◆「サンドリヨン」は「シンデレラ」? 灰かぶり姫が“盗んだ”ものとは
改めての前置きとなりますが、ペルソナ「サンドリヨン」についての考察も含め、あくまで筆者の想像によるもの。公式の発表などではないので、ご注意ください。
芳澤 かすみのペルソナ「サンドリヨン」。その響きに馴染みがある方は少ないかと思いますが、これは「シンデレラ」のフランス語表記でもあります。つまり、彼女のペルソナは、「サンドリヨン=シンデレラ」ではないかと、筆者は考えました。
シンデレラの物語は、世界中に様々なバリエーションが存在しますが、大まかなあらすじは皆さんもご存じの通り。継母や姉にいじめられる日々を過ごすシンデレラが、魔法使いの助けを得て、お城の舞踏会に参加。そこで王子に見初められるものの、魔法が切れる前に逃げ出してしまいます。ですが王子は、シンデレラが残したガラスの靴を手がかりに彼女を見つけ出し、二人は結ばれて幸せになる・・・というものです。
日本では「灰かぶり姫」とも呼ばれ、フランス語表記では「サンドリヨン」な「シンデレラ」。しかし、芳澤 かすみのペルソナのモチーフがシンデレラだとしたら、他の怪盗団とは全然傾向が違う、と思う方もいることでしょう。怪盗団のペルソナは、裏社会に属し、悪と近しい関係にある人物を連想させますが、こちらはディズニー映画で描かれることすらある、王道のヒロイン。真逆に近い存在です。
ですが、ここで少し視点を変えてみましょう。童話の読者から見れば、不幸せだった彼女がようやく報われるハッピーエンドですが、王子と結ばれたがっていたその他大勢からすれば、彼女は「ぽっと出てきて王子を奪った相手」です。継母や姉は自業自得なので除外しますが、王子に惹かれ、この舞踏会でお近づきになりたい・・・と思っていた貴族の娘もいたはず。しかしシンデレラが現れたことで、その恋は儚く消え去ります。
この視点で考えると、シンデレラは王子の心を盗み、同時に多くの若き女性たちの恋心を手折ったとも言えます。もちろん、王子を奪われたとシンデレラに憎しみを向けるのは、ただの逆恨みに過ぎません。そして、逆恨みがこの世からなくなることもないので、シンデレラに「簒奪者」という悪意あるレッテルを貼る人がいてもおかしくありません。行為自体がおかしくとも、です。
その視点を更に掘り下げてみると、シンデレラはもうひとつ奪っています。それは、「妃の座」です。普通に考えれば、王子は貴族もしくは(近隣を含めた)王族の娘と結婚するのが一番ポピュラーでしょう。王子の妃ともなれば、影響力は決して小さくありません。そんな「妃の座」、言い換えるならば「権力の座」を、本来手にするはずだった貴族・王族から、ただの町娘が“奪った”──という見方もできます。
王子の心、そして権力を(少なくとも、影響力を)手に入れたシンデレラ。客観視すれば少女が報われた話に過ぎませんが、捻くれた逆恨みのフィルターを通すと、平民が貴族・王族の特権を簒奪した物語、として映る可能性もあるのでしょう。
悪意なき簒奪者「シンデレラ」。そんな切り口と、怪盗団に参加する展開を考察・・・いえ、ここからは「妄想」してみたいと思います。さすがに材料が少なすぎるので、とても考察とは言えませんが、あなたの考察を手助けするひとつの材料としてどうぞ!
◆『P5R』芳澤 かすみは、こんな経緯で怪盗団に入る!?
「シンデレラ」に向けられる簒奪者という評価は、恣意的なレッテルに他なりません。しかし、時に人は、事実よりもレッテルを選び、真実と思い込む一面があります。そんな謂われなき偏見を、芳澤 かすみ自身も負わされたのかもしれません。
怪盗団の行いに賛同せず、物事は本人が解決しなければいけないと、ティザーCMで語った芳澤 かすみ。それは王道とも言える正しさですが、捻くれた逆恨みを引き寄せやすい姿勢でもあります。
正しい振る舞いを見せる彼女に、一部の人間が反発・敵対し、悪意と捏造から勝手なレッテルを貼り付ける。その圧力に苦しめられた彼女が、自らのペルソナを「シンデレラ」として形作り、覚醒する──こんな展開が、本作に用意されているのでは、と想像もとい妄想してみました。もちろんこの流れには、怪盗団も少なからず関わっています(※あくまで妄想です)。
映像を見る限り、ジョーカー(とモルガナ)が覚醒の瞬間に立ち会うのは確実そうですし、状況は不明ですが「色々助けてもらった恩、いつか必ず返しますから」といった彼女の台詞もありました。ここから妄想を更に膨らませると、レッテルを貼られた一件について、彼女を助ける側としてジョーカーが関わったのでしょう。そこから、怪盗団加入後に、この台詞が出るに違いありません! もちろん彼女のコープもあるでしょうし、恋人関係になれば、文字通りの意味で“お返し”がですね・・・!!(すみませんこの辺でやめておきます)
あれこれと勝手に連想してみましたが、「総攻撃のビジュアルもあり、ペルソナ持ちなので、怪盗団に加入する(戦闘にも参加するタイプ)」「ペルソナのサンドリヨンは、シンデレラではないか」などは、可能性が高いと思っています。シンデレラの解釈や、悪意あるレッテルによる抑圧、そんな時に助けてくれたジョーカーを見て、怪盗団を再評価して入団──といった流れは、果たして少しでも当たっているかどうか。その結果は、今後の続報で判明することでしょう。
当たり外れに限らず、考察したり妄想するのは、なかなか楽しいものです。よければあなたも、「芳澤 かすみ」や「サンドリヨン」について、想像を巡らせてみてはいかがですか?
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