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魅力溢れる世界を大胆な難易度で彩った『嘘つき姫と盲目王子』─ “嘘”の結末まで引き込むプレイ感と、賛否分かれるポイントに迫る【プレイレポ】

『ディスガイア』シリーズなどの代表作をはじめ、多彩なソフトを幅広く展開している日本一ソフトウェア。多くのシリーズ展開を手がける一方で、新規IPの創出にもかなり力を入れており、個性的なタイトルを毎年いくつも手がけています。

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※この記事にストーリーのネタバレはありません。未プレイの方も安心してお付き合いください。


『ディスガイア』シリーズなどの代表作をはじめ、多彩なソフトを幅広く展開している日本一ソフトウェア。多くのシリーズ展開を手がける一方で、新規IPの創出にもかなり力を入れており、個性的なタイトルを毎年いくつも手がけています。

そんな同社らしい取り組みのひとつとして、「日本一ソフトウェア 企画祭」と呼ばれている社内コンペがあります。部署や職歴などの制限がなく、社内の人間であれば誰でも企画を出すことができるため、これまでにないアイディアが登場することもしばしば。『htoL#NiQ-ホタルノニッキ-』や『夜廻』といった作品が、この企画祭から生まれました。

先日発売されたばかりの『嘘つき姫と盲目王子』も、企画祭から飛び出した一作。今年の1月に発表された本作は、「お姫様に化けた化物」と「目の見えない王子」の異種間交流をテーマとした、切ない恋を描く物語として紹介され、多くのゲームファンから注目を集めました。

筆者も、発表直後からずっと『嘘つき姫と盲目王子』が気になっており、発売後は本作の特徴的な世界観をたっぷりと堪能させていただきました。そこで今回は、発表からエンディングまでを見届けたひとりのユーザーとして、本作のプレイレポをお届けしたいと思います。

◆想像力を刺激するテーマと、それを雄弁に表現する見事な世界観



本作の主人公は、人食いの化け物である「狼」。我々の世界にいる狼とは全く異なっており、畏怖すら覚える外見と、その見た目に違わぬ凶暴な力を秘めた存在です。そんな狼ですが、非常に美しい歌声を持っており、その歌声に惹かれた「王子」と出会ったことで、本作の物語は動き始めます。



歌声への賞賛として贈られる王子の拍手は、狼の耳と心にしっかりと届き、人食いの化け物でありながらも王子を食べる気を失わせてしまうほど。ですが同時に、化け物だと気付かれたら嫌われてしまうとも考え、姿を見られることを恐れます。



そんな狼の心境を知らない王子は、ある日勇気を出して狼へと近づいてしまいます。その突然の行動に慌てた狼は、王子の視界を塞ごうと顔に手を伸ばしました。しかしその手についた爪は、王子の目を引き裂いてしまい、彼から光を奪ってしまうことに。




王子の目を治すには、森の魔女に助けてもらうしかない。そう考えた狼は、美しい歌声と引き換えに、可愛らしい人間=姫の姿を手に入れました。こうして、誰かを傷つける爪ではなく、魔女の元まで連れていける柔らかな手を差し出して、王子と共に深い森へと旅立ちます。



・・・と、ここまでが本作の幕開けに当たります。互いに惹かれ合いながらも、嘘を抱えて姫と偽る狼と、真実を知らぬ無垢な王子。この二人がどんな結末に辿り着くのか、気にならないわけがありません! 本作のジャンルは、パズル要素が濃いアクションゲームですが、筆者の購入動機は物語とその結末を見届けることがほぼ全て。その満足度については後ほど改めて語りますが、まずプレイして魅了されたのは、この興味深いテーマや世界観をしっかりと支えるグラフィック表現でした。

事前に公開された画像や映像は、まるで絵本の世界を思わせるようなテイストに溢れており、発売前からそのビジュアルセンスに惹かれていましたが、実際にゲームプレイを通してみると、その深みのある味わいをより強く感じさせられます。

柔らかさと暖かみを覚えるビジュアルで展開する物語は、新たな感情に戸惑う狼の心境や、些細なことに喜ぶ感情の動きを雄弁に表現。更に、世界観やキャラクターにマッチした演出が散りばめられており、一見美しくも死と隣り合わせの危険な森を進む、嘘を秘めた狼と王子の冒険に、グイグイと引き込まれてしまいます。


ビジュアルの素晴らしさは、野暮な言葉で語るよりも、ゲーム映像や画像を見ていただければ一目瞭然かと思います。その上で、今回のプレイを通してグラフィック面で伝えたいことは、ゲームの端々までこのセンスが徹底されており、エンディングを迎えるまでこの世界が一貫して魅力的であり続けたこと。この世界から“覚める”ことはなく、最後までしっかりと浸らせてくれたと明言させていただきます。


絵作りが素晴らしいのはもちろんですが、それを支える演出や音楽も優れており、見とれたり聞き惚れたりすることもしばしば。例えば、ささやかな演出ですが、姫バージョンの狼や王子は、通常時には普通の顔をしていますが、二人が手を繋ぐと口角が上がり嬉しそうな表情に変わります。アクション性のあるゲームなので画面上では決して大きな変化ではありませんが、だからこそ「あ、笑ってる!」と気付いた時の嬉しさも倍増。この二人の気持ちが、手を繋ぐアクションのボタンから伝わってくれるようで、こちらもなんだか嬉しくなりました。



プレイが進むと、王子にお願いする形でアクションの幅が広がりますが、手を繋いでいる時だと姫が王子の耳に囁きかけます。そんな姫もキュートですし、目が見えないのに姫の言葉を信頼して歩き出す王子も健気! 高いところから落ちて転んだ二人のアクションも可愛く、ゴメンと思いつつ目が離せません。ただし、高すぎるところから落ちると死んでしまうので、やりすぎは厳禁です!



魅力溢れる世界観を豊かに表現するビジュアル、物語と冒険を盛り上げる優れたBGM、一貫して作品を支える演出の数々。絵本のような世界は、しかしゲームならではの味わいで、その物語を素晴らしく表現していました。

ゲームならではの表現で引き込む『嘘つき姫と盲目王子』。しかし、ゲームだからこその難点も・・・?
《臥待 弦》

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