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【GTMF2013】シリコンスタジオのYEBIS 2が表現する軽量かつ効果抜群のポストエフェクトの世界

ポストプロセスに特化したミドルウェアとしてゲーム開発者の間で認知されるYEBIS 2のシリコンスタジオがGTMF大阪の壇上に立ちました。ポストプロセスとは、レンダリング出力された映像にエフェクトをほどこす処理のこと。

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ポストプロセスに特化したミドルウェアとしてゲーム開発者の間で認知されるYEBIS 2のシリコンスタジオがGTMF大阪の壇上に立ちました。ポストプロセスとは、レンダリング出力された映像にエフェクトをほどこす処理のこと。代表的な例では、モーションブラーやレンズエフェクトなどです。

特徴としては、まず多彩なポストプロセス。高品質な工学シミュレーションを提供します。そして、現代ゲーム開発では外せなくなりつつあるマルチプラットフォーム対応。そして、既存のエンジンへ組み込みやすいこと、カスタマイズ性が高いことなどもアピールしていました。

すでに対応しているプラットフォームは、Windows(DirectX 9/10/11/OpenGL)・PlayStation 4/PlayStation 3/Xbox One/Xbox 360/Linuxなど。今後テスト予定となっているのはPlayStation Vita/iOS/Mac OSX/Wii Uなどです。リッチな映像表現を求める分野にかかるサポートとしては納得のゆくラインナップといえるでしょう。

YEBIS2の採用事例は多々あり、挙げられたのはゲーム関係では『FINAL FANTSY XV』2013E3トレーラー、『ヴァルハラナイツ3』、『限界凸騎 モンスターモンピース』、『AGNI'S PHILOSOPHY FINAL FANTASY REAL TIME TECH DEMO』、『ガンスリンガーストラトス』、『真・三國無双6』、『3Dドットゲームヒーローズ』など。くわえて、7月25日の発売を間近に控えた『魔女と百騎兵』にも採用されていることが明らかにされています

また、ゲームタイトル以外にも、バーチャルスタジオへの組み込みなどの実績もあります。実写映像とCGのリアルタイム合成(いわゆるクロマキー合成のようなもの)でで力を発揮します。単純に組み合わせるだけでなく、スタジオカメラの情報をベースにCGへレンズフレアを生成する、色調補正をほどこすなど。また、効果が目に見えてわかる事例として被写界深度合成が挙げられていました。採用したTV番組は、TBS『AKB有吉共和国』、同じくTBS『ビジネスクリック』。

ミドルウェアの機能がポストプロセス・ポストエフェクトということもあり、セッションは終始デモをはさみつつ、具体的な効果を説明していました。最初に紹介された「色とりどりの宝石が並んでいるデモ」では、YEBIS 2による処理前はやや蛋白で輪郭が鮮明すぎるきらいがありましたが、光学エフェクトをかけられた結果、ソフトフォーカスのややぼんやりとした雰囲気になり、『宝石』という存在をよりいっそう引き立たせることに成功していました。

ほかに実例が挙がっていたのは、強弱により印象が大きくかわるレンズフレア、カメラモーションブラー(完全自動生成)とオブジェクトモーションブラー(Velocityマップをもとに生成)の2パターンがあるモーションブラー、レンズディストーションや色収差をはじめ多岐にわたる光学シミュレーション、アナモルフィックレンズエフェクト、フィルムグレイン(カメラのノイズの一種)、ゴッドレイ(名前そのまま神々しい光が差し込むエフェクト)、ポストプロセスアンチエイリアスなど。
※ アナモルフィックレンズとは、映画でワイドスクリーン撮影する際に使用される円柱レンズのこと

ちなみに、フィードバックブラーと呼ばれる画面全体が渦を巻くエフェクトについては、RPGのエンカウントなどで使えるとしました。たしかにどこかで見た覚えのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか(それにYEBIS 2が採用されていたどうかはもちろん別です)。

また、旧世代GPUやモバイルGPUなど、描画が制約されている状態でのソリューションとして32ビットカラーHDRを提案。非線形圧縮を使ったHDRシミュレーション・擬似HDRでひと通りの表現が可能になるとしました。True HDRの美麗さと比較すると、擬似HDRはさすがに少々荒い部分があったものの、輝度マッピング調整の結果出力されている映像は、たとえばタブレットやスマートフォンなど比較的小さな画面でゲームをプレイするとすれば十分な水準に達しているように感じられました。

YEBISにかぎらずゲームでの映像表現全般の問題として、処理の重さがあります。YEBIS 2はその点を重視し、グラフィックスのクオリティを簡単にカスタマイズできます。フレア表現を一例に、高・中・低レベルの表現を並べ、繊細さや広がりといった表現力の違いを具体的に説明していました。

また、クオリティレベルのテンプレートも容易されています。現世代機相当向け(標準画質)・現世代機向け(画質重視)・PC/次世代機向け(速度重視)・PC/次世代機向け(画質重視)といった具合です。ポイントとなるのはやはりYEBISにかかる処理時間で、それぞれ順に約4ms/10ms/25ms/100ms。場合によってはゲーム内容に影響を与えかねない数値だけに、採用するクリエイターは頭を悩ませることになりそうです。

なお、参考値として併記されていた現在のミドルエンドPC環境(DirectX11・GeForce GTX 460)では、約1ms/1~1.5ms/3ms~4ms/10ms~15ms。最大負荷ですら、ハイエンドGPUでは5ms程度だとか。隔世の感すらあります。PC/次世代機向けのクオリティ設定については、現世代機ではスペシャルハイクオリティ相当で実質的にはほぼ実用不可能だったものの、その点はすでに覆っていることを指摘。Full HD環境でですら、縮小バッファを活用するなどすれば充分実用的としました。

ポストエフェクトといえば、あまり興味のない方にとっては「なんとなく画面が綺麗になるアレ」程度に認識され、コアなゲーマーからすれば「処理が重くなる憎き敵」と敵視されかねない、微妙な立ち位置です。しかし、映像力の向上がゲームの進化とともにあったことをふまえると、シリコンスタジオが力を入れる世界の意義は大きく、また、ゲームの楽しさへ悪影響を及ぼさないよう細やかに配慮していることは注目に値するでしょう。
《Gokubuto.S》

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