■そもそもロックブーケのどこが魅力的なのか!
『サガ』シリーズに限らず、ゲームには数多くの美女キャラクターが登場しました。しかし、一方的に男性を魅了して戦わずに従えるのはロックブーケくらいではないでしょうか。
原作における初対決では、事前にロックブーケが美女とは聞いていたものの、主人公は皇帝、それも歴代皇帝の想いを託された強い意志を持っていますし、パーティーは全員強い忠誠心を持つ部下が揃っていたので、戦いにおいて何の影響もないと思っていました。
しかし、いざ戦いが始まると、ロックブーケが「テンプテーション」を使った瞬間、全員が魅了されて敗北が確定したわけです。ええ、パーティー全員が男でしたから。正直、ショックでした。七英雄との因縁の始まりであるレオンやジェラール、代々引き継がれて来た歴代皇帝の想いって・・・美女の前には無力だと悟りました。
■昔は良い子だったエピソードがファンをさらに増やした?
実際、名君であっても美女によって国を滅ぼした逸話はたくさんあります。例えば中国では国を滅ぼした傾国の美女として、妲妃・西施・貂蝉・楊貴妃が今でも語り継がれているわけなので、「皇帝だから大丈夫」は何の保証にもならなかったわけです。
また、原作では自身の美貌を武器とするロックブーケに対し、美貌を武器としないアマゾネス女王との対比が描かれていたのも、ロックブーケの性格の悪さを際立たせていました。
しかし、『ロマサガRS』では、モンスターと同化する前の古代人だった時のロックブーケの追憶エピソードがあります。そこでは、七英雄のリーダーであるワグナスへの恋心から戦士として役立とうとし、兄ノエルに「(戦場に立とうとせずに)花嫁修業でもしろ」と言われても諦めない、健気な姿を見ることができます。
かつては良い子だった姿は、今は性格悪くても、「また、あの頃の彼女に戻ってくれるかもしれない」と尽くす気持ちにさせかねません。敵としての存在感が強かったロックブーケの内面を、上手く深堀りした『ロマサガRS』の手腕に脱帽です。
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ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI