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巨大なゲーム市場、大人は消費し若者は無料で遊ぶ【オールゲームニッポン】

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巨大なゲーム市場、大人は消費し若者は無料で遊ぶ【オールゲームニッポン】
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テレビゲームの世界は、新しいデバイスや技術の普及によって、その形は大きく進化している一方、楽しさを追い求める姿は変わりません。変わるものと、変わらないもの。過去と未来。そして我々が宿命的に背負う日本という存在。なかなか考える余裕のない現代ですが、少しだけ立ち止まって一緒に見つめてみませんか? 毎月1回、「安田善巳と平林久和のオールゲームニッポン」ゆるーくお届けします。

山﨑浩司(以下 山﨑):7月です。暑い日が続きますね。今月は『スプラトゥーン2』と『ドラゴンクエストXI』が発売されました。その他、国内・海外ともにいろいろな事件がありましたが、今月もオールゲームニッポン、よろしくお願いします。

安田善巳(以下 安田):よろしくお願いします。

平林久和(以下 平林):ところで安田さんは佐野史郎さんの後輩でしたよね。

安田:そうです。佐野史郎さんは高校の先輩で『GOD WARS』ではナレーターをお願いしました。

平林:じつは、私は船越英一郎さんの後輩なんです。小学校の。というわけで、松居一代さん騒動ではもろもろ裏情報が入手できているのですが、本題のゲームの話をします(笑)。

山﨑:私はロンドンブーツ、田村淳さんの後輩ですがそれはおいといて……。

平林:今月、24日に『2017 CESAゲーム白書』が刊行されました。業界動向を示す貴重なデータが公開されたので、そんなお話をしてもいいですか?

安田:要点をまとめるとどんな感じですか?

平林:まずは毎年注目されるコンソールの市場。2016年のゲーム専用機のソフトの市場規模は1849億円でした。2015年が1949億円でしたので、対前年比約4パーセント減でした。2016年のハードの販売額は1267億円でした。2015年が1353億円でしたので、約2パーセント減でした。


山﨑:国内のコンソールゲーム市場は全体が微減だった、ということですね。

平林:はい。全体の数字としてはそうですね。活気がないようですが、驚くニュースではありません。そもそも日本国内のソフト市場は1997年がピークだったんです。この頃のゲーム業界は絶好調で市場規模は5880億円でした。

安田:そうですね。97年というと(初代)プレイステーションの全盛期といっていいでしょう。ソフトでいうと『ファイナルファンタジーVII』が出た年です。

平林:長い目で見ると国内のソフト市場は97年からずっと下降トレンドに入っています。経済の用語で「失われた20年」というのがありますが、それと似ていて「落ち込みはじめてから、なんと20年」でもあるわけですね。というわけで、国内のソフト市場が微減だったということは珍しいことではないのですが、2016年はちょっとした変化があったとも思いました。

山﨑:変化って何ですか?

平林:市場の動きを細かく見ると、プレイステーション4のソフトはよく売れています。2015年と比べて2016年は約70%も伸びています。ですが、プレイステーション3のソフトは売れなくなりました。プレイステーション4が日本で発売されたのは2014年でしたが、タイムラグあって2016年に実質的な世代交代が起きたようです。また、2011年に発売されたニンテンドー3DSのソフトの売上も落ち込んでいます。

山﨑:なるほど。2016年はハードの世代交代の年だったわけですね。今年、2017年の上半期はNintendo Switchの影響で昨年の売上を上回っているようです。2016年がコンソール市場の下げ止まりの年になってくれることを期待しましょう。ところで、国内のコンソール市場のほかに目立ったデータはありますか?

平林:やはり、スマホゲーム。モバイルゲームの市場はとんでもない規模になってしまいました。2016年の日本国内市場はついに1兆円を越えて1兆1698億円になりました。2015年が9450億円でしたので約23パーセントも伸びました。

安田:日本だけではなく世界規模でも伸びていますよね。


平林:はい、アジア、北米、欧州など全地域で伸びています。特に中国市場が大幅増で1兆8736億円に達しました。アメリカが日本とほぼ同規模の1兆1360億円。日米中の3か国が1兆円を超えるビッグ3のマーケットです。韓国、台湾、香港の市場もかなりの規模なのでアジアのモバイル市場は3兆5835億円で、これは全世界市場5兆6761億円の63パーセントになります。

安田:それにしても巨大市場に成長しましたね。

平林:はい。ですが、意外と規模が小さいのが欧州でイギリス、フランス、ドイツ……ヨーロッパ各国の市場を合計しても6195億。日本・アメリカ市場の約半分ほどです。

安田:コンソールは北米・欧州の市場が大きくて、モバイルはアジアの市場が大きい。双方の差がよりくっきりしてきた印象がありますね。

平林:そのコンソール市場ですが、気になることがありまして北米、特にアメリカ市場ですね。今まで安定成長をしてきたアメリカ市場ですが、2015年から2016年にかけて大きく市場規模が縮小しました。ゲーム専用機のハードとソフトを合わせた市場が1兆2259億円から8897億円になりました。27パーセントほどダウン。株式ニュース的に言えば、過去最高の下げ幅です。

安田:そこまで落ち込んだんですか?

平林:はい。コアゲーマーへの需要が一巡して市場が飽和した2000年頃の日本市場に似ているかもしれません。

安田:コンソール市場とモバイル市場、全体像が見えてきました。ところで、ゲーム白書は市場全体の統計でユーザー属性については掲載されていませんが「誰がゲーム購入しているか?」を想像することはできませんか。

山﨑:どんな想像ですか?

安田:たとえば、日本でも世界市場でも伸びているモバイルゲーム市場ですが、女性ユーザーが増えていそうですよね。

山﨑:あ、わかります。私の姉もコンテンツの消費にお金をかけています。きわめて少数サンプルの例ですが(笑)。

安田:あと、コンソール市場ですが、僕が気にかけているのは世代別の動向ですね。ゲームにお金を使う世代が、年々上がってきているように思えるんです。ハードコアゲーマーの高年齢化というか。たとえば40歳代の人が新型ゲーム機をまっさきに購入して、週末にはどっぷりゲームにハマることが全然珍しいことない。いや、むしろ見慣れた光景ですよね。

山﨑:そうですね。スーパーファミコンミニが欲しい。『スターフォックス』が懐かしいって言えるのは、かなり上の世代の方たちですよね。


安田:はい。そういう世代の方たちがゲームに可処分所得を投じてくれています。そういう世代の方たちが市場を支えてくれています。反面、コンテンツをフリー(無料)で遊ぶ習慣が身についているからでしょうか、昔はゲームユーザー像の典型だった10歳代、20歳代の若者が意外とお金を使ってくれません。そんな世代ごとの違いを感じるんですね。

山﨑:つまり、高額を惜しみなく支払う大人と、無料で遊ぶ若者に分かれてきているということですね。確かに、そんな印象があります。若者属性の人たちのなかには、「見る専」のゲーマーや無料の漫画アプリも増えてきていますし。若者にとって、「無料」が普通になってきているのかもしれません。

安田:というわけで、『スプラトゥーン2』や『ドラゴンクエストXI』は幅広い世代から支持されるわけですが、全体的な傾向として高年齢化したゲーマーの皆さんに支えられたゲーム市場。そして、無料で遊ぶ若者が世界中にたくさんいて市場統計にはカウントされませんが、ゲーム文化は着実に大衆化が進んでいる、とポジティブにとらえることにしますか。

山﨑:きれいにまとまりまして、今回は他のメディアにはないゲーム市場の分析ができたように思えます。ありがとうございました!
《平林久和》

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