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【GDC 2015】ゲーム会社はソーシャルメディアをどう使えばいい? 忙しすぎるコミュニティ担当者へのアドバイス

インターネットやソーシャルメディアの発展で、企業が直接ユーザーに対してアプローチを行う事が可能となります。これはゲーム会社にとっても例外ではなく、独自でコミュニティ作りやコミュニケーションの充実を図ろうとする例が増えています。

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インターネットやソーシャルメディアの発展で、企業が直接ユーザーに対してアプローチを行う事が可能となります。これはゲーム会社にとっても例外ではなく、独自でコミュニティ作りやコミュニケーションの充実を図ろうとする例が増えています。

しかしながら、一般的に対外的なコミュニケーション部門の人員は限られていて、ソーシャルメディアのアカウントを作成したにも関わらず、十分な運用ができていないケースも散見されます。成長を遂げている中堅パブリッシャーDeep Silverのシニアコミュニティマネージャー、Maurice Tan氏はゲーム会社がどのようにコミュニケーションを行えば良いか講演を行いました。

インターネットの登場によってコミュニケーション手段は多様化しました。ソーシャルメディアと限っても、90年代は掲示板、00年代はブログ、10年代に入るとTwitterやFacebookが巨大なプラットフォームとなり、SnapChatやTumblr、Instagramなど数限りないソーシャルメディアが登場してきました。

Tan氏は、新しいソーシャルメディアが登場する度に「時間がない」「あと2人いれば・・・」といった言葉が繰り返され、例えアカウントを作って運用を初めても「新しいチャンネルの開設」→「ファンベースの分断」→「リソースの分断」→「過疎化」→「死」→「また新しいソーシャルメディアの登場」という死のサイクルが繰り返されてしまうと述べました。

ソーシャルメディアの登場と作ったチャンネルが死ぬまでのループ。こうならないようにありたい。


そうならないために必要なのは"原則"です。Tan氏は、「自分たちが作っているゲームが何か」「そのプレイヤーはどんな人か」「自分たちはどんな会社なのか」といった原点に立ち返り、それぞれのソーシャルメディアにどのようなユーザーがいるかを知り、それぞれのソーシャルメディアにアカウントを作った時の目指すゴールを決める必要があると言います。これは当たり前の原則です。しかし「彼らがやっているから」と始めるケースは驚くほど多いと言います。

ソーシャルメディアの特徴を知るのは必須


とはいえ、ソーシャルメディアの活用は必要です。旧来型のマーケティングは個別の商品に対してエンゲージメントを高めていくものでしたが、ソーシャルメディアを使ってファンを育成するということは、ブランドを育てることで、全体を底上げしていくものだからです。

マーケティングの概念は大きく広がっている


限られたリソースの中で現実的な解を導くためには、効果的な部分を見つけて集中投資を行う必要があります。各ソーシャルメディアがどのようなユーザーを抱えているかは、様々な資料が公開されていますので理解をするべきです。また、ユーザー層だけでなく、ユーザーの向き合い方もソーシャルメディアによって異なります。「RTSのコミュニティをPinterestで作っても成功するはずもないですよね?」(Tan氏)。

また、運用の成否をどう測るかも問題です。KPIを設定するのは当然ですが、よくある間違いとしてTan氏は「何かを実行することを評価対象にしてしまうこと」と述べました。つまり、"Facebookに10回/週 投稿する"といった目標です。そうではなく、アプローチし、その反応がどうであるか、という点をKPIにしなくては運用の成否は測れません。

ソーシャルメディアの運用はコミュニケーション部門のリソースだけでなく、いかに社内の他の部署からの協力を得るかが鍵になります。開発、サポート、マーケティング、広報など、ユーザーと接するということは顔となり、全社の問題について向き合うことになります。社内の協力が無ければ成功はおぼつきません。

最後にTan氏は、もし担当者であったなら次の5つを自分自身に問いかけるところから始めようと呼びかけました。

「いまの運用はやりすぎなのか、少なすぎなのか?」
「何を目指してこれをやっているのだろうか?」
「それぞれのソーシャルメディアを理解しているだろうか?」
「適切なソーシャルメディアを選べているだろうか?」
「新しいソーシャルメディアが出てきたら何をすべきだろうか?」

Tan氏の講演は「まずちゃんと考えようよ、それが時間の節約になるんだよ」という基本的な事でしたが、以外に運用に追われていると立ち返れない部分のような気がしました。ソーシャルメディアの担当をされている皆さんの健闘をお祈りします。
《土本学》
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