江尻氏:自分たちのチームをいかに長くやれるかを考えていて、全てのスポンサーに対して、ちゃんとしたビジネスパートナーになりたいんです。「僕達をスポンサーしてくれることで、貴社のこの数値がこれくらい伸びます」というような明確なメリットを提示して、理解してもらった上でスポンサーをしてもらっています。「大きいこと、目立つことをやっているからなんとなくスポンサーしてもらう」という形ですと、何かあった時にすぐ打ち切られてしまいます。「景気が悪くなったら切られてしまう」ではなく、多少金額が小さくなったとしても「DeToNator」をスポンサーする意味を企業様に理解をしてもらって、マーケティングのひとつに「DeToNator」がきちんと入ることで、ビジネスとして成り立つと考えています。
―――「e-Sports」ビジネスって[ゲーミングチーム]、[スポンサー]、[オーディエンス]の3つがうまく回る必要があると考えています。どれももっと力を入れていく必要があると思いますが、日本ではどこの注力をすべきでしょうか。
江尻氏:どれももっとやっていく必要はありますが、僕は「選手」だと考えています。自分達が圧倒的な結果を残して、心の底から「応援したい!」とオーディエンスのみなさまに感じてもらえる環境にしていかないと。「結果」とそれに対して「熱狂」してもらえる環境を提供できるかが重要だと。
自分達はとにかく世界でトップをとれる実力をつける必要があると思います。
―――あえて聞きたいのですが、江尻さんにとって「e-Sports」とはなんでしょうか。
江尻氏:なんでもないですね。としか答えようがないです。
ワードとして、周りの人が理解をしてくれればいいと思うのですが、その半面、その言葉を大切にしたいんですよ。「e-Sports」の言葉だけ一人歩きして、僕達の知らない「e-Sports」になっちゃう可能性もあるな、と。僕達の思う「e-Sports」って、それに対して選手が「人生を注いでいる」ものなので、大切にしていきたいんです。言葉負けしないように自分たちが作っていく必要があります。
―――某イベントでスマホタイトルに多額の賞金がついて話題になりました。あれも「e-Sports」だと思うのですがどうでしょう?
江尻氏:ゲームで競い合っているのだから、別にいいんじゃないですかね。
「スマホゲームはe-Sportsじゃない」みたいなことを言う方もいますが、「なんで?」って思っちゃうんですよ。我々は「e-Sports」という言葉を使っていいのに、なぜスマホゲームは「e-Sports」という言葉を使ってはいけないのか?金額が大きいとか小さいとかは問題ではなくて、それはその企業が「e-Sports」の大会の賞金としての「その金額を投資するのに値する」と判断しただけであって、周りがとやかく言うことじゃないですよ。どんな形であれ、ゲームを使った大会をすることで、今まで振り向いてくれなかった人達が反応してくれる可能性があるのだから、むしろ良いことだと思っています。ゼロじゃなくて、何かが生まれる可能性があるのだから、嬉しい話です。僕達は別に「e-Sports警察」ではないですからね。自分達が思う「e-Sports」を誰でもやればいいと思うんですよね。それで、長く続けられるところが「勝ち」なんですよ。それが日本はスマホかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
―――スマホタイトルで思い出しましたが、メインスポンサーであるエイミングさんとは、どのように連携されているのでしょうか。
江尻氏:一番いろいろ相談をしていて、こうしたい、ああしたい、と思った時には話を聞いてもらっています。自分達の活動を理解して頂いているので、基本的にはこちらから「これやりたいんです」ということを、ビジネスメリットや戦略などを提案していく形になりますね。
―――江尻さんの将来の夢はなんでしょう。
江尻氏:もっと海外に拠点をおきたいですね。もともとそういう発想なのですが、アメリカなのかヨーロッパなのか分かりませんが、その時の自分達の体力と選手たちの成長具合のバランスを見ながら考えていきたいです。「選手の成長スキル」ですべてを動かしているので、そこ次第ですね。自分達が動くことで、いろんなものが動くようなチームにしていきたいです。
―――最後に意気込みを。
江尻氏:とにかく、世界で結果残して活躍することが一番の目標です。ちょっと試合に出て勝つ、という話ではダメで、もっと結果を残さないと。頑張ります。
日本の「e-Sports」業界に強い危機感を持って活動をしている「DeToNator」江尻氏。今後、どういった歴史を日本のゲーム業界に刻んでいくのか、注目です。
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