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【特集】『GUILTY GEAR』石渡太輔氏x「楽園追放」水島精二監督対談―3DCGだからできたことと、CGでは再現できない「魂の部分」とは

「まるで2Dアニメーションのような3Dグラフィックス」―日本最大のゲーム業界カンファレンスCEDECにおいてビジュアル・アーツ部門のアワードを受賞するなど、業界内外のトップクリエイターから高い評価を受けた『GUILTY GEAR Xrd』の3DCG技術。

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◆3DCGではいまだ到達できない「魂の部分」



――3DCGならではの演出やワークフロー、利便性と弊害と、様々な内容をお伺いして来ましたが、「今まで手描きで出来ていて、3DCGではどうしても再現出来ない」という部分があれば教えて下さい。

石渡氏:それはいくらでもあります。手で描いたものは、それがどう動いているかの知識がない方でも、100%感動が伝わると思うんです。昔で言うと「AKIRA」という映画の序盤でビル群が3DCGみたいにがーっと動くシーンがあるのですが、あれは今見たらぎょっとすると思うんですよ。

あと未だに記憶に残っているのは、鉄雄の手がぐしゃってなっていくシーン(力を使い過ぎたことにより、片腕が暴走するシーン)。これを今の3D技術で近いことやっても、絶対にこんな記憶の残り方はしないだろうなって。おそらく、そういう「人間の魂」に由来するような部分の表現っていうのは、3Dで出ない部分が多分あると思います。

水島氏:不定形なものの表現が難しいと思っています。「楽園追放」では、煙の表現に苦労しました。煙に芝居をさせようと思っても想定通りに動かない。なので、煙が具体的な芝居をする所、例えば、爆破されたビルの煙の中からディンゴ(楽園追放の登場人物)がバギーで出てくるシーンは作画です。そこにはいかにも覆い被さるような粘度の高い煙が必要だったんですけど、下に行った煙が上に巻き上げられて次々に奥から押し出されていくという演出は、3Dで制御するのは難しく、作画でやった方が圧倒的に意図通りの画が出来ます。

あとは純粋に作画力というか、ものすごく歪んでいる絵など圧倒的なイマジネーションを感じる手描き絵って、やっぱり魅力がありますよね。

――不定形なもの、そして魂に由来するものなど、やはり有機的な揺らぎのある表現は手描き特有の魅力があるのですね。最後にお2人にお伺いします。これまでのお話の総括として、「CG表現を使った今後のゲーム、アニメの展望」についてお伺いさせて下さい。

石渡氏:僕らは当初、誰もこういったもの(『GUILTY GEAR Xrd』のストーリーモード)が出来るなんて思っていない段階で企画を進行しています。だから僕ら自身は、これからも本当に好きなようにやっていくと思っています。

水島氏:「GUILTY GEARシリーズ」のように少人数の同じチームで継続して作るのであれば、飛躍的な進化よりは、経験を積んでいく中で新たな表現を見つけ出す、みたいな形になるのかなと。そういうのって大きいプロジェクトではなかなか出てこない変化だと思います。資産を生かして新しいものを作るための創意工夫から、新たな技術が生まれてくる形。作品を作ってる間でもそれがあったみたいだしね。

石渡氏:そうですね、今だってたくさんあります。

水島氏:それによって、我々アニメ畑の人間が何工程も使って達成しているようなことが、実は2工程くらいで済むようになったりするかも知れない。スクリプトで制御するっていうのも、ゲーム業界だから出てくる発想でしょうし。

あと、僕らは僕らで、3Dアニメがこの先どうなって行ったら良いのかということを良く話すんだけど、やっぱり「今までなかったような新しいルック(映像作品全体のビジュアル的印象)」というものが生み出されないと、日本のアニメーションシーンは海外と肩が並べられないとは思っていて。不思議なことに、スーパーアニメーターが作ったカットの方が、3DCGでどんなに頑張ったカットよりもエモーショナルなんですよ。3Dは加工して多少変形もするから色々出来ることが多いのですが、アニメーターが脳内で考えたものを具現化して、1本の線を引いた時に生まれる圧倒的な生き物感、魂が込められたものは画面にものすごい力を与えるので、恐らく同じことを3Dでやっても勝てないんです。

だから、密度の問題とかも含めて、「これぞ3Dだ!」っていう表現、実写でもない、ディズニーがやっているようなトゥーン風の感じでもない、作画に寄せたセルシェーダーでもない、「第四のルック」みたいなものを目指していくべきだと思っています。でも、それがどんなものなのか俺も分からないまま、3年経ってしまった(笑)。

ただ、3DCGも単純に表現方法のひとつなので、今後は一つのアニメの中に作画と3Dとフラッシュが全部入ってきて、もっと混在一体化していくのではと思います。そこからまた新たなスタイルが生まれたり。そのころまで俺が生きているかは分からないですけど。

石渡氏:いつの未来を見ているんですか(笑)。

水島氏:もう歳だからさ(笑)。未来は未来だけど、それが実現した時、俺はいない確率高いよ。

石渡氏:電脳化されているかもしれないじゃないですか!

(一同笑)

水島氏:でも、自分たちの作品で描いたようなことが実現してたりしてね。なにかブレイクスルーが見付かると急激に進歩するから、そういう場に立ち会えたらいいなとは思っています。ただ結局、社会的にも合理化が進む中、みんな技術者が考える効率化の外の部分にエモーショナルな感情を抱くと思うんです。さっきの魂の話じゃないけど、みんなそこにはみ出たいんだなって。


《神山大輝》

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