人生にゲームをプラスするメディア

プレイステーション3版『頭文字D EXTREME STAGE』・・・開発者に聞く

豆腐屋の息子で高校生の藤原琢海が、すでに時代遅れの旧型と評された銘車、AE86スプリンタートレノを駆って峠に挑み、最新のスポーツチューンドカーに勝利していく。そんな公道レースを舞台に大人気となっているコミック『頭文字D 』が、ついにプレイステーション3対応のゲーム『頭文字D EXTREME STAGE』になって登場しました。その美しいグラフィックと、ユニークなゲームシステムはアーケードゲーム最新作『頭文字D ARCADE STAGE 4 改』の完全移植版であり、さらにインターネット対戦などの新たな要素を追加した意欲作です。

ゲームビジネス その他
頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
  • 頭文字D EXTREME STAGE
豆腐屋の息子で高校生の藤原琢海が、すでに時代遅れの旧型と評された銘車、AE86スプリンタートレノを駆って峠に挑み、最新のスポーツチューンドカーに勝利していく。そんな公道レースを舞台に大人気となっているコミック『頭文字D 』が、ついにプレイステーション3対応のゲーム『頭文字D EXTREME STAGE』になって登場しました。その美しいグラフィックと、ユニークなゲームシステムはアーケードゲーム最新作『頭文字D ARCADE STAGE 4 改』の完全移植版であり、さらにインターネット対戦などの新たな要素を追加した意欲作です。

公道を舞台としたレースゲームで、市販車も数多く登場する本作は、自動車好きには見逃せないタイトルです。原作コミックを読んだ人、アニメを観た人だけではなく、ストリートチューンドカーのファンにも興味深いゲームです。今回はセガで『頭文字D』シリーズを統括する新井健二氏、PS3版のプロデューサー藤本光伯氏、同ディレクター阪本寛之氏に魅力を語ってもらいました。



PS3版はアーケード版プラスアルファの出来

アーケードゲーム版の『頭文字D 』シリーズは2000年に第一弾が登場し、現在は第4作のマイナーチェンジ版『頭文字D ARCADE STAGE 4 改』が最新作。原作の頭文字Dは香港のスタッフの手で映画化されるなど、日本のみならずアジア圏でも人気があるタイトルで、アーケードゲーム版もアジア圏で親しまれています。アーケード筐体の出荷は日本国内が約5000台で大ヒット。アジア各国では合計約1800台が稼働しています。これはそのままPS3版の商圏と位置づけられそうです。PS3版の『頭文字D EXTREME STAGE 』は『4改』の移植版。総額約150万円のアーケード筐体用のゲームを数万円以下のPS3に移植。その完成度は気になるところです。

「グラフィックのデータなどはすべて同じです。クルマの挙動もアーケード版とPS3版にほとんど差はありません。もちろんアーケード機とPS3ではプロセッサも基盤の構成もすべて違いますから、まったく同じとは言えません。そしてどちらのハードが優れているか、という問題でもないんです。それぞれのハードは得意な部分が違う。例を挙げるとローディングですね。ストーリー部分の場面が変わるときの処理は、ちょっとだけアーケードの方が速いです。差がハッキリ解る部分を敢えて上げるとそれくらいです(阪本氏)」。

ハードウェアの設計思想が違いから、同じゲームを作るにしてもソースコードの部分から異なっています。しかし作る過程の微妙な差異はあっても、結果としては同じ仕上がりになったそうです。

「当初はアーケードの4のデータを元に作っていました。製品にする最終の過程で4改のデータに入れ替えたんです。だからクルマの挙動はPS3もアーケードもまったく一緒です。ハードの違いのせいで引き算している部分はあるんですけれど、ほんのわずかです。しかも、まず見破れないだろうというレベルまで作り込みました。その上で、ネットワーク対戦に対応しているとか、毎回100円使わないで楽しめるとか、PS3のプラスの部分が足し算されているんです(藤本氏)」

それを証明してくれたのはアーケード版、PS3版それぞれのプレーヤーです。「素材も質も違います。でも、演算処理は一緒なんですよ。ちなみにアーケード版の秋名コースの全国一位のタイムと、PS3版の全国一位のタイムがほぼ同じなんです。どちらも同じ人じゃないかって話もあるんですが(笑)。攻め方からライン撮り、最高速度への到達タイムまでほとんど同じ(新井氏)」。同じコース、同じクルマ。完全移植なら攻め方の定石も同じ。タイムは酷似していきます。

あえてタイムが変わる要素と言えばコントローラでしょうか。「PS3コントローラでも遊べるように作ってありますが、もっと楽しもう、と思ったらステアリングコントローラを使ってください。これはクルマゲームの宿命だと思います(藤本氏)」

開発者からみてオススメのハンドルコントローラは、ロジクールのDriving Force GTだそうです。

「Driving Force GTはいいですね。アジャストダイヤルには対応していませんが、ハンドル径も大きいし、値段の割りには良くできています(阪本氏)」

「G25 Racing Wheelもいいけど、高いですね(藤本氏)」

それでもアーケード版の剛性感に比べると取付け剛性もフォースフィードバックのゴリゴリ感も物足りないと感じる面もあります。

「それは仕方がないですよ(笑)150万の筐体と比べるのは無理があります。アーケード版にはこーんな大きくて重いモーターを使っているのですよ。リッチなステアリングコントローラーでプレイしたくなったらゲームセンターに来てください(新井氏)」

ドライブシミュレーターではなく『頭文字D』らしさにこだわる


《杉山淳一》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲームビジネス アクセスランキング

  1. なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る

    なぜ「アイカツ」のライブ映像は、ユーザーを魅了するのか…製作の裏側をサムライピクチャーズ谷口氏が語る

  2. 【LEVEL5 VISION 2008】こちらも祝10周年『ダンボール戦機』と『うしろ』が発表に(5)

    【LEVEL5 VISION 2008】こちらも祝10周年『ダンボール戦機』と『うしろ』が発表に(5)

  3. 任天堂の山内相談役、京都大新病棟に70億寄付

    任天堂の山内相談役、京都大新病棟に70億寄付

  4. バンダイナムコグループ大幅に機構改革―BNGにはウェルネス事業部、人材開発推進準備室が新設

  5. 海外パブリッシャー向けの営業とは・・・IGDA日本グローカリゼーション部会 特別セミナー

  6. GB版をリニューアル!FOMA『スターオーシャン ブルースフィア』配信

  7. 【CEDEC 2010】外国人が語る欧州言語向けローカライズの実情

  8. 【DEVELOPER’S TALK】「もうPS3には戻れない」と言わせたい、開発チームが挑んだゲームサウンド演出 PS4『龍が如く 維新!』インタビュー(後編)

  9. グラビアアイドル×VR=けしからん!パノラマ動画「VRガール」公開

  10. 【CEDEC 2017】ゲームの特許は難しくない!だれでもわかる効果的なゲーム特許の取得方法

アクセスランキングをもっと見る