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【俺の電子遊戯】第9回 セガファン晴れのち豪雨―『テトリス』ブームと幻のメガドラ版

年明けに昭和天皇が崩御され、昭和から平成になった1989年。愛読していたビデオゲーム情報誌「Beep」が89年1月号で行ったリニューアルから誌面に独特の熱気が消え、同年6月号で誌上で宣言を行いそのまま休刊してしまった。

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    73年生まれ。インベーダーが日本中を侵略した頃、小学生だった筆者の目に映ったビデオゲームは間違いなく「未来へのパスポート」だった。その魅力に取り憑かれ、気づけば不惑の40代となったオッサンが、ビデオゲームと共に過ごした30年を語る連載。前回の記事はこちら

昭和から平成へ、総合誌Beepの休刊

年明けに昭和天皇が崩御され、昭和から平成になった1989年。愛読していたビデオゲーム情報誌「Beep」が89年1月号で行ったリニューアルから誌面に独特の熱気が消え、同年6月号で誌上で宣言を行いそのまま休刊してしまった。その後、出版元は各ハードの専門誌を刊行するとのことで、メガドライブの専門誌である「BEEP!メガドライブ」を刊行。しかし、家庭用、アーケード、PCとすべての情報や開発の現場、ハードの解説、ゲームミュージックへの誘いなどディープな情報を毎月届けてくれ、私のバイブルとなっていたあのBeepは失くなってしまった。ゲームの情報を得るには雑誌しかなかった時代、ゲームセンターでプレイしたゲームと、Beepに書かれていた情報が私のゲーム脳を作っていただけに、Beep休刊はこの年一番のショッキングな出来事であった。


社会主義国ソビエトから届いたパズルゲーム

この時期、私が…というより、日本中がハマっていたゲームといえば、パズルゲームの金字塔『テトリス』だ。パソコン版で人気を博し、88年の暮れにファミコン版、それに続いてアーケード版がリリースされた。私が特にハマったのはセガがリリースしたアーケード版の『テトリス』だった。操作レスポンスの良さ、ブロックが重なる際に起きるスベリ、一定のレベルで早くなるだけだったブロック落下のスピードが遅くなり息抜きが入るゲームの緩急、細かいチューニングがプレイをしていて楽しかった。慣れてくるとワンコインで長時間プレイでき、修練度が手にとってわかるのも心地よかった。

『テトリス』の家庭用ではファミコン版を始めにプレイしたのだが、操作方法がアーケード版とは違っており、特に回転のボタンが十字キーの下に割り当てられたのはプレイ中に違和感があり慣れが必要だった。25ラインを揃えるとクリアというルールが、アーケード版であったエンドレスで自分の限界に挑戦するプレイ感が無くなっていたのは残念であった。家庭用でもアーケード版に近い『テトリス』はリリースされないのか? そう思う私に朗報が届く。メガドライブ用に『テトリス』が発売されると、アーケード版ソックリのゲーム画面と共にBeepに掲載されたのだ。

当時ただでさえゲームの少なかったメガドライブだが、アーケードの人気アクション移植作『獣王記』、セガの看板RPG最新作『ファンタシースターII』がすでにリリースされ、発売予定には、野球の『スーパーリーグ』、シミュレーションの『スーパー大戦略』とバラエティに富んだタイトルが予定され、そこに人気のパズルゲーム『テトリス』が加われば鬼金棒、一気にメガドライブへと家庭用ゲーム機の世代交代が行われるのではないか? とセガファンだった私は胸踊らせその発売日を待った。


メガドライブ版『テトリス』

記事に書かれている発売日は4月15日。半ドンの授業を終え、学校からおもちゃ屋へ自転車で直行、ゲーム売り場にあるガラスのショーケースを覗きこむも、そこにはメガドライブ版『テトリス』の姿は見えない。店員に「メガドライブの『テトリス』はないのか?」と聞いてみるも「今日発売のタイトルにはない」との解答。「発売延期になったのかな?」そう思いながらその日はズコズコと自宅に戻った。その後も何度かメガドラ版『テトリス』目当てでおもちゃ屋に通うも、その姿を見ることはなかった。メガドライブ版テトリスは、発売延期ではなく発売中止と知るのはさらに数ヶ月後のことであった。


君とならどこまでも「ゲームボーイ」誕生


丁度この頃、家庭用ゲーム機にまた新たな風が吹き込まれる。任天堂から携帯用のカートリッジ交換式ハード「ゲームボーイ」が4月に発売されたのだ。モノクロの液晶画面ながら、ファミコン同等の性能を持ったゲームボーイは、私たちゲームマニアや、私よりもう少し下の世代にウケていた印象だった。私の周辺では同級生ではゲーム好きが一部所有しているだけだったが、私より3つと5つ学年が下の弟たちには、ド・ストライクだった模様で、翌年のお年玉でゲームボーイ本体と『スーパーマリオランド』『テトリス』を購入していた。特に『テトリス』は、ゲームから離れつつある高3の兄もハマり、久々に兄弟が同じゲームに夢中になったタイトルでもあった。

俺と『テトリス』と今

四半世紀以上前のタイトルで、今もなプレイヤーを夢中にさせる『テトリス』。私もこの記事を執筆するため、久々にゲームボーイ版『テトリス』をプレイしたが黙々とスペースシャトルが発射されるまでプレイし楽しんだ。幻となったメガドライブ版も2006年、PS2用にリリースされた『SEGA AGES 2500シリーズ Vol.28 テトリスコレクション』に収録され、当時の騒動にケリをつけたかたちとなった。私とって『テトリス』はアーケード版での大成功からメガドラ版の発売中止と心に残るタイトルとなったのであった。

記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》

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