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【俺の電子遊戯】第8回 時代が求めた16-BIT「メガドライブ」がやってきた!

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    73年生まれ。インベーダーが日本中を侵略した頃、小学生だった筆者の目に映ったビデオゲームは間違いなく「未来へのパスポート」だった。その魅力に取り憑かれ、気づけば不惑の40代となったオッサンが、ビデオゲームと共に過ごした30年を語る連載。前回の記事はこちら

人生の岐路に立ってみた

1988年の春、地元の高校に進学した私は、将来についての猶予期間を与えられただけだなと、期待に胸膨らます高校生活への突入という感じではなかった。中学生時代、学校での勉強が特に好きだったわけでもなく、好きなモノと言えば、ビデオゲームとおニャン子クラブ、プロ野球、プロレス、各種スポーツ、ラジオの深夜放送ぐらいだった。その中で職業的に意識したものは、ラジオの深夜放送で、時折聞く「放送作家」という職業。ラジオ番組のネタ投稿コーナーにハガキを出し、採用されていた常連投稿者が、ラジオ番組やテレビのバラエティ番組の制作に携わる「放送作家」という職業があると知るが、どうやったらその職に就けるのか、田舎の中学生にその謎は解けず、周囲の「高校ぐらいは出ておけ」という言葉に諭され進学したのであった。


とある高校のゲーム事情

高校生にもなると、周囲のゲーム熱が多少落ちてきていることに気が付き出す。男子しかいない工業高校機械科のクラスでも、高校生になってまでゲームに夢中だったのは40人ほどいたクラス内でも2割程度だった。ファミコンも末期にさしかかり、『ドラゴンクエスト』『スーパーマリオブラザーズ』シリーズなどの大作以外は、クラスメイトの中でも話題にならかなった。友達同士の暇つぶしだと、『ファミスタ』は初代でも、アクションは『スーパーマリオブラザーズ』、シューティングゲームは『ゼビウス』で良かったのだ。一方我々ゲーム好きの連中は、87年に登場した「PCエンジン」の高性能っぷりや、そして88年春頃にはそろそろ登場するのではないか? と噂が流れだしたファミコンの後継機「スーパーファミコン」やセガの最新機種となる「マークV(ファイブ)」の情報収集に雑誌を読みふけり、学校帰りにゲームセンターに通っていた。


ついにベールを脱いだ16bitマシーン、メガドライブ



1988年10月ついにセガの新機種が登場する。「マークV」と呼ばれていた機種名は「メガドライブ」となり、本体に刻まれた黄金の16-BITの文字が神々しいハードが雑誌Beepにて5ページにわたって公開されたのだ。ゲームセンターでの快進撃を続けるセガと、マーク3でセールス的には苦戦をするものの、私のハートを虜にしていたセガが任天堂に先制パンチを放った。任天堂も11月に「スーパーファミコン」の発表会を行い、本体モックアップを公開し翌89年7月発売予定と発表しセガを牽制、PCエンジン陣営は大容量のCD-ROMを拡張デバイスとして12月に発売、ローンチタイトルにはカプコンの『ストリートファイター』を移植した『ファイティングストリート』がラインアップされた。この時期ゲーム好きにとってはどのハードを買うのか悩ましいところではあったが、スーパーファミコンは発売はされるがまだ見ぬハード、PCエンジンは本体が2万円、CD-ROMが5万円と高額すぎて手が出ない。という事情も相まって、89年のお年玉で購入するのは「メガドライブ」ソフトも当時ゲームセンターでプレイしてハマっていた『獣王記』で決まりと、メガドライブを購入する算段をするのであった。


ビジュアルショック! スピードショック! サウンドショック! 

お年玉だけでは心細く、他に資金を得る方法が無いかと思案していた私に、学校公認のアルバイトがあるという情報が入る。通っていた高校では校則でアルバイトは禁止されていたが、年末年始の郵便局における年賀状の仕分けや配達のアルバイトは学校が希望者があれば斡旋してくれると知る。冬休みはメガドラ資金として郵便局でのアルバイトに励み、正月2日の初売りの日、市内のおもちゃ屋に自転車で向かい、メガドライブと『獣王記』をついに手に入れた。


ファミコンよりアーケード版に近い移植が行えるメガドライブ。キャラクターの大きさ、ヘッドフォンジャックが標準装備され、接続するとステレオで響くFMサウンド、すべてがパワーアップされたリッチなビデオゲーム体験が家庭で出来るハードだった。雑誌Beepで知ったモトローラー社の68000+Z80のツインCPUというハード構成。当時アーケードゲームで使用されるCPU68000を搭載することにより、最強のハードなんだ! とCPUのなんたるかなど全く知らないがとにかく凄い! という思いが私の頭の中には一杯になっていた。そのハードが目の前に『獣王記』のカセットと共にある。しかしその日は、祖父の葬儀の日であった。祖父は大晦日に入院先の病院で息を引き取り、私がメガドライブを購入した1月2日に葬儀が自宅で行われていた。親族でごった返す家の中、リビングにあったTVにメガドライブを接続することなどできない。しかし、どうしても今『獣王記』がプレイしたいのだ。


心の目を開くんだ!『獣王記』心眼プレイ

自分の部屋に籠もり、メガドライブの梱包を解きそのハードを眺める、そこで私はひらめく。メガドライブにはヘッドフォンジャックがあるではないか! 部屋にあったイヤフォンを探し出し『獣王記』をセットしたメガドライブを起動させた。「デン、デン、デン、デデデ、デッテッ♪」イヤフォンから流れる重厚なBGM、ゲームをスタートさせるとテーマ曲と共にボタンを押すとパンチ、キックの効果音が聞こえてくる。「Power Up」スピリットボールも回収しながら、更に進めていくと「ウォオオオオ~!」と獣人化した時の声がイヤフォンから響く、目をつぶり音に集中しながらゲームを進めていくこと数分、1面クリアをし、心眼プレイでの『獣王記』を楽しんだのであった。

その後、ローンチタイトルの『獣王記』『スーパーサンダーブレード』『スペースハリアーII』と12月に発売された『おそ松くん』からなかなかタイトルが増えず、悶々とする日々が続いたが、雑誌Beepに掲載されていた、サードパーティも続々参戦という情報や、3月にはマーク3で隠れた名作となったセガ謹製RPG待望の続編『ファンタシースターII』もリリースされ、いとうせいこう出演のメガドライブTVCMで語られた「ハードに限界があったからだ」という言葉に、「やっぱそうだよな、16-BIT最高!!」とメガドラライフを満喫し始めた私だった。

記事提供元: Game*Spark
《Game*Spark》

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