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凡作になるよりは問題作になれ!『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』開発者へ直撃インタビュー

ソニー PS3

凡作になるよりは問題作になれ!『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』開発者へ直撃インタビュー
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『ディスガイア』シリーズなどの代表作を持つ日本一ソフトウェアは、RPG系もさることながら、推理モノやサスペンス系のADVなども数多く手がけており、幅広いニーズに応える意欲的なメーカーです。



しかしこれまで、ADVの定番のひとつとも言える「美少女アドベンチャー」をリリースしたことはありませんでした。そんな同社が2014年に発表した、初となる美少女ADVは、敢えて王道ではない切り口で勝負するPS3ソフト『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』でした。

まさに名が体を表すタイトルがついた本作は、まだ詳細が明かされていない第一報の時点で既に多くの注目を集め、以後新たな情報が明らかとなるたびに、ユーザーの好奇心をかき立て続けていきました。

殺人が起きるとはっきり明言され、またヒロインのパーソナリティの深部にまで踏み込む本作が、どのように生まれ、またいかなる仕上がりを迎えたのか。発売を直前に控えた今、本作の開発を担当された辰己 拓馬氏と、プロモーション担当の菅沼 元氏へ、込められた魅力と本質に迫るインタビューを敢行させていただきました。

左が菅沼氏、右が辰己氏

本作が生まれた意外すぎるきっかけや、ヒロインたちの内面など、様々な秘話や裏話を赤裸々に語っていただきましたので、既に本作を予約された方は心構えをする準備のために、購入を迷っている方はあと一歩を踏み出すかどうかの判断材料として、しっかりとご覧くださいませ。

◆「ヤンデレでいこう」その発案者は、なんと!?



──実に大胆な切り口と言える本作ですが、このソフトの企画は、どなたが、どのような経緯で思いついたのでしょうか?

辰己氏:一番最初に、弊社の会長である北角(代表取締役会長 北角浩一氏)の方から、“ヤンデレというものをテーマにしてゲームを作ってみたらどうだ”という話がありまして。

──企画サイドやマーケティングからの発案ではないんですね! 正直、予想外でした。

辰己氏:その話が持ち上がった発端なんですが、システムプリズマという弊社の子会社がありまして、そこがヤンデレをテーマとしたダウンロードソフト(※1)を作ったことがあるんです。それを見た北角が(ヤンデレに)感触を得まして、“一本作ってみたらどうだろう”という話が持ち上がりました。で、その場にたまたま私がいまして、“では企画をまとめてみます”と。また、当時社内で新しい切り口のタイトルを生み出していこうという追い風もあって開発にまでいたることになりました。

──では、ものすごく大げさに言うと、本作は、会長自らが発案したプロジェクトだったんですね。

辰己氏:そうですね(笑)。規模自体は、『ディスガイア』シリーズなどと比べると、大きなものではないんですけどね。

──では、なぜ美少女ADVというジャンルを選択したのでしょうか? 日本一ソフトウェアさんは、サスペンスや推理などのADVはリリースされていますが、美少女ADVは本作が初ですよね?

辰己氏:会社としても、元々美少女ADVには興味があったと思うんです。そして今回の企画に当たって、より男性ユーザーさんをキャッチしていきたいなと思ったのが始まりです。



──初美少女ADVが、王道な恋愛モノではなく、“ヤンデレ”というのは、チャレンジですよね。

辰己氏:はい、CEROさんが通してくれるのかなっていう意味でも、チャレンジでした(笑)。開発陣の間でも、“CERO大丈夫かな…”というのがよく話題に上がりましたが、なんとか“D”で通りまして。その意味では、ユーザーさんに向けてのチャレンジだけでなく、コンシューマーで出来る表現に対してのチャレンジでもありました。

──CEROの審査通過、おめでとうございます(笑)。ちなみに、社内ではすんなりとこの企画は通りましたか? それとも、難航しましたか?

辰己氏:この企画に関してあらかじめ上の方から、“凡作になるくらいだったら問題作を作れ”と言われていたんです。それを念頭に置いて動いていたので、内心“やりすぎたかな?”と思う時もあったんですが、企画会議などは割とすんなり通りました。

──では、当初の方向性通りに制作が進んだと。

辰己氏:もちろん細部に関してはあれこれと煮詰めましたが、企画の大枠は変わらず、ダメ出しとかはありませんでしたね。題材が題材だけに、凡作を作ってもどうしようもありませんし(笑)

──頼もしいお言葉、ありがとうございます(笑)。ちなみにこのタイトルは、どなたが発案したのでしょう?

辰己氏:実は自分なんです。と言っても、自分だけでも20~30ほど出した上に、他からも多くの候補が上がっていたので、正直最初はこのタイトルが採用されるとは思っていなかったんです。しかし社内で話し合う中で、“なんかこれが目につくなぁ”という感じで、徐々に決まっていったという感じですね。

菅沼氏:最初は、“四文字やひらがなにしよう”という話も上がってました。“間に☆を入れよう”とか(笑)。でも、何度見ても“このタイトル凄いなぁ”と。

辰己氏:ゲームをやらない知人からも“こんなゲーム出すんだ“とか聞かれたりもするほどです

◆シナリオとビジュアルの魅力に迫ります



──では次に、本作の柱であるシナリオに関してですが、本作の脚本をされる小林且典さんを起用された理由の経緯などを教えてください。

辰己氏:私はADVゲームが好きで、一ユーザーとして小林さんのシナリオを楽しませてもらっていたんです。そして、弊社と以前ご縁があった関係もありまして、こういう企画があるんですがと話をさせていただいたところ、小林さんも“コンシューマで全員ヤンデレですか、チャレンジですね(笑)”と興味を持ってくださったので、“よろしければ是非”とお願いしました

辰己氏:また小林さんは(シナリオライターとして)歴が長い方で、美少女モノもやればサスペンスも手がけてるといった幅広い手腕を持っていたため、本作における雰囲気の異なる前半と後半のかき分けを描いてもらえるんじゃないかという期待もありました

──その期待は、叶えられましたか?

辰己氏:最後まで書き上げてもらった後、電話越しでしたが、2人で笑ってました(笑)。小林さんの方から色々とアイデアを出してもらった部分もあったので、期待以上の仕上がりでした。あと、ダメ出しみたいなものもほとんどありませんでしたね。小林さんの言葉を借りますが、“ここまで自由にさせていただいたのは稀でして、ありがとうございます”と言われました

──それは、よりいっそう期待が高まりますね。ではシナリオと共に大きな魅力を放つビジュアルに関してですが、キャラデザインに緋色雪さんを起用した経緯を教えてください。

辰己氏:一番最初に考えていたのは、イメージカラーのついた人は避けたいなという思いがありました。そのことを念頭に入れつつネットなどを色々探したところ、緋色さんの絵を見つけまして。で、緋色さんについて調べたところ、コミカライズなどもされていたので、表現やポーズの多彩さなどの要素も安心できるという点がひとつのポイントとなりました

辰己氏:あと、弊社も若干関わらせていただいているんですが、ブロッコリーさんが出している「Z/X」というTCGでイラストを描かれていて、その人気ぶりなども伺っていたので、今回声をかけさせていただきました。ちなみに緋色さんも、この企画に興味を持ってくれました

──シナリオとビジュアルを担当されたおふたり共、ノリノリだったんですね(笑)。

辰己氏:ですね(笑)。あとこれは余談になるんですが、本作のイベント絵に関して、文字指定のみしか出してないんです。緋色さんの構図力や構成力にお任せしようと思いまして

──その試みはいかがでしたか?

辰己氏:緋色さんの普段のお仕事の傾向として、あまり「惨殺!」みたいな場面はなかったため、新鮮で刺激的だったらしく、基本的に線画だけお願いしているんですが、中にはかなり色が入った状態で提出して下さったものもありました

──それだけ気持ちが入ったというころですね。

辰己氏:はい。緋色さんの、(惨殺シーンなどの)新たな魅力も描かれていると思います(笑)

《臥待 弦(ふしまち ゆずる)》

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