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【特集】中二全開のVR剣戟ACT『CIRCLE of SAVIORS』に脱帽、「やれば分かる」の概念がぶち壊れる

 

ゲームビジネス VR
【特集】中二全開のVR剣戟ACT『CIRCLE of SAVIORS』に脱帽、「やれば分かる」の概念がぶち壊れる
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時はVR元年――世界中の企業が持てる最先端の技術を手に鎬を削っている群雄割拠の時代に突入しています。そんな中、VRゲームのレベルをぐっと押し上げそうな作品が登場しました。それが全身を使って剣戟アクションをするVRゲーム『CIRCLE of SAVIORS』です。

今回は、本作の開発を行っているPDトウキョウにお邪魔して『CIRCLE of SAVIORS』を体験し、開発の過程や今後の展開などのお話を聞いてきました。

企画・編集:栗本浩大(@koudai5511
文:傭兵ペンギン(
@Sir_Motor

◆画面を通すことでプレイヤーが何倍にもかっこ良く見える




プレイフィールドにはグリーンバックが貼られており、手前にはTV局などで使用されているカメラが。プレイヤーは2つの「HTC Vive」モーションコントローラーを握り、それぞれを剣と盾に見立てて“迫り来る敵を剣で切り伏せながら敵の攻撃を盾で防ぐ”といったアクションを行います。さらに音声認識もあり、両手を上げて呪文を叫ぶことで、魔法を発動させて敵を一掃することもできます。


この手のゲームは過去にもありましたが、本作では剣と盾を別々に動かすことができ、そして何より、剣や盾を激しく動かしてもまったく遅延しないことに驚かされました。なんでも処理をソフトではなくハード上で行うことで、ズレのない映像を実現しているんだとか。違和感がまったくないので、VR空間に完全に入り込むことができます。


また難易度も絶妙で、操作自体は剣と盾を振り回すだけですが、一定の空間の中を歩き回れるので、どこまで踏み込んで切り込むかなどの間合いの読みも必要ですし、敵の出現位置と進行度を把握し、敵が接近するルートと時間の計算も重要な要素に。そしてなにより頭で思い描く通りに身体を動かす難しさを改めて実感しました。一人称視点のゲームには慣れていたつもりですが、とりあえず「今までゲームで学んだことは全部忘れるんじゃ!」「これはスポーツじゃ!」と心の中の老師匠の声(幻聴)が聞こえてきそうなくらい、求められるものが違います。なので何度も遊びたくなり、リプレイ性も抜群。

今回は特別に「TGS2016」バージョンをプレイしましたが、このバージョンでは巨人が登場。踏みつけ攻撃を回避しながら、剣で切っていくボス戦のステージも合わせて遊ばせていただきましたが、巨大な足が迫ってくる凄まじい迫力を感じることができました。



しかし、やはり最大の魅力はリアルタイム複合現実技術。これはVR空間と現実のプレイヤーの姿を合成し、第三者視点の映像をモニターに映すというものです。VRゲームに、TV番組等でもお馴染みの「バーチャルスタジオ」の技術を組み合わせることで、遊んで楽しく、見てても楽しいというゲームを実現しているというわけです。


これまで多くのVRゲームは「やればその凄さが分かる」と言われ続け、その没入感を言葉や文字で伝えるのは困難でした。また動画で伝えるにしても、プレイヤーのリアクションを映す程度の手法しかありませんでした。ところが、この方式なら臨場感のある形で楽しさを伝えることができ、なにより画面を通すことでプレイヤーが何倍にもかっこ良く見えるのです。 また、遊ぶまでに待っている間に退屈しないという利点もありますね。


実は、このゲームを作ったPDトウキョウは、ゲーム製作だけでなく、多くの有名TV番組にCG素材を提供し、コンテンツ制作も行っている映像制作も行っている会社。しかも長年VRのシミュレーターや体験型コンテンツの制作にも関わってきていたのだとか。そんな放送機材への知識とVRコンテンツでの経験値が合わさって、このように驚きのVRゲームが誕生したようです。

正直言って、以前の予告動画を見た時は「凄いけど、軽く加工はしてるんでしょ?」なんて思いながら体験に挑みましたが、混じりっけ無し映像そのまんまな迫力と感動が味わえました。そこで、こんな凄まじいゲームをいきなり出してきたPDトウキョウの代表取締役社長の谷川高義氏にインタビューを実施。気になるところを聞いてみました。

◆VRは体験させるだけではなく、見せることも考えていかないと面白さが伝わっていかない



開発メンバーの皆さん。左から3番目が谷川氏

――そもそもなぜ、VRでゲームを出すことになったんでしょうか。

谷川:HMDを使ったVRシミュレーターを作った時に、HMDをつけている人以外がしらけてしまうという事を感じたのが一つのきっかけですね。当社は元々TV業界との仕事が多く、ダンジョン的なものを探索する番組企画などを全面的に担当したこともあり、放送機材にも慣れ親しんでいるので、リアルタイムで合成し画面に映すゲームを作ろうということになりました。

VRは体験させるだけではなく、見せることも考えていかないと面白さが伝わっていかないと思います。例えば、TVで取り上げてもらうにも今の多くのVRコンテンツはいわゆる「取れ高」が悪いんですよね。面白さを画面上で伝えるのが難しい物ばかりだと思います。

要するに今回のゲームはコンテンツとしての面白さを伝えるという部分をなんとかしたいという思いで始まったものであり、VR業界全体への警鐘でもあります。ゲームとしては、剣と盾と魔法で大暴れという中二病全開で行こうというコンセプト始まったソフトですね(笑)

――いわゆる「VR酔い」を感じない所にも驚きました。どうしてあれだけ動いても気持ち悪くならないんでしょう?

谷川:これまで体験していただいた方たちからもVR酔いをしたという話は一切出ていないですね。身体に無理をさせてないからだと思います。ハードの仕様を超えた無理をせず、プレイヤーの認識能力以上のことをさせないので、VR酔いを誘発する要素が排除されています。

――開発期間はどれくらいですか?

谷川:今使っている「HTC Vive」が届いたのが今年のゴールデンウィーク明けごろだったので、前身となるゲームが一応有りましたが、数ヶ月ですね。

――今後はどんなものを導入する予定ですか?

谷川:背後に敵が来ると声がするなどの表現を東京ゲームショウ版では導入予定です。他の要素もどんどん入れたいのですが、やれる範囲から徐々に広げていこうと考えています。


――武器や魔法のバリエーションは増えていきますか?

谷川:武器は巨大な両手剣だったり、二刀など、魔法も杖から出すバージョンなどいろいろテストはしています。プログラム的にはいろいろできるのですが、ゲーム的に面白くなるかどうかが重要だと考えています。

例えば両手剣は今の剣を両手剣に置き換えても、ただリーチが長くて楽になるだけで、つまらないんです。普通のゲームだと両手剣は重いので振るスピードが遅い代わりに攻撃力があるというような設定がされていますが、今のままでは有利すぎてしまう。コントローラーを重くするなんていう手はあるかもしれないですね。今までのゲームの常識が通用しないので、その辺を探り探りで進めています。

本当にやりたいことはいっぱいあって、中二病全開でやっていきたいのですが、これ以上新要素を入れても複雑になりすぎて初めてプレイする人が対応できないというのが壁となります。

そしてチームの人数が少ないので、新要素の準備はできているものもたくさんあるのですが、パラメーター調整とかに時間がかかるので、まだそちらに時間が割けていないという状況です。

――今後の展開はいかがでしょうか。

谷川:アミューズメント施設への導入などのコンテンツを届ける方法を模索しています。ただ正直な所、東京ゲームショウに向けての開発で手一杯でそちらの方面まで手が回っていないのが現状です。東京ゲームショウ以外にも体験会を、都内に限らず今後も続けていきますので、ぜひ一度このゲームに触れてみていただきたいですね。そしてそこで得たデータで改善を続けていきます。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

今まで様々なVRゲームを経験しましたが、ここまで没入感があり、遅延もなくスムーズで、なにより熱くなれる度合いでは個人的にはベストを更新する作品でした。しかも、見ていて楽しいという新しさも素晴らしい。今後のVRゲームのあり方にも大きく影響を与えるものとなる予感がします。

そんな『CIRCLE of SAVIORS』は、9月15日から18日に渡って行われる「東京ゲームショウ2016」に出展予定。ちなみにゲームショウではコスプレ優先列が用意されるということなので、大好きなキャラクターになりきって足を運んでみることをオススメします。きっと画面に映ることでかっこよさが倍増するはず(スクリーンは緑色なので衣装は緑以外がよいでしょう)。

また10月1日には、ドスパラ秋葉原本店にて、第2弾となる体験会も開催。TGSに行けないという方はこちらで体験してみると良いでしょう。
《傭兵ペンギン》
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