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魅力溢れる世界を大胆な難易度で彩った『嘘つき姫と盲目王子』─ “嘘”の結末まで引き込むプレイ感と、賛否分かれるポイントに迫る【プレイレポ】

『ディスガイア』シリーズなどの代表作をはじめ、多彩なソフトを幅広く展開している日本一ソフトウェア。多くのシリーズ展開を手がける一方で、新規IPの創出にもかなり力を入れており、個性的なタイトルを毎年いくつも手がけています。

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◆クリア時間とプレイ体験から辿る『嘘つき姫と盲目王子』の本質と魅力



絵本のような世界を、丁寧な物語と演出で描く『嘘つき姫と盲目王子』。ですが、本作で最も賛否が分かれそうな点がひとつあります。それは、前述の難易度とも無関係ではありませんが、ずばり全体的なボリュームです。

細かく記してしまうとネタバレとなるので伏せておきますが、本作の物語は、導入時に示された「嘘」や「狼と王子の関係」などが軸となっており、その結末までを紡ぐものとなります。そのため、他のゲームで見られる「世界の命運を懸けた壮大なストーリー」などと比べれば、物理的な分量はどうしても少なめに。また、間口の広いアクションパズルが故に詰まる部分も少なく、各ステージもテンポよくクリアできます。


あくまで筆者の一例ですが、エンディングを迎えるまでのプレイ時間は、ずばり「4時間32分」。ゲームに自信がある方はもっと早いと思いますし、ゲームの操作が苦手な人だともう少しかかるかもしれませんが、極端な差はつかないでしょう。

ちなみに『嘘つき姫と盲目王子』の価格は、税抜きで5,980円~6,980円。標準的なフルプライスの価格帯です。もちろんジャンルにもよりますが、ボリュームを求める方にとってはコストパフォーマンスがいいとは言えず、人によっては本作の難点と捉えても不思議はありません。


ですが、上記のプレイ時間でクリアした筆者個人のプレイ満足度は、非常に高いものだったと明言しておきます。絶妙なバランスの上に、ゲームプレイと物語が織り込まれたひとときは、2人の行く末への興味と相まって、満ち足りたプレイ体験を味わうことができました。

確かに数十時間遊ぶようなゲームと比べたら、あっという間に終わってしまいます。しかし振り返ってみると、ゲームプレイに関する思い出の大きさは、それほど違いがないことにも気付かされます。本作について伝えたいアレコレは他のゲームと比べてもなんら遜色なく、雄弁に語りたい言葉の数々はしっかりと自分の中にありました。それは、短くとも良質なプレイ体験を味わえたことが要因だと考えています。


この記事の中で、幾度か「絵本のような」という言い回しで本作を表現しましたが、価格やボリュームの面を踏まえて語るならば、本作は「しかけ絵本のようなゲーム」だったのかもしれません。切ない「嘘」を抱えた狼と、残酷な現実を知らぬ無垢な王子の旅は、ページをめくるようにボタンを押すことで展開し、様々な形を見せてプレイヤーを刺激します。


ビジュアルと音楽、ゲーム性に驚かされ、狼がついた「嘘」の顛末に息を飲み、2人がそれぞれ導き出した答えに心を動かされる。そんな“仕掛け”に一喜一憂したひとときは、「しかけ絵本」を楽しむ気持ちに似ていかもしれません。

普通の絵本と比べると少々お高い「しかけ絵本」ですが、その価値をも上回る驚きと刺激を与えてくれることもしばしばあります。そんな「しかけ絵本」と通じるような魅力を、『嘘つき姫と盲目王子』のプレイに感じる方ならば、ボリュームについて決して大きなマイナスとはならないと思います。


厳しくも美しい世界。没入感を後押しするBGMの数々。嘘が横たわる狼と王子の関係。異種間の超えがたい壁を描く展開。そんな「おはなし」を短くも濃く楽しみたい方には、『嘘つき姫と盲目王子』を強くお勧めします。プレイ開始から半日後にはきっと、本作について語りたくなっている自分に気付くことでしょう。

(C)2018 Nippon Ichi Software, Inc.



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