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【インタビュー】『メルブラAACC』Steam版配信!長年愛され続ける理由、そして数々の出会いと出来事を開発者に訊いた

開発元であるフランスパンのなりたのぶや氏と鴨音氏、そしてSteam版の移植を担当したアークシステムワークスの島田聡氏へのインタビューをお届けしよう。

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同人シーンで誕生し、アーケードや家庭用へと進出していった『MELTY BLOOD』シリーズは、『月姫』『歌月十夜』『空の境界』といったTYPE-MOON作品のキャラクターが登場する格闘ゲームとして、現在もアーケードでは「ALL.Net P-ras MULTI」で最新版が稼動し、PS2版やPC版でも熱心なファンがプレイし続けている。


そうしたなか、アークシステムワークスよりシリーズ初のSteam配信が発表。2012年に『カーニバル・ファンタズム』のブルーレイ版3巻の特典に付けられたPC版『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』を基本にしたもので、Steamサーバーを使用したオンライン対戦や海外ユーザーのために英語翻訳も実現し、本日4月20日から配信が開始した



いままさに“メルブラ熱再び!”といった盛り上がりを予感させる今、開発元であるフランスパンのなりたのぶや氏と鴨音氏、そしてSteam版の移植を担当したアークシステムワークスの島田聡氏へのインタビューをお届けしよう。

◆嘘予告記事から始まった

──Steam版『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』の配信開始おめでとうございます。今日は『MELTY BLOOD』シリーズの歴史を振り返りつつ、Steam版のお話を聞ければと思っていますので、よろしくお願いします。まずはSteam版『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』での担当について教えてください。

左から鴨音氏、なりた氏

なりた:フランスパン代表のなりたです。『MELTY BLOOD』シリーズの立ち上げとプロデュースを担当しています。

鴨音:プランナーの鴨音です。フランスパンへは『MELTY BLOOD』シリーズの途中で入社しました。元々ユーザーとして『MELTY BLOOD』シリーズを遊んでいてそこそこ上手かったこともあり、それでテストプレイやデバッグとして呼ばれたのがきっかけです。で、気がついたら開発に関わっていたという感じですね。

島田氏

島田:Steamを含め、社内のダウンロードソフトチームで管理者を担当しております、アークシステムワークスの島田です。今回はSteam版『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』を弊社からリリースすることになったことで担当させて頂きました。

──ちなみに同人サークルだったフランスパンさんが商業方面へ進むきっかけというのはこの頃なのですか?

なりた:この頃ですね。確かTYPE-MOONさんが商業で最初の『Fate』を出そうという時期で、「なりたさん達もこれを機に商業の方へ行きましょう」みたいに言われまして、同人でのグレーゾーン活動にもトラブル的な限界を感じていたので意を決した感じですね。同人から完全に抜けるのには結構時間がかかりましたけど(笑)。

──フランスパンの商業方面への舵取りは『MELTY BLOOD』開発がきっかけだったんですね。ではここでシリーズの歴史を振り返ってみたいと思いますが、まずは同人版でリリースされたPC版『MELTY BLOOD』。これ、最初は冗談というか嘘企画だったんですよね?

なりた:そうですね。当時、友達が『月姫』の同人誌を作るということで、何か原稿を書いてくれないかと頼まれたんですが、自分は漫画とかは書けないので「月姫が2D格闘ゲームになった!」みたいな嘘予告記事を作ろうってことになったんです。それが『MELTY BLOOD』の始まりですね。今思えばあの一晩で全てが決まってしまったって考えると恐ろしいです(笑)

──その嘘予告記事の時は全くゲーム化のことなんて考えてなかったんですよね?

なりた:心のどこかでは考えていたんですが、まさかこうなるとは思ってなかったという感じです。で、TYPE-MOONさんとはお互い同人ソフトというジャンルだったこともあって、当時すでに接触はあったんですよね。それでさっき話した同人誌の嘘予告をTYPE-MOONさん側で見て頂く機会があった後に「あの予告のゲームはいつ作ってくれるんですか?」って言われちゃって(笑)

──TYPE-MOONさんからまさかの反応が(笑)

なりた:そうなんですよ。いつ作るも何も……って感じだったので、「では一度お話しましょうか」ということで進んでいきました。そこから1年ちょっとくらいで最初の『MELTY BLOOD』をリリースしています。

──ちなみに当時の同人シーンを振り返って頂きたいのですが、どんな時代だったと思いますか?

なりた:当時はインターネットとWindowsマシンの普及もあって同人ソフトのシーンはそれなりに熱気がありましたね。PCゲームは商業じゃなくて同人ゲームでもいいんだなっていうのが出来てきた時代でもありました。

島田:商業サイドから見ても企業ではない同人サークルが高いクオリティで同人ソフトをリリースしていたっていうことで、注目されていたと思います。



──僕も同人ソフトというジャンルを意識しだしたのはこの頃だったと思います。さて『月姫』が格闘ゲームになるってことがかなりセンセーショナルなことだったと思うのですが、当時のファンの反応はどうだったんでしょうか?

なりた:元々『月姫』のファンが多かったので、ノベル部分は好評でしたけど格闘部分については色々と批判もありました。総合的にはノベルの付いたアクションゲームとして概ね好評ではありましたね。まぁ、色々な意味で話題にはなりました(笑)

鴨音:私は『月姫』が好きだったので、初代『MELTY BLOOD』の頃からユーザーとしてプレイしていました。『MELTY BLOOD』はキャラクターの設定を大事にしていて、原作再現みたいなところもしっかりしていたのが良かったと思います。なんだかんだで好きな作品の格闘ゲームということもあって、友達とワイワイ対戦をして楽しんでいましたね。ネットワーク対戦もない時代なので自分達でオフ会を開いて対戦会もしていました。

──いいですね! 実は僕『MELTY BLOOD』が出た2002年はシステムエンジニアをやっていたんですが、夜勤や休日対応の時に作業の待ち時間ができるんですね。そういう時にノートPCに入れてあった『MELTY BLOOD』で同僚と対戦して遊んだりしていたんですよ(笑)

栗本:(すかさず同席していた副編集長の栗本も口を挟む)学生の時はパソコン部だったんですが、部室のPCに誰が入れたか分からない『MELTY BLOOD』がインストールされてまして、よく対戦して遊んでました。

一同 (爆笑)

鴨音:いやぁ、“同人ゲームあるある”って感じですね(笑)

次ページ:AC版開発が商業的な流れを意識して活動していくことのきっかけに

《風のイオナ》
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