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『ダブルキャスト』発売から今日で20周年! 美少女との出会いから陰惨なバッドエンドまでフルアニメで描く意欲的なADV

ゲームの歴史を紐解くと、そこには様々なジャンルが並んでいますが、特にアドベンチャーゲーム(以下、ADV)の歩みはかなり古く、また様々な進化を遂げてきました。

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ゲームの歴史を紐解くと、そこには様々なジャンルが並んでいますが、特にアドベンチャーゲーム(以下、ADV)の歩みはかなり古く、また様々な進化を遂げてきました。

そんなADVゲーム史の中では、折々で個性的な作品が登場したり、後のジャンルに影響を与えたタイトルがリリースされたこともあります。ちょうど20年前となる1998年6月25日に発売された、プレイステーションソフト『ダブルキャスト』も、そんな作品のひとつです。

本作は、実績豊かなクリエイター陣や声優陣に支えられ、紙面でも大きな注目を集めました。また、実際にプレイしたユーザーの記憶に残る作品としても知られています。今もなお、色濃く思い出せるという方も少なくないのでは。そこで今回は、記念すべき20周年を祝い、『ダブルキャスト』の特徴や魅力に迫りたいと思います。

◆意欲的だった『ダブルキャスト』の姿勢



ADVというジャンルは、パソコンよりも古い、いわゆる「マイコン」の時代から既に存在していました。ハードの性能的にグラフィックの表示が厳しかったり、制限が多かったためです。ですがADVは、いわゆるテキストアドベンチャーとも呼ばれる、「文字のみのゲーム」として、いち早く活躍していました。

対して今は、まるで実在している人間にしか見えないようなCGが用いられ、その表現力を活かしたフォトリアルなホラー作品も多数展開。技術の進歩により、表現の幅が拡大している現状は、皆さんご存じの通りです。

この「文字のみ」と「フォトリアルなCG」の間には、いくつもの時代的な、または技術的な転換期があり、その折々で様々なADV作品が飛び出しました。グラフィックを導入した『ミステリーハウス』、ビジュアル表現を極力抑えた『弟切草』、美少女との恋愛や物語に特化した様々なギャルゲーなど、枚挙に暇がないほどです。

そして1998年に登場した『ダブルキャスト』は、全編フルアニメーションで展開するという表現を選択。プレイステーションは、3Dグラフィックの描写を得意としており、2Dグラフィックによるアニメ的な表現は、当時のライバル機だったセガサターンの方が得意とされていました。それなのに、アニメ表現に特化したADVをプレステで出した辺りに、ソニーの気合いや本気度が感じられます。

それまでにアニメ表現を取り入れたADVは無論ありましたが、徹底してフルボイス・フルアニメで展開した点や、発売元がソニーだった点、1996年に放送したアニメ「機動戦艦ナデシコ」でも知られている後藤圭二氏がキャラデザなどを担当した点など、様々な話題性と共に『ダブルキャスト』が登場しました。ちなみに、アニメシーンはProduction I.Gが担当。本当に豪華なゲームです。

◆自分の選択がアニメシーンに反映!? そして予期せぬ角度からの驚きも



本作は、「やるドラ」と呼ばれているADVシリーズの、記念すべき1作目です。前述の通り、描かれる物語はフルアニメーションで展開しますが、時折選択肢が出現し、プレイヤーが選んだ選択にしたがって展開や物語が変化していきます。

ゲームにおけるアニメシーンは、見せ場をよりダイナミックに表現するなど、いわゆる「見せる」(あるいは「魅せる」)ために用いられるのが主でした。そのため、基本的にはそのまま見ているだけ。アニメパートからゲームパートに戻った時に、また操作が行えるようになるわけです。

ですが本作(そして本シリーズ)は、全編アニメ。選択肢を選ぶ前も、そして選んだ後の展開も、全てアニメーションで展開します。自分の選んだ結果がアニメシーンを左右したかのような感覚は、当時かなり新しいものでした。後藤氏が描く、ヒロインの「赤坂美月」や「篠原遙」といった魅力的なキャラクター陣との距離も、普通のADVと比べるとグッと身近に感じられるような気持ちになります。

ちなみに、美月の声は平松晶子さんが、遙の声は水谷優子さんが担当。彼女らに限らず、実力派声優陣が多数出演しており、ビジュアルだけでなくボイス面でも魅力的です。そのため、アニメシーンの没入度にも拍車がかかります。

そしてもう一つ欠かせない点となるのが、本作で展開されるストーリーにあります。フルアニメ+魅力的なキャラ+実力派声優陣という本作は、そのパッケージデザインも相まって、ヒロインとの甘い日々などを連想する方も少なくありませんでした。しかし、展開するのはなんとサスペンスホラー。美月との出会いが、思わぬ物語を紡ぐ形へと変化していきます。

ストーリーが予想を超えるだけでなく、痛ましいバッドエンドも少なくないため、プレイ前のイメージとのギャップに驚くプレイヤーが続出。もちろんハッピーエンドもありますが、そう簡単にはたどり着けないため、苦い結末を何度も辿ることに。事前に情報を得ていた方はともかく、パッケージ買いをしたり、前情報なしに友達から借りた人などは、さぞ驚いたことでしょう。

その驚きの理由を詳しく語ってしまうと、ジャンルがアドベンチャーだけに、モロにネタバレとなってしまうのが難しいところ。もし気になった方は、今からでも遊んでみてはいかがでしょうか。本作は、2005年にPSP版が出ているので、こちらのダウンロード版ならばPS VitaやPS Vita TVでもプレイ可能です。当時のユーザーが味わった衝撃を、20年越しに体験してみるというのも、なかなか一興かもしれませんよ。



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(C)2005 Sony Computer Entertainment Inc.
《臥待 弦》

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