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女性ファンから見る『龍が如く』の魅力ー「お母さん視点、桐生ちゃんはもう息子みたいな感じ」【龍好き女子座談会】

女子2人+シリーズプロデューサー・横山氏による異色の対談。

ソニー PS5
女性ファンから見る『龍が如く』の魅力ー「お母さん視点、桐生ちゃんはもう息子みたいな感じ」【龍好き女子座談会】
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昨年、15周年を迎えた『龍が如く』シリーズ。作品を重ねるごとに新しい遊びを加え続ける一方、一貫して極道の世界を舞台に、男たちの熱く重厚な人間ドラマを描いてきたこのシリーズは、桐生一馬や春日一番といった魅力的なキャラクターを生み出しながら、今では日本を代表する一大IPへと成長しました。


『龍が如く』シリーズ年表

直近でも、シリーズ最新作となる『龍が如く7 光と闇の行方』の海外版『Yakuza: Like a Dragon』を日本国内向けにアレンジし、“インターナショナル版”として、2月25日、Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けに発売。また、3月2日には同作のPS5版が発売されました。

このシリーズ、先述の通り「任侠モノ」ということで、メインターゲットには男性プレイヤーが据えられており、実際、開発としてもそれを強く意識しているのではないかと思います。しかし、一方で本来のターゲットではないはずの「女性ファン」からも支持を多く受けているタイトルでもあります。

このゴリゴリの男性向けシリーズにおいて、彼女たちはどこに惹かれたのかー。今回は、セガの若手女性社員である齋藤さんと、弊社(イード)社員にして無類のゲーム好き、『龍が如く』は初代の発表時から追っているという原田による語らいの場をセッティング。そしてその場に、『龍が如く』シリーズプロデューサー・横山昌義氏を招き、3者による座談会を実施しました。

女性ならではの視点で語る『龍が如く』の魅力から、横山氏による開発裏話まで、大いに盛り上がった模様をお届けします。

『龍が如く』との出会い


――『龍が如く』とはどこで出会ったのでしょう。

原田私がシリーズを知ったのは、PS2で発売された初代『龍が如く』です。ゲーム雑誌で情報を見て気になり、その年の東京ゲームショウで試遊をしたと思います。当時の試遊スペースは18歳以上向けで囲われたエリアになっていて、黒服のスタッフさんに囲まれた明らかに異質な場所でしたね(笑)。そこに友達と2人で行って、世界観に圧倒されて帰ってきた思い出があります。ゲーム自体は発売日に買いましたが、まさか15周年を迎えるような大作になるとは想像していませんでした。

『龍が如く1&2 HD EDITION』より

齋藤試遊した時にこれは面白いぞと。

原田そうですね。剣と魔法のようなファンタジー作品が多い中で、金と暴力で任侠がテーマというのは衝撃がありました。また、試遊スペースの雰囲気作りからしっかりされていたので、これは力の入ったタイトルだぞとすごい期待していましたね。

齋藤私は自由な時間の多かった大学生の頃に「ゲームをしよう!」と思い立ち、ネットでおすすめのゲームを検索したら、どのサイトにも『龍が如く』が載っていたのでやってみるかと。その時に買ったのがPS4『龍が如く 極』です。プレイしたら今までやってきたどのゲームよりもストーリーが重厚でインパクトも強く、クリアした後は放心状態になったことが印象に残っています。歴はまだまだ浅い新参者なのですが大好きなゲームです!


――2人が一番好きなシリーズ作品も教えてください。

原田私はPS4『龍が如く0 誓いの場所』です。

齋藤私も『0』が一番好きです!!『0』はすべてのシリーズタイトルをプレイしていても、群を抜いて熱いですよね!

原田あれもよかった、これもよかった……でもやはり『0』ですね。

齋藤わかるなー!!(笑)あの時に起きたあの出来事があったから、その後にこうなったんだというのが分かって、熱いんですよね。私が一番好きなキャラクターは「錦山彰」さんなのですが、『極』で過酷な目にあった錦が桐生と楽しく日々を過ごしているのを見るのが幸せというか、こういう時もあったんだなとエモい気持ちになります。「真島」の兄さんの印象もすごく変わる作品ですよね。『極』からだと飄々とした掴みどころのない振り回す側の真島の兄さんが、『0』だと人間らしさがあります。

原田『極』からプレイすると、ひとりの人間として完成されている存在同士の信念のぶつかり合いにフォーカスされています。一方、『0』では桐生も真島も未熟な部分があり、彼らが成長していくという物語の前段部分が描かれるので、他の作品よりも物語が1枚分厚くなっているような印象がありますよね。


――真島の兄さんは『極』以降と『0』では大きく性格が異なりますが、『0』のような設定は事前に決まっていたのでしょうか?

横山『0』は初代よりもずっと後に作った作品なので、登場人物たちの過去は究極の後付けなんですよね。この『0』のエピソードの延長線上として、その後の『龍が如く』につながるように見せなければいけない。そこで一番困ったのは、『龍が如く』で絶対決めているポリシーである「現役極道が主人公であってはならない」という点です(『龍が如く OF THE END』やスピンオフはパラレルワールドなので除く)。このポリシーを守るために桐生は一度破門させてカタギの不動産屋にしようと決まったのですが、真島をどうするのかが最大の問題でした。最初はキャバレーグランドの支配人ではなく、人を殺せない殺し屋という設定で書いていました。殺し屋は極道じゃないから問題ないでしょうと(笑)。

あともうひとつ問題だったのが、真島を演じられていた宇垣秀成さんにノーマルの渋い演技をお願いしたことがなかったことです。ただ、宇垣さんは昔結婚式の司会などをされていたり、一緒にポッドキャストのラジオ(『神室町ラジオステーション!』)をやっていて、僕や黒田崇矢さんが脱線する中、真面目な進行をしてくれていたこともあったので、実は生真面目な役柄の芝居が得意なのではないかと思ったんですね。それもあってキャバレー支配人という設定にしました。真島編冒頭の「お客様は神様です」というスマートな立ち回りはそうしたエピソードから引っ張ってきています。

『0』のシナリオで僕が最初から決めていたコンセプトは「色の理由」を描くことでした。桐生と真島の2人がなぜあの色のジャケットを着ているのかという答えを出す話を作ろうと考えました。冒頭の桐生は裏社会を表す「黒いスーツ」を着ている。しかし途中でカタギとなり「白」を着て、物語の最後、「白の道を歩け」と言ってきた風間の親父に初めて反旗を翻して「俺は真ん中の色でいきます」となりますよね。中途半端なグレーという色を選んだのはそういう理由なんです。

一方の真島は蛇柄のようなカオスな道を選んだ。檻に入れられ飼いならされた犬のように、制服としてのタキシードを着させられているものの、佐川や西谷、それにマコトという人間と出会い、最後は自由を得たことで、混沌とした俺だけの生き方をいくということからあの蛇柄のジャケットを選ぶんです。こうした男たちの生きる道を色で表現するストーリーをやろう!と、やる気満々に黒田さんや宇垣さんに『龍が如く5』の後に伝えていたのですが、いろいろあって『龍が如く 維新』を先に作ることになったんですよねぇ(笑)。


原田そういうお話をいただくと、作品の見方も変わりますね。

齋藤『0』の最後に、セレナで桐生と錦がスーツの話をするシーンがより一層感慨深くなりますね!

“推しキャラ”語り


――シリーズを通してたくさんの人物が登場しますが、2人が好きなキャラクターについても教えてください。

原田私は「伊達真」です。初めて見たときから伊達さん大好きで推しです。仲間がいない桐生ちゃんにとって唯一頼れる……あんまり頼りないんですけど、存在として心強かったというのが印象的でしたね。くたびれたおじさんとして登場して、桐生ちゃんと接していくなかで闘志を蘇らせるようなところが可愛いおじさんだなと思って好きです。

齋藤『6』の冒頭で桐生を見つけて「やっぱり桐生か!」と行くところとか、可愛いってなりますよね!

原田「子犬か!」ってなりますよね(笑)。風間の親っさん亡き後、伊達さんは心の底から桐生ちゃんに幸せになってほしいと思っているキャラクターだと思うので、他の人と少し立場が違うところも面白いかなと。伊達さん好きはマイノリティな気もしますが、シリーズの出演回数だけはめちゃくちゃ多いのでみなさん実は好きだと信じています。


――聞くところによれば、他にも刑事役のキャラクターが好きなんですよね。

原田はい。『7』の足立さんも好きです。豪快にみんなを引っ張っていきつつ、イジられキャラとして場を和ませることもできるいい存在ですよね。だから『龍が如く』の新作が出ると、真っ先に「新しいおじさんは誰かな?」とチェックしちゃいます。

横山春日一番の話は桐生の半生をトレースするように作られていて、第二の『龍が如く』という意味合いで作っています。唯一、初代と『7』だけムショに入る前の「過去編」と出所後の「現代編」のエピソードに分かれているんですよね。長い刑期を終え浦島太郎状態となった人に、今のリアルな情報を伝える役割ってやっぱり刑事になっちゃうかなと。刑事は極道と背中合わせでもあるし。

2人を演じられている山路和弘さん、大塚明夫さんもめちゃくちゃかっこいいからね。スケジュールを確保するのが難しい大御所をここに配置しているのも気合いの表れです。このポジションのキャラクターって説明セリフが多いんですけど、長いセリフをカッコよく艶がある声で、しかも正しく情報を伝えきるというのは並大抵の声優さんではできないんですね。秋山もそのポジションなんですけど、全員僕の指名でキャスティングさせてもらいました。


――齋藤さんは先ほど話にあった錦山がお好きなんですよね?

齋藤はい。最初に『極』で見た時は「何だこの感じの悪いやつは」と敵対心のような気持ちでプレイしていたのですが、錦がなんでそうなったのかという経緯を見たら言葉が出てこなくなっちゃって、クリアした後も錦のことばかり考えていました。信頼していた麗奈に「何もできなかったの?!」と言われたり、柏木さんに「恩を仇で返す気か!」とブチ切れられたりするのですが、みんななんでこんな酷いことするの……なんで誰も錦に寄り添ってあげないの……とプレイ中は心が壊れそうでしたね。錦としては桐生がいなくなった後も認めてほしかった、受け入れてほしかったという気持ちがあったのに、みんなから厳しい扱いをされて胸が苦しくなりました……。

でも『0』で元気な錦が見られて……胸がいっぱいになりました。錦が笑ってるよー!と。桐生のお兄ちゃん的なポジションとして一緒に育ってきたんだなという微笑ましい気持ちと、この時から既に桐生に引け目を感じていたのかなと想像して複雑な気持ちになりました。演じられた中谷一博さんの演技も本当に素晴らしくて、一言一言が心に刺さるんですよね。幸せになってほしかったなと考えている時間が一番多かったキャラクターです。


原田私はPS2版の初代『龍が如く』をプレイしてから『極』をプレイしたのですが、桐生ちゃんに対峙する所謂ライバルキャラという立ち位置から、『極』で追加されたエピソードを通じて錦の素直に葛藤している部分が描かれて、そこで見られた影のあるところも彼の魅力だと思います。

齋藤影繋がりで言うと『7』の荒川真斗も大好きなんです!

横山よかったよー、やっぱり真斗も好きなんだね(笑)。

齋藤真斗も惚れていた夢乃のためにドーピングまでして会いに行くのに、裏では他の男と一緒にバカにされたりして…!真斗だって一生懸命なんだよ!と。最後の最後でイチ(春日一番)に「俺にとって若は家族なんです。生まれて初めてできた友達なんす!」と言われてほだされる真斗も素敵で号泣でした。峯も好きなので、ヒール役のキャラクターにハマりがちですね。

――齋藤さんは作中で死ぬキャラクターが好きなんですね(笑)。

原田『龍が如く』は気がついたら人がいなくなっているので、結構最後まで生き残るのって大変なんですよね。そんな中でも伊達さんはずっと生きていますよ!

横山伊達さんは死なないでしょ(笑)。

原田でも終盤になると弾が飛び交っているので、ワンチャン流れ弾で死んじゃうかなって心配してましたよ!

横山ああいうタイプは英雄伝の伝承役だから大丈夫だよ。いやでも錦や真斗が好きってことはなるほどなあ、齋藤さんは悪い男にハマっちゃうタイプかもしれないね。悪い男たちのコンプレックスというか闇の部分が大好きなんでしょうね(笑)。


齋藤そうですね(笑)。頑張って成り上がっていくんだけど、本当に欲しかったものは実際得られてないみたいなキャラが好きです。峯みたいな普段は冷静だけど、実ははめちゃくちゃ強くてキレるとヤバイ人が好きな女性って多いと思います。こんなクールな峯から「誰かを信じたい、信じられたい」っていう本音が出たときは胸に来るものがありました。中村獅童さんの演技も本当に素敵で、『維新』の土方さんも大好きでした!

横山土方はかっこよかったよね。『維新』で一番かっこよかったからいっぱい喋らせちゃったもん。

齋藤峯がまた出てくるのかと期待していたら想像以上で!ここでは絆を得られていたようで私も幸せでした。

横山最後まで生き残った4人のひとりだけど、あれは『3』の時に峯が最後に言った「生まれ変わったら、俺もそっちにいれるかな?」というのを『維新』で実現したんですよ。

齋藤やばっ!!

原田これから『維新』2周目コース確定ですね。

――女性陣としてはキャラクターへの愛情って、ガチ恋か憧れなのか、男性としては気になりますね。

原田個人差はあると思いますが、私はお母さんみたいな目線で見てます。みんなががんばっているのを温かく眺めてますね。葛藤してる時は「そうかー困ったねー」と一緒に悩んで、決意を新たにしている時は「お母さんも見守ってるよ!」みたいな感じです。だから堂島大吾くんやイチはもう孫感覚ですよ、立派になって可愛くてしょうがないです。

齋藤大吾は可愛いですよね。シリーズ通しての苦労人で不在なことも多いけど、いつも大吾なりに一生懸命頑張っているのがわかるので応援したくなります。

私は新参者なので母親目線の境地には達せていないのですが、ガチ恋も恐れ多くて、アイドルと一緒で応援したいという感じです。生き様を応援していきたい、幸せならいいやと思ってるんですけどみんな死んじゃうんですよね…。


――僕もよくあるんですが、齋藤さんは完全にオタクの見方ですよね。遠くから見ていたいんですよね。

齋藤そうなんです!遠くからうれしいとか悲しいとかを勝手に共感したいんです。

横山社内にもそういう強烈なファンの人っているんですけど、なかなか僕らに直接伝えてくれないんだよね。一緒に仕事をするようになって初めて話してくれたりするけど。

齋藤オタクからしたら素晴らしいものを作ってくださった方が目の前にいたら恐れ多くて何もできなくなるというか、「ありがとうございます!」って心の中で思っていたい精神なんです…!

横山そ、そうなんだ。人それぞれの楽しみ方があるんですね。

――すごい分かります。話しても大丈夫、と許された感じがしたらすごいしゃべるんですよ。僕も劇中のキャラクターの生き様に憧れたりします。

横山英雄の定義って色々あるけど、その多くは自分の命を粗末というか犠牲にできる人が多い気がします。普通の人間は自分の命を守るのが本能だけれど、その真逆のことができるのがヒーローだったりします。つまり命のやり取りを描く必要があるんですね。そして現代でそれに親しい職業が裏社会の人たちだった。常に死と隣り合わせ。だから儚くて切なくてカッコよい。私も香港のマフィアものばかり観て育ったけれど、そんな生き方をしたいとは思っていなくてもかっこいいと感じていましたね。男はそういう目線で作品や登場人物たちを見たりしますけど、今の話を聞いていると違う見方もある気がしますよね。

――女性陣のお話を聞いていると、人物の関係性をよく見ているなと思いました。

横山どの作品でもあると思いますが、キャラクターにバレンタインのチョコレートが届くんですよ。現実にはいないって分かりながらも送るという感情はどういうものなんだろう?

原田彼女たちの先に見えているのはキャラクターだと思いますよ。

横山でもいないですよね?

原田見えているんです。その見えているキャラクターに対して、感謝の気持ちを伝えているんですよ。そこに創造主の方々は見えていなくて、視線の先にあるのは錦であり真斗なんです。

横山そんなに錦が好きなら中谷くんに送ってあげればいいのにと思うんですけど……。

原田中谷さんは錦と同化しちゃっているので、錦山(中谷)さんに送ってるんです。

横山その送り先がセガの会社の住所なんだ。

原田そうなんです、錦は大崎にいるんです。……と、私は理解しています。


――チョコレートとかを送ることで実在感を得たいというのはありますよね。

齋藤見返りとかもいらないんですよね、送った時点で満たされちゃうんです。私はむしろキャラクターを知ってほしいという気持ちが強いので、友達に錦の推しプレゼンをしますね。好きな作品を共感してほしい、お話ができる人がほしいです。

横山だから『龍が如く7』では実況や配信を全部許可したんですよね。ネタバレだけするのは困るけれど、友達の家に行って遊ぶのと同じで、一緒に楽しんでいる人はもうそれでいいんじゃないかと。私も子供の頃、友達の所でやったゲームが面白くてその冬に買うとかありましたし。

齋藤私も広めるのがファンとしての使命だと思ってます!

横山布教用に自分の好きなソフトを買う人もいらっしゃいますしね。

――僕もキャラクターの誕生日にケーキを買ってお祝いしたりします。結局それは自分で食べるんですけどね。

齋藤私たちからしたら、生まれてきてくれてありがとうって感じなんですよね。

横山こっちは誕生日とか意識して決めてなかったんですけどね。せめて忘れない日にしておこうと、桐生は名越さんの誕生日にしちゃったし。

原田それは一番忘れなさそうですね。

横山由美は私の誕生日だし。当時はこんなにシリーズが続くとも売れるとも思ってなかったから、キャラクターのプロフィールが掘り起こされると考えてなかったんですよね。ただ、なぜ誕生日を設定するのかというと、何年何月の話をした時に年がずれないようにするためなんです。だから早生まれの人はあんまり作らないようにしていて。よくあるじゃないですか、年齢を聞いてから何月生まれか聞いて、「あー、それなら学年一緒だ!」っていうあのやり取り。あれが劇中は無駄なので避けたかったんですよね。

ただ、一番だけ生まれた日にトリックを入れようと決めていたので、初めての早生まれの主要人物でした。ちなみに一番は好きじゃないの?

齋藤大好きです!心酔という意味での好きは錦にいくんですけど、イチに対しては一緒にがんばろうとか可愛いなという好きの気持ちですね。

原田最初の少し軽い印象とひたむきに成長していく過程で、すごく応援したくなるキャラクターですよね。


――2人としては『龍が如く』の主人公は可愛いという感じなんですかね?

原田私はもうお母さんなので、桐生ちゃんは息子、イチは孫みたいなもんです。

齋藤私も桐生さんとイチは、可愛いという感じがしますね。桐生さんは天然だけど融通が効かないところが可愛いし、イチは感情表現が豊かで素直なところが可愛いです!

横山主人公を作っていて難しいのは、ユーザーよりも頭が回っちゃう秋山みたいなタイプですね。ユーザーよりものを知らないほうが、プレイしていて疑問に思ったことをその都度「どういうことだ?」と聞けるからいいんですよ。それが感情移入につながっていくので。

齋藤そうなんですね。

横山主人公だけが知ってましたという事実を作っちゃいけないんですよ。主人公イコールプレイヤーだから。秋山は説明役も兼ねているトリッキーなキャラクターだから、脚本的には頭を使いますね。だから楽になりたくて次に冴島を作っちゃったんですよ。あれはもう「分からんねん、難しい話はそこまでや」って言っておけばいいから。

齋藤原田(笑)。

横山『龍が如く4』は秋山編で頭を使って疲れちゃったから冴島編にいって、またちょっと賢い谷村編になって最後は桐生編と、自分の中でもユーザーも疲れないように緩急をつけて作りましたね。


――可愛いキャラクターって母性本能をくすぐられるとかあるんですかね。

原田私は母性本能しかないですよ。イチは孫なので、趙やジュンギが仲間になった時なんか孫が友達を連れて遊びに来たみたいな感覚でした。

齋藤『7』のパーティはほのぼのしてますよね。パーティチャットや宴会トークを見てると家族みたいな絵が浮かびます。そういうみんなといる感じも『龍が如く』としては新しい感じがしました。

お約束の半裸。そして刺青


――話は変わりますが、『龍が如く』シリーズと言えば半裸になって刺青が見えるというシーンがありますが、それについてはどう思いますか?

原田私はあまり刺青に詳しくないので、どんなデザインなのかよりも刺青に対して乗せている思いが気になりますね。『龍が如く』では物語を通じてキャラクターの信念が語られますが、ここぞという場面で半裸になって刺青が見えてその決意の表れが垣間見られるので、気持ちが高まる要素になっているかなとは思います。


――刺青のデザインは制作サイドから彫師さんに依頼をされるのでしょうか?

横山ケースバイケースですね。ただ毎回最初は、彫師の彫巴さんにそのキャラクターのベースのストーリーをくださいと言われますね。出身やどうして極道になったのかという表に出ていないような設定を出すんです。

プロの彫師さんって、図柄をオーダーされることもあれば、おススメを聞かれることもあるみたいで。だから神話や逸話などを色々ご存知なんですよね。上昇したいけれど二番手で、その頭脳と才能を使って王者を支えるみたいな生き方を選ぶ麒麟は峯に合いますね、という形で決まったりします。そうやってコンセプトが決まるといくつか鉛筆のデザイン画があがってきて、そこでまたいろいろ打ち合わせて方向性を決めた後、詳細な絵があがってきます。

真島吾郎の刺青

原田二人三脚で作られているんですね。

横山大変なので脱ぐキャラクター以外は刺青の柄って決めていなんですよ。

原田じゃあ、柏木さんの刺青はないんですか!?

横山設定としてはないですね。裸になるシチュエーションがあったら、その時検討します(笑)。実はPS2の初代『龍が如く』では、真島にも刺青は入ってないんです。ジャケットの下に少し見えているのはキャラクターの制作スタッフが見よう見まねで作った刺青柄で、『2』で主要キャラクターになったことで、そのタイミングで彫巴さんに頼んで「般若」のデザインを作ったんですよ。

齋藤錦の鯉とか素敵だなって思います!

横山実際は龍の柄を入れる方が相当多いそうですよ。鯉とか入れてる人は相当珍しいらしいです。額に入れる人はいるみたいだけど。

齋藤あえて鯉の刺青を選ぶところも好きです…。

峯義孝の刺青(左)、錦山彰の刺青(右)

女性から見る『龍が如く』の魅力


――『龍が如く』には女性キャラクターも登場しますが、彼女たちについてはどう感じていますか?

原田物語は男性キャラクターを中心に進むので、女性が出てくると画面が華やかに見えますよ。ただ、『龍が如く』の女性は作品に華を添える存在としてではなく、とても重要な役割を持っていたり、意思が強く主人公に影響を与えていたりするなど印象に残るキャラクターが多いですね。

齋藤女性だから、男性だからと見る目が変わるのではなく、ひとりの登場人物として捉えていますね。私は花ちゃんの「社長!」というセリフが好きで、今日も花ちゃん元気だな、かわいいなと温かい気持ちになります。あと遥ちゃんも大好きで、個人的な話になるのですが、就活がうまくいかなくて辛かった頃、遥ちゃんの「KONNANじゃないっ!」を聴いて、ひとりのアイドルとして力をもらいました!

原田女神みたいな感じですね。

齋藤セガの面接に行く道中はずっと聴いて気持ちを高めてました!あとカラオケモードもめちゃくちゃ好きで、桐生さんの合いの手なんて最高ですよね。

原田任侠の硬派な世界をベースにしながら、そういう遊びの要素が盛り込まれている点も『龍が如く』の魅力ですよね。『0』のキャバクラなんて本編そっちのけで一生やってましたね。


――ゲームの難易度についてはいかがでしょう?『龍が如く』に初めて触れる方でも遊びやすいですかね?

齋藤全体としては難しくなく、ラスボスなどの強敵は手ごたえを感じられる強さはありましたが、基本的にはさくさく進めましたね。

原田ゲームは難易度調整ができますし育成もシンプルで分かりやすいので、アクションゲームをこれまで触ってこなかった方でも手軽にできると思います。バトルも難しさよりも爽快感が重視されており、物を使った豪快な戦いも楽しめますよね。私は当たり判定の大きい自転車が大好きで、頻繁に振り回してました。

齋藤ストレス発散できますよね!


――では最後に、おふたりが『龍が如く』シリーズに対して感じている魅力を教えてください。

齋藤私はキャラクターそれぞれが信念や個性、生き様を自分のうちに秘めていて、それを貫いて色々なことに立ち向かっていくところに魅力を感じます。映画を観ながらゲームしているという感じですね。ヤクザって怖そうというイメージでまだ『龍が如く』に触れていない方々はもったいないと思うので、ぜひ一度プレイしていただきたいです。気がついたらストーリーに圧倒されて推しができていますので!

原田重厚なドラマ部分は魅力ですね。しっかりと人生を背負ったキャラクターが描かれているので、そうした人間同士がぶつかれば必然的に熱い展開は生まれますよね。あとは100億の少女、カラの一坪といったサスペンス的な引きが序盤から作られているので、物語としても先が気になる作りになっており、プレイし始めるといい意味でずるずるとのめり込んでしまうところもシリーズの面白さだと思います。

横山今日お二人の愛を聞いて思ったのは「正直サッパリ理解できまへん」ということでしたね(笑)。今後もそちらに歩み寄らず、これまで通り作り続けますので、どうかこれからも勝手に付いてきてください!

――本日は3人とも、ありがとうございました!



男女問わず楽しめる一大エンタメ作品となっている『龍が如く』シリーズ。これから始めたい!という方には、主人公やシステムがRPGに変わり、プレイしやすくなった『龍7』もしくは『龍7インターナショナル』を。ナンバリング順にプレイしたい、抜けている作品があるという方は、PS4、PS5であれば現時点でナンバリング全作が遊べます。

また、Xbox One/PCでも『Yakuza 6: The Song of Life』が発売される3月25日にはナンバリング全作がプレイできるので、自分の環境に合ったプラットフォームで楽しんでみましょう。

『龍が如く』シリーズ公式サイト
《編集部》
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