪い意見もちゃんと聞きますからね。そっちは聞きたくない、という話ではありません(笑)。

原田:苦情は全部原田でいいですから(笑)。よかったところは玉置の方に。

玉置:もしよければ、「ここが好きだな」と思うところがあったら、ぜひ発言してください。

原田:余計な一言かもしれませんが、せっかく若い世代が出てきて、こういう新しいゲームを作っているので、そういう芽を踏みつけるような酷い発言はしないで欲しい(笑)。

玉置:いえいえ、そこは真摯に受け止めますから(笑)。

原田:売れたら売れたで「調子に乗るな」とか言われますからね(笑)。なので、どうか末永く見守っていただけたら嬉しいです。

玉置:よろしくお願いします(苦笑)。

──本日はありがとうございました!

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

『サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本ゲームパック)』は配信中で、価格は2,980円(税込)です。

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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