■アンドロイドの彼女が望むこと

ディアナは、幼い子どものように表情を目まぐるしく変化させ、純粋な目で世界を見つめますが、アンドロイドゆえかワガママな言動はせず、ヒューを困らせるようなことはほとんどありません。
最初の出会いでは自発的にヒューを助けたものの、以降はサポートに徹することがほとんど。そうした「あまりにも良い子」な振る舞いに、もどかしさを感じていたプレイヤーもいたことでしょう。


そんな気持ちを吹き飛ばしてくれたのが、浜辺でのシーンです。浜辺といってもあくまで環境を再現したものですが、その美しさは本物さながら。夕焼けというシチュエーションも相まって、思わず目を奪われてしまうほどです。

この光景を目の前にしたヒューは、家の近くにあった海を思い出し、潮風ではがれる屋根のペンキなど、懐かしい思い出を脳裏に蘇らせます。そんな実感のこもった言葉を理解しきれないディアナに向かって「本物を見たらわかる。地球に…戻ってな」と、この施設を脱出した後の話を、何の気なしに口にしました。


しかしディアナは、「え…?」と短い疑問を返します。そこでヒューは察し、「ずっとここに残るつもりだったのか? どうしたいんだ?」と言葉を続けます。

ディアナが今したいことは、ヒューを助けること。その意志は確かですが、その先について、彼女は考えていなかった……いえ、アンドロイドゆえに、未来について自発的に考えるのが難しかったのかもしれません。


だからこそヒューは、ディアナに真正面から向き合い、質問を投げかけたのでしょう。問われたことで、ディアナは自分の気持ちを具現化し、力強く述べました。「私…地球に行きたい!」と。そして、「一緒に…行ってもいいの!?」とも訊ねます。

ここまで自分を助け続けてくれたディアナの、ワガママというにはあまりにもいじらしい、未来への希望。そんな彼女の願いに、ヒューが口にするのは「もちろんだ」という力強い一言です。


ディアナはこれまでに多彩な表情を浮かべましたが、ここで見せてくれた瞳の眩しさは、特に忘れられない一瞬となりました。ディアナが「ヒューを助けるため」に頑張るように、ヒューはこの笑顔を守るために全力を尽くすことでしょう。

凛々しい姿に愛らしい仕草、そして未来を望む姿と、ディアナの様々な一面を見せてくれる『プラグマタ』。アクションゲームとしての完成度はもちろんのこと、頼もしいパートナーとの交流も満喫できる作品でした。興味が湧いた人は、ぜひ実際にプレイしてみてください。














