『Back in 1995』はプレイステーション時代のグラフィックスを再現したアクションアドベンチャーです。操作は移動と攻撃とシンプルなもの。しかしながら、移動はプレイヤーキャラクターの正面方向に合わせて相対的に動く形式であるため、慣れるまで非常にうっとうしいです(笑)。カメラも完全に固定。3Dゲーム初期のぎこちなさが発揮されています。
ゲームがスタートすると主人公は部屋の中にいます。なぜか転がっているレンチを拾って、部屋から出ます。建物の中にはゾンビのような敵が徘徊、なんとか攻撃ボタンで撃退します。カメラが固定であるため、不意をつかれることも多く、攻撃のモーションも非常にゆっくり。独特の緊張感があります。
インタラクトできるアイテムに近づくとボタンが表示され、アイテムを拾うことができます。鍵を拾い、ドアを開け進んでいくといった一連の流れはオーソドックスなアドベンチャーゲーム。デモ自体は短いものですが、操作に慣れてくると意外にもスムーズにプレイできました。今後はこのシステムいかにストーリーに結び付けられるかが勝負になるでしょう。以下では開発のThrow the warped code outの一條貴彰さんにお話をうかがいました。
――制作のきっかけは?
一條:自分は現在29歳なんですが、一番やりこんでいたゲームはPS時代のアクションなんです。最近はインディーでもレトロテイストが多いですんが、それらはほとんど2Dのゲームなんです。ファミコンとかスーファミ世代のグラフィックスを取り入れるという感じで。でもPSとかセガサターンとかを取り入れた作品はあんまりなく、そのうち出てくるかなと思って待っていたんですが、出てこなかった。だったら自分で作るかというのがきっかけです。
――具体的に過去のプレイステーションのタイトルで影響を受けているものは?
一條:一番大きいのは『サイレントヒル』。それから『メタルギアソリッド』や『天誅』。人間の体を操作して進む3Dアクションにはかなり影響を受けています。それらに比べると多少戦闘はありますが、本作はアドベンチャーよりです。
――このローポリのビジュアルづくりで苦労されたことはありますか?
一條:開発はUnityで行っていますが、解像度をあわせるのに苦労しています。無理やり320×244の解像度で出しています。あとはテクスチャを歪ませる処理をしています。プレイステーションでは計算の精度が悪かったので、テクスチャが歪むことがあったんですね。それをシェーダーで再現しようと頑張りました。PC版ではそれが動いています。
――ゲームの物語や世界観は決まっているんですか?
一條:ゲーム内の世界も1995年です。いきなり敵に襲われていますが、一応、設定はあります。都市が何らかの攻撃を受けて壊滅状態になり、その数年後の世界ということになっています。人々はみんなビルの屋上に暮らしています。地表に進むにつれてゾンビのような敵が襲ってくるわけです。主人公はそこでゲームの象徴であるタワーを目指していくのが基本的なストーリーです。
――完成はいつですか?
一條:今年中です。プラットフォームはPCとMacですが、PS4でもリリースしたいと考えています。PS4を買っている世代に届けたいんです。25歳から35歳くらいの昔、熱心にゲームをしていた方にやって欲しい。プレイステーション時代のシンプルなゲームを楽しんでほしい。
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