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開発スタッフ全員の「挑戦」が支える『FGO』スタジオの確かな技術力…テクニカルディレクターに訊く

「ただ純粋に、面白いゲームを創ろう」というポリシーを掲げ、大人気スマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』 )などの企画・開発・運営を行うディライトワークス。同社で働く魅力を、技術面から『FGO』を支えるテクニカルディレクターに訊きました。

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開発スタッフ全員の「挑戦」が支える『FGO』スタジオの確かな技術力…テクニカルディレクターに訊く
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「ただ純粋に、面白いゲームを創ろう」というポリシーを掲げ、大人気スマートフォン向けゲーム『Fate/Grand Order』(以下、『FGO』 )などの企画・開発・運営を行うディライトワークス。

近年では規模拡大に向け、第1から第6からなる6つの制作部、そしてアート部、グラフィック部、サウンド部、技術部、研究開発部の5つの開発関連専門部署を設置する組織再編を行ったばかりの同社。 看板タイトルであるFGOに加え、数多くの新規タイトルやオリジナルのボードゲームを手掛けるなど活動の幅を大きく広げています。

今回は『FGO』の企画・開発・運営を担当する第2制作部 Fate/Grand Order Studio(以下、FGOスタジオ)のテクニカルディレクター 髙野氏 に、同社の技術力の根幹にある「挑戦と成長」という考え方と、エンジニアから見る『FGO』の未来像、そして同社で働くということの魅力について伺いしました。

ディライトワークス 第2制作部 FGOスタジオ 技術セクションFate/Grand Order テクニカルディレクター
髙野 竜維氏

ーー本日は宜しくお願いいたします。まずは自己紹介をお願いいたします。

髙野髙野と申します。FGOスタジオではテクニカルディレクターとして、クライアントやサーバー周りを含めた技術全般の統括責任者をしています。技術面はそれぞれのセクションのリーダーに任せながら、私自身は企画やグラフィックといった他分野のディレクターと協議し、FGOをより良くするために開発全体のワークフロー改善や技術検証などを含めて全体的な技術力の底上げを担っています。

ーーディライトワークスに入社するまでのご経歴を教えて下さい。

髙野前職はスマートフォン向けゲームの制作会社で、ブラウザゲームのメインプログラマーやネイティブゲームの立ち上げとしてメインプログラマー以外にもディレクションや協力会社との渉外やプロジェクトの予算作成といった開発プロデューサーなども経験しておりました。 いわゆる何でも屋でしたね。その前はコンシューマーの現場でプログラマー、非ゲームの業界としては名刺の印刷などの組版のシステムにも携わってきました。

ーー一緒に仕事をするメンバーもゲーム業界出身の方が多いのでしょうか。

髙野コンシューマー、ブラウザゲーム 問わず、基本はゲーム業界出身の社員が多いです。ただ、職種によっては非ゲーム業界の方も多く活躍しています。インフラ周りなどはこれまでの経歴をそのまま活かす方も多いですし、サーバーサイドはWeb出身の方も多くいますね。

ただ、ディライトワークスは純粋なゲーム会社で、「ただ純粋に、面白いゲームを創ろう。」という理念を掲げています。他のゲーム会社の中には、例えば「役員レベルまで行くとゲーム畑ではない」といったところも少なくないかと思いますが、弊社は関わっている全ての社員がゲーム開発に携わりたいという強い想いを思っています。そこが特徴かもしれません。

ーーありがとうございます。現在、FGOスタジオ自体には何名が所属されているのでしょうか。

髙野プロジェクト単位で言えば、『Fate/Grand Order』は外部の協力会社や業務委託も含めてエンジニアが30名程度。クライアントエンジニア、サーバーエンジニアが半分ずつといった人数比ですが、その他インフラエンジニアと技術解決チームも存在します。

ーーちなみに、皆さんやはり『FGO』のファンなのでしょうか。

髙野そうですね。正確なデータではありませんが、体感では業務委託を含めてもほぼすべての社員がプレイしていますし、面接などでも「FGOに携わりたい」と仰って頂くことも多いです。ちなみに私自身はマスターレベル131(*) です。
(*)現在のマスターレベルの上限値は150。

ーークライアントおよびサーバーサイドはどういった環境で開発を行っているのでしょうか。

髙野クライアントはUnityを採用しています。クライアントエンジニアはWindows、Macの好きな方を選んで開発を行っており、必要に応じてMacBookなどのノート型も会社から支給してます。環境で言えば、ほとんどの方は2枚以上のディスプレイで作業していますね。サーバー側は .NET Framework を採用しているためWindowsで開発を行っています。

スペックはそれぞれその時買える一番良いものを選んでいて、2~3年周期で買い換えを行っています。作業環境という意味では、マウスとキーボードをあわせて4万円を上限として好きなものを利用した方がエンジニアの効率が良く、制度としても導入しておりますので、皆好き好きのものを使っています。

あるエンジニアのデスクトップ周り、使用している機材にこだわりがあるそう

ーー『FGO』はリリースされてから3年ほど経ちますが、現在、Unityバージョンはどの系統を使用されていますか?

髙野現状はUnity 5系統で開発をしています。最新バージョンも出ていますので、アップデートについては課題として認識しています。そういう意味では、C#が使えるエンジニアで、C++にも理解がある方がいてくれる と助かります。

とは言いつつも、実は採用の 評価軸は言語自体ではなく、これまでのご経歴から「経験されてきた業務をどれだけ理解しているか 」といった部分で見ていますね。言語にしても、どれだけ本質的な部分を理解しているかを重要視しています。

ーー先ほど仰っていた「技術解決チーム」というのはどういったものなのでしょうか。

髙野昨年新設した技術解決のための専門チームです。FGOのイベントなどを実装するチームとは分かれて、システム面の改修や他のセクションのワークフロー改善を担当しています。QA自動化や、デザイナー向けのレギュレーションチェッカーという内製ツールを作成したり、他にもjenkinsを用いたCI環境整備やミドルウェアのアップデート情報をいち早くキャッチするなど技術的な分野を横断的に見ています。

技術解決チームだけでなく、プロジェクトは多岐に渡りますので、それぞれの得意分野やチャレンジしたい分野を適正を見てメンバーに任せるようにしていますね。

ーー「このプロジェクトに参加したい」とメンバーから希望が出てきた場合、 異動については本人の要望は反映されるのでしょうか。

髙野はい、なるべく希望を聞くようにしています。「やりたいプロジェクトがあるか?」という質問を機会を見てしています。個人的には、ひとつのタイトルに3、4年も関わってしまうと、技術が属人的になるばかりかその人自体のスキルアップにも繋がりにくくなってしまうと思うんです。ひとつの部分をやり続けるよりは、例えばサーバーからクライアントへの鞍替えなど、新しいことにチャレンジをして頂き、本人のエンジニアとしてのスキルを上げていくべきだろうと思っています。

ーー横断的に、複数の分野を担うことの出来る人材を育成しているということでしょうか。

髙野そうですね。会社の成り立ちからしても、これまでは大部分の方が『FGO』に関わる状況が続いていました。もちろん『FGO』自体は同じことをやり続けることを良しとせず、新しい企画をどんどん取り入れています。ユーザーの方々にとっても開発メンバーにとっても新鮮なプロジェクトであり続けようと思っています。ただ、その中でも担当の変更などを通じて横断的に技術を見られるような人材を育成するようにしています。


ーースマートフォン向けのタイトルは「作って終わり」でなく継続して開発する体制を取られていると思いますが、その体制をどのように回されているのでしょうか。

髙野内製ツールを通じて自動化出来るところは自動化しています。運営タイトルは1,2年先の企画までを考える必要があるため、当然日頃から継続的な開発体制を意識しています。ユニークなところとしては、プルリクエスト によるソースコードレビューを徹底している点。人の書いたソースコードを見ることによって自分のコードレベルも上がるし、指摘された方もレベルが上がっていく。GitHub EnterpriseをJIRAと連携させて使っており、レビューは全員で行っていますね。

また、デザイナー自身にもこうした流れを広めようとしています。背景データやモデルデータなどの実機反映などは、デザイナー自身がjenkinsを通じてBuildを行っていますし、「エンジニアがいないとできない」といった様々な状況を減らすためにドキュメントなどを作成した上で組織全体としての技術力向上を目指しています。

ーー今後、『FGO』をより良いコンテンツにしていくためにエンジニアとして貢献していくべきところはどこでしょうか。

髙野2019年はシステム面全般をより良くして行きます。ユーザビリティと同時にレスポンスも向上させていきたい。イベントなども正常に運営しながら、それとは別軸でUnityのアップデートも含めたシステム面に手を入れていくつもりです。

あとは、私以外のディレクターもそうですが、全員が「最高の『FGO』をお届けする」ことを軸として持っています。『FGO』として表現したいものがあって、それが技術的に本当にユーザーに届けられるのか、実現するためにどういった技術を用いるのかは、我々自身に課せられた命題でもあります。

ディライトワークスの掲げる”挑戦思考”



ーー髙野さんご自身が感じる、ディライトワークス独自の文化や社風はありますか?

髙野先ほども申し上げた通り、弊社は社長や役員も含めて全員がゲームに携わりたいと思っています 。だからこそ、あらゆる事象において“ゲーム開発”という軸から大きく外れることがない。収益を重視した判断というよりは、ゲームとしてしっかりと良いものをお客様にお届けしたいというところをメインに考えています。また、弊社では「挑戦」をひとつのキーワードにしています。

ーー「挑戦」というのは?

髙野私は” 成長のために挑戦がある”と考えています。一流の人材は、常に成長出来るからこそ一流。全員がそうであって欲しいという願いから、全ての開発メンバーに挑戦と成長を続けて欲しいと思っています。挑戦と言っても大小がありますが、基本的には自分たちでそれぞれが 課題を見付け、「今期はこれに挑戦します」と申告して頂いている感じです。少し面白いのが、1年前とどう変わったか、どの点が成長したかを評価の面で重要視していることです。

ーー挑戦にあたり、困難に直面した時のサポート体制などはありますでしょうか。

髙野もちろんです。挑戦する対象は本人に選んでもらう場合もあれば、選べない人へのサポートとして、 現在抱えている課題からチョイスしてもらう場合もありますが、いずれにせよ初期段階で「本当に達成可能かどうか」私や直属の上司とで 見極めます。定期的な面談も行っていて、進捗の確認や相談は気軽に行えるような環境づくりを進めています。

ーーちなみに、髙野さんご自身の現在の挑戦はどういったものになるのでしょうか。

髙野私個人としては、他セクションの課題を発見し、技術解決チーム主導で結果を出せるようにする、というところが挑戦でした。今はある程度上手く行ってきているので、今後は組織作りが課題となります。そういった意味では、今は私が技術のボトルネックとならないように、私より多くの経験をされていたり、より専門的な知識を持った人達をいかに集める かが私の挑戦ですね。

ーー技術的なスキルアップとしては、最近は社内勉強会などを行う会社も増えていると思います。

髙野技術部主催で勉強会などは数多く行っています。弊社はGDCなどの海外カンファレンスも含めて、申請することで会社からサポートを受けられる制度になっています。カンファレンスに参加した方が情報共有を行うなどの動きは特に活発ですね。技術を個人にとどめるのではなく、皆で広く共有するという考え方が強いように思います。

社内だけでなく、社外との交流会も積極的に開催。こちらは「DELiGHTWORKS ボードゲームパーティー」の様子

ーーその他、ディライトワークスで働く上でのメリットはどういった部分でしょうか。

髙野福利厚生は一般的なものが全て揃っており、働きやすい環境になっていると思います。会社から2km圏内は家賃補助もあるため、通勤が大変というエンジニアは渋谷エリアや池尻大橋エリアに住んでいる方も多いです。あとは、ゲーム部やゴルフ部などの部活動も盛んですね。

ーー最後に、髙野さんご自身がFGOスタジオで一緒に働きたいと思える人材を教えて下さい。

髙野前向きなマインドを持っている方ですね。開発や運営という部門は、自分自身でコントロールできないトラブルも少なくありません。そこに対してポジティブな姿勢が持てるかどうかを重視しています。その上で、他の人が困っていることを自ら拾いに行ける姿勢を持っている方と一緒に働きたいです。困っている人を助ける、という事を継続的に行っている人は問題解決を行う機会に恵まれており、結果多くの経験を積み、自ずと技術力は付いてくるはずです 。課題に直面した時、解決するための手法を持っているエンジニアだと良いと思います。自身の経験でなくても、調べたりして解決策を自ら導き出せる方は強いと思いますね。

ーーありがとうございました。

■ディライトワークス 採用情報
https://recruit.delightworks.co.jp/
《神山大輝》
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