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20周年を迎えた『デュープリズム』を振り返る! 読者から届いたコメントに、開発陣からは喜びの声が─ファンが今できることも聞いてみた【インタビュー】

プレイステーションソフト『デュープリズム』は、今も多くのユーザーに愛され続けているアクションRPGです。今回は本作の20周年を記念し、当時の思い出や開発秘話に迫るインタビューをお届け! どうぞご覧ください。

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◆ミントの成功体験が、後のキャラクター作りにも影響を与える


──2人の主人公について、もう少し詳しくお聞かせください。


杉本ミントについては、島本から「こういうキャラはどうだ」と提案がありまして、想像以上に天真爛漫なキャラが出てきて驚いた覚えがあります。当時、ああいったキャラクターがゲームの主人公を務めているのは多くなかったと思いますし、そのせいか女性プレイヤーさんがすごく喜んでくれました。男性に守られる女性キャラではなく、自ら頑張っていく姿が評価されたのかなと。

──インサイドは男性向けのゲームを扱うことが多いので、女性の読者さんは相対的に少なくなるのですが、今回コメントをいただいた方々の男女比は、男性53%に対し、女性が47%でした。これだけ女性側のコメントが集まるゲームは、ウチとしてはかなり珍しいですね。

杉本ありがたいお話です。

──当時のアクションRPGは、男の子が遊ぶジャンルでしたよね。

杉本確かにそうでした。『デュープリズム』を考えた最初期の頃は、女の子の主人公だけにするつもりだったんです。でも当時の空気として、ゲームを買うのは男性が多く、ゲームの主人公はまだ基本的に男の子だったので「女の子の主人公は難しいのでは?」とまで言われて。じゃあ主人公は男女2人にしようとなりました。

渡辺(男の子は)女性主人公を選ばないよね、みたいな感じでしたね。

杉本小学生の男の子は、恥ずかしくて女の子を選びにくかったかもしれません。逆に、これまで男性キャラばかり使っていた(=選択の余地がなかった)女の子プレイヤーは選んでくれるかなと思いました。

──最近は、女性主人公もごく当たり前になりましたね。

杉本ですね。それだけユーザー層が広がってよかったです。


渡辺あと、「見て楽しいヒロイン」と「動かして楽しいヒロイン」は違うんでしょうね。

元々僕は、守られるタイプのヒロインがあまり好きではなんですよね。ゲームのシナリオを書くときも、主体性があってドンドンやっていくキャラじゃないと、前に進んでくれないんです。立ち止まって待っていたらたまたま巻き込まれて事件が起きて、というのはゲームだと難しいんですよね。だって、事件が起きる場所までプレイヤー操作で歩いていく必要がありますから。

その後、『ファイナルファンタジー X』でユウナを書いたり、『ファイナルファンタジー XIII』でライトニングを書いたりしましたが、ミントが僕にとってのゲームヒロインの源流になった感じもあります。可愛いアピールしながらグイグイくるようなことをせず、背中で語ることができるヒロインもいるんだと、そういう自信を僕にくれたキャラクターですね、ミントは。

──ある意味の原点、と。

渡辺成功体験、と言い換えてもいいかもしれません。

──そんなミントが紡いだ物語は、マヤと深く関係する、いわば姉妹の物語でもあります。またルウも、ドールマスターとの関係性が明らかになる、兄弟の物語と言えるでしょう。それぞれ、姉妹と兄弟を描く物語となったのは、なぜですか?

渡辺20年前の僕が何を思っていたのかは分からないんですが(笑)……ルウとドールマスターが同じ人形という設定は決まっていました。ミントについては、こちらも“秒で分かる特徴”として盛り込みました。

関係性を描く時に「○○魔法学園のライバル」とかだったら、それを描かないといけないんですが、「姉妹」だとそれだけでもう伝わるじゃないですか。関係性の設定を説明するために割く時間が最小限で済むので、分かりやすくしようとした結果、姉妹という設定になったんだと思います。

当時は、複雑な設定があり、それを説明するのに必死な作品がいっぱいあった感じがしたので、「設定を考えてはいても、全部言わなくていい」と考えました。例えば、『デュープリズム』の設定用語はあまり長々としたカタカナを使わず、単純な言葉にしてあるんです。

情報量を減らして、分かりやすくする工夫ですよね。減らせれば減らせられるほどいいな、と。

杉本3Dキャラが演技(モーション)で表現してくれるので、そこもかなり補佐してくれた部分だと思います。

◆幻となった“ミントの父親”は、肉体派魔法使いだった!?


──続いては、本作のアクション面についてお聞かせ願えますか?


杉本(プレイヤーとしては)自分があまりアクションが得意ではないので、なるべく簡単にしよう、というのはありました。敵の近くでボタンを押せば、自動で振り向いて攻撃を当てる、少なくともそこに高度な操作は求めないようにしました。……ただ、結果的にアクションが簡単ではなかった場所もあったかもしれませんが(笑)。

──心当たりは……あります(笑)。

杉本ルウとミントのアクションはだいたい同じバランスを目指したつもりです。ジャンプ力も同じですし、攻撃力も数字で調整しました。ただ、差をつけた覚えはないんですが、ミントの飛び蹴りが好評でしたね(笑)。動きが気持ちいいからなのか、飛び蹴りだけでクリアする人もいたみたいで。

──飛び蹴りにこだわりたくなる気持ちも分かります。ミントはやっぱり、飛び蹴りのイメージが強いですからね(笑)。

渡辺物理で戦う魔法少女、みたいな(笑)。これは当時考えていた設定……というか裏設定なんですが、東天王国には家訓があって、「魔法使いは武器や鎧を装備できない。ならばどうするか? 身体を鍛えるのだ!」みたいな。多分、鉄下駄とか履いて訓練したんですよ(笑)。

──ミントの飛び蹴りは、努力の賜物だったんですね(笑)。

渡辺だから、あれだけたくさん食べるんですよ(笑)。

──そう言えば、ミントの父親を登場させる案もあったと聞きましたが。

渡辺はい、肉体派魔法使いとして(笑)。東天王国の家訓を作った人かもしれませんね。

──もし作るとしたら、ミントの父親はどんなキャラですか?

渡辺肉体派ですね(笑)。「このコブシは魔法だー」と言いながら殴る、みたいな感じで。あくまで、ここだけの冗談ですが(笑)。

──ミントに繋がる血筋を確かに感じます(笑)。

杉本牛魔王みたいなイメージかなぁ。

渡辺そうですね。魔法使いなのに、物理の方が強いっていうね(笑)。

──それは是非見てみたかったです(笑)。ミントとルウと言えば、使う武器も特徴的ですよね。ファンタジーの主人公だとやはり剣を連想してしまいますが、斧(アーク・エッジ)と輪っか(デュアル・ハーロウ)を持たせるのは、当時珍しかった印象があります。

杉本輪っかは珍しかったですよね。

渡辺デュアル・ハーロウを振った時のモーションを見た時、「これはカッコイイ!」と思いました。あと、ルウのほうは「こいつ、大人しい顔をして凶悪な武器を持ってるぞ」と(笑)。

杉本2つの輪っかをあんな風に組み合わせて魔法を撃つとか、モーション担当のイマジネーションが凄かったですね。輪っかはこういう風に使えるんだ、みたいな。

渡辺杖とかでは出ないですよね、あの感じは。

──あの動きは、モーション担当の方が生んだものなんですね。

杉本はい、動きについてはその通りです。輪っかそのもののアイディアは島本からですね。

──ミントは魔法を使い、ルウはモンスターに変身しますが、まったく異なるものを用意するのは大変でしたか?


杉本「変身」のアイディアはプランナーから上がってきたんですが、ルウは変身、ミントは魔法で個性を出そうと考えて、あの形にしました。プランナーの西田がこういうアイディア出しが得意で、魔法や変身後の絵コンテを描いてくれたので、それを片っ端から実装していった感じです。

──ゲームにおける魔法は、ひとつずつ独立しているイメージがあるんですが、『デュープリズム』の場合は「色」と「効果」の組み合わせですよね。数が結構あるので、こちらも大変だったのではと思うのですが、いかがですか?

杉本そうですね、全部の組み合わせを用意したわけではないですけども。

──それでも、30種類以上ありますよね。当時のアクションRPGだと、かなり多いような印象ですが。

杉本ひとつの魔法を選んでポンと出すよりは、「効果」と組み合わせて色々出来る方が面白いかなと思いまして。魔法のエフェクトは、プログラマーの小林が、いっぱい作ってくれました。

渡辺輪っかが広がるやつは、「これ、グラディウスみたいだな」とか思いながら見てました(笑)。

──青の魔法の「リップル」ですね(笑)。

杉本プログラムの下地もだいたい完成して、後は手を動かして作り込むだけだったので、ノリノリで作っていた記憶があります。



開発陣とユーザーに愛された『デュープリズム』
《臥待 弦》
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