2004年に最初にリリースされた『SURVIVING HIGH SCHOOL』。フィーチャーフォンの月額課金で提供され、毎月新しいエピソードが配信されることで(後に週刊にペースアップ)、ユーザーはテレビ番組を見るようにゲームを楽しめるのが特徴。ストーリー構築には力を入れていて、Doty氏もオリジナルの脚本家の一人。本講演も「ゲームナラティブサミット」の一つとして実施されました。
転機は2009年のEA Mobileによる買収とスマートフォンの興隆。新しいビジネスモデルとして、有料配信+毎週無料のエピソードを提案したものの、収益性の低さが懸念され断念。その後、現在の基本無料で毎週エピソードが配信。その週以外のエピソードで次週配信予定のエピソードをプレイしたい場合は有料課金というモデルが生み出され、上手く回っているそうです。常に新エピソードが無料で遊べるため、ユーザーがゲームに戻りやすく、収益機会を作ることに成功しているようです。
現在のチャレンジとして小説化を行い、既に1冊目がリリースされています。「YAフィクション」と呼ばれる、若者向けの小説が人気を集めていることが背景にあり、『SURVIVING HIGH SCHOOL』に新たなユーザーを呼びこもうという狙いもあります。またDoty氏は「電子書籍とゲームアプリは連携が容易ではないかと考えている」と述べ、将来的な連携を示唆しました。ただし、毎週新作を配信していくゲーム(各エピソードはだいたい4週間程度で作成する)と、年単位で動いていく出版社のペースの違いが問題になったそうです。
結果、小説版では同じ世界観をベースに、異なる物語を描くことに決定。少々、大人向け("ダーク"と表現)になり、しかも人気者だった登場人物のサラが作中で死亡。このストーリーには「ファンは激怒」だったということですが、実際に読んだユーザーの反応は悪くないとか(ダークだが、健全な学生生活は維持。セックスもドラックもない)。小説ではゲーム版の以前からのユーザーだけでなく、新しいユーザーにも導入が容易で、小説を好むユーザーにも受け入れられることを目指し、そこからゲームに繋がることを狙います。ある程度は上手く行っているようで、今後は小説のストーリーをゲームに取り込んでいくことも検討しているとか。既に2冊目が5月にはリリース予定ということで、今後の動向も気になるところです。
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