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【特集】みんなそれぞれのポケモンの思い出(4)「『ポケモン 緑』に魅了された"みらいのチャンピオン"」

『ポケモン』の思い出を語る上で、まずは世代をはっきりとさせねばなるまい。筆者は、30代前半。初代『ポケットモンスター』の赤・緑が発売された頃は中学生だったと記憶している。

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『ポケモン』の思い出を語る上で、まずは世代をはっきりとさせねばなるまい。筆者は、30代前半。『ポケットモンスター 赤・緑』が発売された頃は中学生だったと記憶している。中学生の頃は家庭の事情でテレビを使ったゲームができず、携帯機ばかりを遊んでいた。当然ながらゲームボーイはフル稼動。後に名作と言われるRPGは、ゲームボーイでもすでに多くリリースされていた。

ゲームボーイのRPG狂いで単三電池を消費しまくり(後に充電池に移行)、次の作品を、と追い求めていた頃に飛び込んできたのが『ポケットモンスター』の情報である。当時は気軽にソフトが買える経済状況ではなかったが、シンプルながらインパクトもあるパッケージデザインはもちろん、2種類の異なるバリエーションが店頭に並んでいる様子は新鮮で、中学生の筆者の心をつかんだ。指をくわえてお小遣いが貯まるのを待っていると、周りのさほどゲームに関心のない人らも『ポケモン』をすでに購入し始めていた。「俺が初めに見つけたのに…」得てしてこういった感情を抱いてしまうのは、マイノリティを好む人間の性。ようやく購入の目処がついた頃、『ポケットモンスター 赤』が周りに蔓延していたことで、筆者は迷わず『ポケットモンスター 緑』を選択し、ついに冒険を始めることができた。

 
筆者が選択した『ポケットモンスター 緑』とそのパッケージを飾るフシギダネ


フシギバナが鎮座するパッケージデザインは、今も心が躍る。オーキド博士からもらったポケモンも、もちろんフシギダネ。中学生だった頃の筆者なりの攻略方法としても、フシギダネの選択は間違っていなかったと言えよう。様々なジムリーダーと戦うことも目的とされている本作、はじめにぶち当たるジムリーダーはいわタイプポケモン使いのタケシだったが、くさポケモンの活躍は目覚しかった。フシギダネが容易にレベルアップを果たし、その後の冒険もスムーズに進んだ記憶がある。

今やアニメなどの影響により、様々なキャラクターが個性を持つ『ポケモン』シリーズだが、当時のポケモン内で個性際立つキャラクターは少なかった。前述のオーキド博士やライバルなどは、その数少ない固有キャラの主だったものであったが、筆者が個人的に気に入っていたのは、各ジムの前にいるおじさん。プレイヤーを「みらいのチャンピオン」と呼び、ジムリーダーを撃破すると、ジムの出入り口に自分の名前を刻んでくれるおじさん。本当は、あの世界で起こっている様々なことを目の当たりにしているであろうこのおじさんは、余計なことは言わずただただ主人公を「みらいのチャンピオン」と呼び、ジムに迎え入れてくれる。

『ポケモン』がその魅力を大いに含む理由は、このおじさんに秘められている、と筆者は思う。ロケット団の野望の阻止が求められながら、150匹のポケモンを集めるというオーキド博士からの指令、そしてチャンピオンになるという複数の目的を課せられる本作は、見方を変えると多角的な遊びができる、とも捉えられるのではないだろうか。そしてこのおじさんは、チャンピオンになるための道しるべを静かに提示してくれていた。ゲーム中のキャラクターも、チャンピオンへの憧れはあれど、どのようなポケモンを持っているかといった話題や、ロケット団の暗躍に困っているといった話題に終始。しかしながらその両方よりも、トレーナーの道を極めてほしいという願望のもと、一定のスタンスで主人公を毎回迎え入れてくれていた。そう感じ取ったのが中学生の頃の筆者である。

あの世界に潜むワクワクする謎やポケモン交換の魅力、ポケモンセンターのホスピタリティまで語ることは沢山あるが、ここまでですでに長い駄文に付き合って頂いているのすら恐縮なので、ここで筆を置くことにする。先日ポケモンが発売から20年と聞いたとき、時間の流れの速さを感じたが、今プレイしてもきっと「みらいのチャンピオン」としてあの世界を楽しめるであろう、と考える。
《半蔵》
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