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【TGS2017】『とある魔術の電脳戦機』異色コラボへの熱い想いを亙重郎プロデューサーに聞く

「東京ゲームショウ 2017」会場内にて、『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』のプロデューサーを務める亙重郎氏にインタビューの機会を頂きました。プロジェクトが始まるまでの経緯や変化したゲーム性など、お話頂いた内容をお届けします。

ソニー PS4
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セガの人気シリーズ「電脳戦機バーチャロン」と、電撃文庫の「とある魔術の禁書目録」が異色のタッグを組んだPS4/PS Vita『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』。編集部はこのたび、「東京ゲームショウ 2017」会場内にて、本作のプロデューサーを務める亙重郎氏にインタビューの機会を頂きました。プロジェクトが始まるまでの経緯や変化したゲーム性など、お話頂いた内容をお届けします。

◆誕生の経緯とゲーム性について


──本作は『バーチャロン』としては15年ぶりの新作となります。多くのファンが待ちわびていましたが、まずは本作発表に至るまでの経緯を教えてください。

亙氏:2016年に電撃文庫さんから『バーチャロン』と「禁書」のコラボ小説(編注:「とある魔術の禁書目録×電脳戦機バーチャロン とある魔術の電脳戦機」)が出たんですけども、これが『バーチャロン』ファンと「禁書」ファン、どちらが読んでも楽しめると凄く評判が良かったんです。これほど完成度の高い作品を出して頂いた以上、我々としてもしっかりとしたゲームを出して恩返ししたいと思い、始まりました。

──すでに“上条当麻”や“インデックス”といった主要キャラクターが発表されていますが、今後もキャラクターは追加されるのでしょうか?

亙氏:はい、追加されます。TGS出展バージョンには学園都市の面々しかいませんが、「禁書」という物語をしっかりと楽しむためには、魔術側のキャラクターを外してはいけないんです。それと機体の面でいえば、現状は『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』の半分程度しか発表されていません。それぞれのファンであれば、どういった面々がどの機体に乗って出てくるか、色々想像できるんじゃないかなと思います。このあたりは、ぜひご期待頂ければ。

──それは凄く楽しみです。ゲームの内容についてお伺いしたいのですが、今回は動作の硬直をキャンセルできる「トランジション」が追加されて、ゲーム全体のスピードが非常に速くなりました。これはどのような経緯で実装されたのでしょうか?

亙氏:ゲーム性を変えるため、ほかにも2種類ほど新動作を検討していましたが、最終的にはトランジションのみ採用しました。これまでの『バーチャロン』は、ダッシュやジャンプの後に必ず硬直が生まれる、ある種の“ストップ&ゴー”的なゲーム性でしたが、本作ではトランジションを使うことで、異なる動作をノンストップで繋げられるようになっています。このような動的要素を「バーチャロン」に組み込んでゲーム性をどう変化させていくのか、というのが、一つのチャレンジポイントですね。これまでの「バーチャロン」シリーズで使われていたジャンプキャンセルはそれほど必要ではなくなっているので、見た目や感覚もかなり変わっているかと。


──「硬直を狙う」という、これまでのセオリーが通じなくなるわけですね。その場合、ゲームとしてはどのような読み合いになるのでしょうか。

亙氏:相手の動きをどれだけ先読みできるか、がこれまで以上に重要になってくるでしょうね。例えばボムを投げて、相手が逃げる方向を予想してレーザーを撃ってみるとか。プレイヤーにとっての新たなチャレンジポイントになると思います。

──『バーチャロン』にはジャンプして相手をロックオンするという特徴的な動作がありますが、本作には相手を自動でロックオンできる「スマート」と、従来通りの「ベテラン」という2つの操作が追加されていますね。

亙氏:本作は「禁書」しか知らないファンの方にも触って頂きたいと思っているのですが、そういった方々がいきなりゲームをプレイして、ロックオン操作をしないと敵が捉えられないシステムでは辛いだろうと。「目の前に敵がいて、弾を当てる」という、面白さの入り口をスマートに感じてもらうために、オートロックの操作スタイルを用意しました。もちろん「ベテラン」操作ならではの戦い方もありますよ。

──「禁書」ファンも本作に大きな期待を寄せていると思います。そういった人たちにとって、「スマート」の操作形態は凄く良いですよね。

亙氏:そうですね。もちろん、ゲームにはやり込んでいくことで見いだされる面白さもあるんですけど、それよりもっと入り口に近いところで得られる楽しみを、多くの方に再発見してもらうためには、こういった操作スタイルも今の時代は必要なのだと思います。実は当初、スマートモードは無かったんです。でも「バーチャロン」を知らない人間がテストプレイしたら、まったく敵を見つけられないまま終わってしまいまして。もちろん教えたらできるようになるんですけど、教わらないとできないゲームというのは違うかな、と。多くの人が、素の気持ちで「バーチャロン」ならではのスピード感を楽しんでもらいたいというのが我々の大きな願いです。


──ダッシュ時の、“キュイーン!”という効果音を聴くだけでも気持ち良いですよね。

亙氏:そうですね、あれは外しちゃいけない(笑)。もともとあの音は、「バーチャロン」が誕生した時に、様々な音が混じり合っているゲームセンターの中でも聞き分けられるようにと、色々話し合って作った音なんです。

──そうなんですね!ところでゲームセンターと聞くと、『バーチャロン』ファンであればツインスティックが発売されるかどうか、気になってしまうのですが…?

亙氏:実はツインスティックを作っている所が型を廃棄していたため、作れないんです。イチから設計しなおすとコストもかかりますし、ゲームの発売に間に合わないということもあり、難しいかなと。もともと今回は誰でもパッドでできる『バーチャロン』を目指していたこともあり、今は初心にかえった形で開発に専念しています。

◆「バーチャロン」×「禁書」というコラボについて



──本作を発表した際の、各ファンの反応はいかがでしたか?

亙氏:最初は「誰得なんだ」みたいな声はありましたが……。とはいえ、この流れには前置きがあるんです。2013年ぐらいに「バーチャロンと禁書が組み合わさったら、意外性もあって面白いのでは」と思い、電撃文庫さんに突撃してみたら、「やりましょう」と即答頂きまして。その後、鎌池さんに小説を書いて頂くことになるんですが、当初、鎌池さんは「バーチャロン」をまったくご存知無かったんです。なので最初は初歩的な質問も多かったんですけど、半年後には凄い詳しくなっちゃって。世界観からゲームの操作系まで「おいおい、なんでこんな詳しいんだ」という感じで、もう、凄い勉強しているなと。

──その結果、双方のファンを満足させる名作が生まれたんですね。

亙氏:はい。そこから我々も認識を新たにしました。コラボレーションって、キャラクターの貸し借りで終わる軽いものが多いんですけど、我々のコラボは双方の世界観とかキャラクターとか全てを出して、それらをがっつりぶつけあって新しい面白さを生み出していくものなんだな、と。

「禁書」しか知らないファンであっても、鎌池さんの書き下ろしシナリオがフルボイスで楽しめるし、アクションゲームとしても面白い。『バーチャロン』ファンにとっては、まったく新しい体験になるし、これまで知らなかった「禁書」を知るきっかけになる。どちらから入っても面白い作品にしようという思いがあります。

『バーチャロン』を背負っている我々としては、もちろん『バーチャロン』をきちんと立ち上げていこうという気持ちはベースにありつつも、また一方で一読者として、「禁書」を盛り上げるお手伝いをしたいという点も大きいのです。この気持ちを糧に、どちらの入り口からでも面白いと思ってもらえるような作品を目指しています。

──ゲームはストーリーモードや対戦モードのほかに、マルチプレイもありますか?

亙氏:はい、そうです。TGSに出展したものは1vs1の対戦ですが、2vs2やCoop(協力プレイ)も予定しています。

──「禁書」ファンとしては、ストーリーやCoopはとても楽しみですね。

亙氏:本作はフルボイスになっていて、今回のTGS版でもチュートリアルで小萌先生が大活躍しています。先生の“圧”が強くて、それだけで頭がいっぱいになったという話も聞きました(笑)。

──「禁書」って2014年にアニメ2期が終わっているので、フルボイスでストーリーが楽しめるのも嬉しいですね。

亙氏:アニメといえば、オープニングアニメを作った当初、「学園都市とバーチャロンって馴染むのかね」と言われていたのですが、実際やってみたらすごく馴染んでるし、むしろアリなんじゃないかと。

──小説版も、まったく違和感を感じませんでした。

亙氏:我々も電撃さんに提案する際、相性は悪くないなと思っていました。ちなみにオープニングアニメは「禁書」や「超電磁砲」などを手がけたJ.C.STAFFさんにお願いしています。昔バーチャロンを遊んでいたメンバーもいらっしゃって、僕が1を言ったら10を察してくれるようなことも多く、とても助けられました。

──Vita版の初回限定版には、ラジオドラマが収録されたCDがあるんですよね。

亙氏:そうですね。同じくVita版に付いてくる冊子もオススメですよ。鎌池さんの書き下ろし短編が入っているのはもちろんポイントなのですが、僕は「鎌池さんのインタビューも絶対入れてくれ」と言っていまして。

「禁書」の世界ってキャラクターや組織が多くて、それぞれがどう繋がっているのかって、ちょっと分からない所もあると思うんですよ。それを鎌池さんに直接聞いて、整理して載せてくれと。わざわざネットで調べなくても、これ一冊で鎌池さんの頭の中を覗ける、そんな物があれば、禁書ファンにとっては必須になるんじゃないかなと。というかまず、私が欲しい(笑)。

──それは欲しいです!『バーチャロン』から本作に入った人にも、嬉しい特典になりますね。

亙氏:限定版とは別の話になりますが、小説のコミカライズ版も始まる予定です。ゲームは小説の続きになっているので、文字を追うのが苦手な方はコミックで予習しておくと良いかと。

──コラボものは風当たりが強いことがあったりもしますが、小説の方は「禁書」と『バーチャロン』、どちらのファンからも反応はとても良かったと感じています。

亙氏:繰り返しになる部分もありますが、中途半端なコラボはしたくなかったんです。両方ともコアなファンがいますし、下手するとぶつかって喧嘩しちゃうっていう危惧もありました。だから、どちらからも面白いといって頂けるのは苦労の甲斐がありましたし、同時に珍しいケースなのかなとも思います。


──本作はPS4とPSVitaの2機種で発売されますが、解像度やフレームレート以外で違いはありますか?

亙氏:特に無いですね。無いようにしています。もちろん、マシンスペックに違いはあるのでグラフィックに差はありますが、どちらを買っても楽しめるようにしています。それに、小説ではVitaのような携帯端末で「バーチャロン」を遊んでいるんです。そういう根っこがあるので、Vitaでもちゃんと遊べないと。

PVでも冒頭で上条さんが携帯端末を持っていますし、ストーリーも路上でのストリートバトルのように描かれています。だからこのゲームのベースはVitaかな、とも思います。とはいえ、PS4が悪いって意味ではありません。今回のTGSではPS4版を出展していますしね。

──Vita版の操作方法はPS4とは異なるのでしょうか?

亙氏:ボタンの数が違うので、操作方法はそれぞれの機種に合わせています。それと、PS4とPSVitaのクロスマッチングには対応していませんが、クロスセーブには対応しています。外でストーリーを楽しみ、自宅で対戦に没頭するというプレイスタイルも、まったく問題ありません。

──ストーリーのボリュームは、どれくらいでしょうか?

亙氏:文庫本1冊分くらいは入っていると思います。鎌池さんの手法で、1人の視点でストーリーが進んでいくと、いくつか謎が残されていて。その後、別の視点で物語が進んで解決したかと思いきや、また新しい謎が生まれて……。そんな感じでバラバラの視点を全て読むと、最終的に「こういうことか!」とパズルが完成する。「禁書」のエッセンスが詰まったストーリーになっていますよ。

──本作のストーリーは、「禁書」の時系列でいうと、どのあたりになるのでしょう?

亙氏:本作は、「禁書」の世界線と『バーチャロン』の世界線がたまたま重なった時に生まれた、謎の時空で起きている奇跡の物語というのが基本の建付けです。おそらく新訳の「禁書」が始まった辺りだとは思われるんですけど、出てくるキャラクターがちょっと前後してる所もあります。

──ゲームだけに登場するオリジナルキャラクターはいますか?

亙氏:小説に登場したリリナちゃんがいますね。あとはプレイアブルではなくお話だけに出てくるキャラもいるかと思います。どんなキャラが出るか、もやもやしてもらえると。


──対戦ゲームだとe-Sportsも流行の兆しを見せていますが、大会の予定などはありますか?

亙氏:大会はやりたいですね。e-Sportsも実際に進めようとすると色々と難しい問題はありますが、色々な人にゲームを楽しむ場を提供したいという気持ちはあります。なにか、形にしたいですね。

──最後に、発売を心待ちにしているファンへメッセージをお願いします。

亙氏:小説版がそうであったように、『バーチャロン』ファンと「禁書」ファン、どちらにとっても面白さが感じられるものにしたいと思っています。『バーチャロン』ファンにとっては15年ぶりの新作ですし、「禁書」ファンにとっても、これまでに遊んだことがないスタイルで禁書の本格的なゲームを仕上げているので、期待してほしいです。我々の気概として、「禁書」を盛り上げる役に立ちたいと思っているので、ぜひチェックしてみてください。

──ありがとうございました。


Youtube URL:https://youtu.be/zAlJ9qhr2wA

(C)SEGA CHARACTER DESIGN:KATOKI HAJIME
(C)2017 鎌池和馬
キャラクターデザイン・原作イラスト/はいむらきよたか
Licensed by KADOKAWA CORPORATION ASCII MEDIA WORKS
《ねんね太郎》

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