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【インタビュー】神前×広川×高橋のMONACAチームが「モンスト」アニメの劇伴を語る…カッコよく、スタイリッシュに

その他 アニメ

iOS/Android用ゲームアプリとしてメガヒットを記録している『モンスターストライク』(『モンスト』)。そのアニメ作品『モンスターストライク』(『モンストアニメ』)が2015年10月よりYouTubeにて配信中だ。
ゲームシステムを取り入れつつ、オリジナルストーリーが展開されるバトルアニメーションとなっている。その『モンストアニメ』が3月より新章(15話~)に突入、現在30話(7月8日時点)まで配信済みだ。新章では作品全体を刷新。アニメーション制作のスタジオ雲雀とウルトラスーパーピクチャーズ、監督の市川量也、脚本の加藤陽一などはそのままに、それまで作画だったモンスターをフルCGにするなど、より迫力を増したバトルを繰り広げている。
また新章へ移ったタイミングで劇伴をMONACAの神前暁、広川恵一、高橋邦幸が担当。スリリングなバトルシーンをはじめ、幅広い音楽で作品を彩っている。
この度、アニメ!アニメ!では、新たに音楽創作で作品加わったMONACAの3人にインタビューを敢行。本作におけるMONACAチームの役割や作曲時の工夫、そして曲作りにおける考えなどを聞いた。
[取材・構成=細川洋平]

モンストアニメ(アニメ モンスターストライク) 公式サイト http://anime.monster-strike.com/
毎週土曜19時に最新話配信中

■ 「カッコよく、スタイリッシュに」な音楽で

―― 15話から神前さんと広川さん、17話からは高橋さんを加えてMONACAチームで劇伴を担当されています。そもそも今回担当するに至った経緯はどういうものだったのでしょうか。

神前暁(以下、神前) 
ウルトラスーパーピクチャーズの平澤(直)プロデューサーからお話をいただいて、というところです。作品は15話から新章になるんですけど、そのタイミングで「作品全体年齢感を上げたい」という意図があったようで。話し合いでも大胆な変化を出したい、とおっしゃっていました。音楽としては「カッコよく、スタイリッシュに」という命題をいただきました。
最初は私に話をいただいていたんです。が、カッコいいものを作ると言えば高橋(邦幸)と広川(恵一)の2人かなと思って声をかけてチームでやっています。

高橋邦幸(以下、高橋) 
僕は17話からの参加ですが、「やってもらうかも」と聞いていたので、「ぜひやりたい!」という気持ちでした。

―― 一方、広川さんは新章の最初(15話)から参加していますね。

広川恵一(以下、広川) 
はい、僕はMONACAではロック担当みたいな部分もありますから。エレキギターやロックドラムの入った音楽を求められているのだろうと。主にそういうところを担当しました。

―― 3人は楽曲メニューから割り振って担当を決めていくのでしょうか。

神前 
こちらからお願いすることもありますし、メニューを見て、やりたい人が手を上げるということもあります。でも3人ともカラーが全然違うので、自ずと担当は決まっていきます。広川はバンドものや打ち込みの尖った音が得意ですし、高橋はTVドラマやバトルもののアニメのような今っぽい尖ったオーケストラ系が得意。そういうものはやっぱり彼らに任せます。僕は残ったところ、隙間を……(笑)。

高橋 
いやいや! メインどころですよ(笑)。


―― 劇伴を作る際、最初にメインテーマや柱になる曲を作ってから作品の雰囲気を作っていくことが多いかと思います。3人の場合はどのように進められたのでしょうか。

神前 
ゲームに入っていた曲のアレンジの一曲が実質メインテーマになった感じです。やっぱりみんなが知っているメロディーですし。

高橋 
まずはその曲ありきでしたね。最初から存在感もある曲だったので。


―― ユーザーが親しんでいる曲がある中で、アニメ用に新しく曲を作るにはどのような工夫をしましたか?

高橋 
アニメ自体もバトルシーンが多いので、そこはゲームっぽくテンションの下がらない様にすること。それから戦うのは人対人なので、ロボットや兵器をイメージさせるミリタリー系の曲はやめようと意識はしました。やっぱりバトルは気を遣いました。

広川 
アニメ本編が1話10分くらい、その中に起承転結があるので日常パートもシーンの切り替えが多いんですよね。だから曲頭からどういう曲か分かるようにコンパクトに展開する必要があります。

神前 
本編の使われ方も大胆に気持ちよく切り替わって行く感じだよね。

高橋 
そうですね。僕の曲は尺の長いものが多いですが、それぞれの曲の中にいくつも明確な展開を入れて作るようにしました。出来上がったものを観させて頂いて、「よく合わせてくれているなあ!」という気持ちになりました。

神前 
さすがといった感じで、セリフの決め所とかうまくポイントで合わせてくださっていますね。

■ モンストはやっぱりビッグなコンテンツ

―― みなさんが特に「この曲はうまく行った」「これは聞いてほしい」と実感されている楽曲を教えていただけますか?

神前 
やっぱりゲームから使われている曲ですね。アレンジさせていただいたんですが、うまく行ったと思います。

高橋 
そうですね。劇伴として作った曲とはそもそもメロディーの質も違って。

神前 
その上、主張も違う。劇伴の曲は後ろに行きがちですが、ゲームの曲はすごく主張があるのでメロディーも立っている。本編で流れるとやっぱりいい意味で強いんですよ。

高橋 
来た! って感じになりますよね。

広川 
僕はオラゴン(主人公のパートナーモンスター)担当というくらいオラゴンのテーマ曲をいくつか作ったんですけど、それはうまく行ったかなと思ってます。オラゴンって自分ではカッコつけてるつもりだけど、客観的にはギャグ担当みたいな立ち位置なんですよね。でもギャグに近づけて軽い曲にすると「カッコいい、スタイリッシュ」という全体のイメージから離れてしまう。だからトータルで聞いても違和感がないようにバランス取りは工夫して作っていきました。

神前 
曲だけ聞くとカッコいいんだよね。面白い曲だなあ、いいところに落としてくれたなあと思います。


―― 逆に苦労した、時間が掛かったというのはどういう曲でしょうか。

高橋 
単純にバトルのオーケストラ系ですね。バトルは音の数も多くカロリーがとてもので。それから先ほどの内容と被ってしまいますが、ロボットではなく人が戦う作品なので、スケール感には気を配りました。

―― スケール感と言いますと?

高橋 
例えば、優勢になるときのギターのカッティングから始まる楽曲があるのですが、場面に付けられるような壮大な音楽ではなく、もっと対象に近づいた、人間の心情に寄っている音楽になるように調整しました。

神前 
僕はバトルと日常半々くらい担当しましたが苦労したのはバトル曲と、後は何と言っても最初の部分です。全体の佇まいをどうしようか、実際に手を動かす前のアイデア出しが一番悩みました。

―― 素朴な質問ですが、作曲をする際「MONACAだから」と、ある種の個性を意識する部分はあるのでしょうか。

神前 
いや……、そういう思いは特にないかも知れません。

高橋 
MONACAだから、という意識よりまずは作品ごとに、いただいた資料を見てどうしたらいいかなと毎回考えていますね。

広川 
個人的にはポイントを押さえつつ、遊べたらいいなと思いながら作ってはいます。特に今回、僕はそういうことが可能なポジションだったのもありますが。

―― 広川さんは出せたポジションだったとの話ですが、例えば淡々と「ポイントを押さえて作る」中でも、作り手の個性がにじみ出るではないかと思います。

神前 
そこですよね。出来るだけいいものを作って、それでも出てしまう手癖のような部分が蓄積していくと、それが個性になると思います。

高橋 
特に劇伴は、色々な作品の世界観に合わせて作る中で、徐々に作曲家の個性が出来てくるという認識が僕らにはありますね。


―― ありがとうございます。劇伴として関わる前、お三方は『モンストアニメ』についてはどのような印象を持っていたのでしょうか。

神前 
正直それまで見たことがなかったんです。ただ、名前は知っていましたし、ゲームがビッグコンテンツであることも知っていました。実際にアニメを見て「これがモンストか」と納得しました。

高橋
僕もそれまで見たことはなかったんですけど、ゲームも知っていましたし、14話まで劇伴を担当されていた坂本(英樹)さんの音楽は違う作品で聞いていました。ので、続きを作らせてもらえるならぜひやってみたい、という気持ちでした。

広川 
身近ではMONACAの社員の子どももすごく『モンスト』に夢中になってると聞いたので、「やっぱりビッグコンテンツなんだ」と思ってました。



■ 50分スペシャル「マーメイド・ラプソディ」も決定

―― 実際に本編をご覧になった感想を教えてください。

神前 
ビックリするくらいクオリティーが高いなあと思いますし、時事ネタや流行りネタをぶっ込んでくるギャグが好きです(笑)。

高橋 
隙あらば入ってきますよね(笑)。劇伴で言えば、新章以前の曲と僕たちが作った曲がキレイにグラデーションして、徐々に入れ替わりながら話数が進んでいきましたね。

神前 
僕もそこはいい意味で安心しました。スムーズな変化だったと思います。

広川 
本編自体は盛り上がりどころと抜きどころが絶妙の配分で、劇伴もうまくハマってるし、一生懸命作ってよかったなあと思いました。


―― ありがとうございます。最後に本作の劇伴制作を振り返っての感想を聞かせていただけますか?

広川 
作ってる最中はすごく悩んで大変でしたが、終わってみたら「やれてよかった、楽しかったな」と思っています。新しい音楽を作れた実感がありました。

高橋 
担当する人数が多いとバランスを考え自分に割り振られた楽曲数の中でできる内容を取捨選択する場合も多いのですが、今回は担当楽曲数もそれなりにあるので、アイデアも次々に出てきて本当に楽しく作れました。

神前 
今回はかなり自由にいろいろやらせていただいて、劇場作品に近いような、生楽器をたくさん使った編成でレコーディングをすることができました。とてもいい経験が出来ました。
またチームとしても、それぞれの得意なところを引き出せたし、尖ったカッコよさといったものも出せたと思っています。1人では出せないものでもあるので、分担をうまく活かせたと思います。

[モンストアニメに夏のスペシャル版]
いつもよりたっぷりの約50分!8月14日19時に、YouTubeチャンネルにて配信

アニメ『モンスターストライク』は、通常は1話約7分で構成されている。スピード感のあるアクションが魅了だ。しかし、これがさらに長編になったら?そんなファンの期待に応えるスペシャル版の配信が決定した。8月中旬に、YouTubeチャンネルにて配信されるエピソード「マーメイド・ラプソディ」である。
いつものスピード感、アクションもそのままに、ドラマもたっぷりに展開する。花澤香菜がキャストを担当した謎の少女キスキル・リラを中心に、陰謀に巻き込まれてゆくレンの心の葛藤などが描かれる。

そんな「マーメイド・ラプソディ」の音楽も、もちろんMONACAチームが担当した。長尺といつもと違う構成の本エピソードについて、高橋邦幸にコメントをいただいた。

―― 作曲で意識したこと
「普段のモンストアニメに比べ、各キャラクターの気持ちの描写が多くなっていて、新規で作った音楽についても、より劇伴らしいと言いますか、静かに空気感を演出するものが多くありました。
また、今回はアフレコ済みのコンテムービーを最初にいただいて、実際に音楽が流れる場面の雰囲気を感じつつ制作できたので、声優さんの演技の邪魔もせず引っ込み過ぎず…というバランスを強く意識していました。」

―― ここを聞いてほしい!というポイント
「今回は、同じメロディを色々な楽曲の中にアレンジして紛れ込ませていて、特に最後の場面で「あぁこの曲か…」と思ってもらえたら大成功かな?と思っています(笑)」

カッコよく、スタイリッシュに 神前×広川×高橋のMONACAチームが「モンスト」アニメの劇伴を語る

《animeanime》

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