ーーー中文ローカライズのきっかけについて教えて下さい。
これまでも世界中の人に楽しんでもらいたくて、いろんな言語にローカライズしてきましたが、言語によっては日本語から直接翻訳ができず、一度英語に直した段階で意味が変化してしまったりして、ローカライズがうまくいかないこともありました。そういった悩みをSCE台湾のローカライズの方に相談した結果、「愛をもってローカライズができる、クオリティも確約できる」というご提案をいただけたので、今回ローカライズが決定しました。
ーーー映画監督のタランティーノやデル・トロからどんな影響を受けましたか?
タランティーノもデル・トロも好きな監督ですが、直接なにかのシーンで影響されたことはありません。しかし彼らの作品を見ることでエネルギーが得られて、それを糧に作品を作っているので、間接的には彼らのおかげで『メタルギアソリッド』ができています。特にデル・トロはメキシコ人で生まれも育ちもまったく違いますが、なぜか意気投合しているので、『P.T.』や『サイレントヒル』で一緒に仕事をしています。
ーーーこれまでに最低でも三種類の羊が公開されています。
どちらかというと山羊の一種で、羊もいますが、今回は『スネークイーター』のように野生動物を捕食するシステムはありません。フルトン回収するとマザーベース内の動物園にいったり、そこで何かしら役に立つという内容になっています。
ーーー今回のステージイベントの感想を教えて下さい。
前回もびっくりするような熱気で、すごい人でしたが、今回はもっとすごくて、ステージに上がれないんじゃないかというくらいの混み具合でした。東京ゲームショウと同じくらい盛り上がっている気がしましたね。来年は、もっとすごくなるのでは? ぜひ日本のクリエイターも、みんなきてほしいですね。
ーーーマザーベースはオンラインのためのシステムですか?
オンライン、オフライン両方です。友達と遊ぶ場合はオンラインですね。オンラインにしておくと、シナリオモードを遊んでいる間に友達が襲ってきたりするので、緊張感をもってゲームを遊べるようになっています。
ーーー台湾ファンの心を掴んでいると思われるところは何ですか?
まったくわからないです。これは世界中回っても聞かれるが、どこも同じように「わからない」と答えています。たぶん、それがわかってしまうと逆に作れなくなるのではないかなと。なんとなく、このへんかなというのはあるが・・・わからないうちが花ということで、作り続けたいですね。
ーーー中文版はSCEのローカリゼーションセンターと作業をしているとのことだが、どのレベルからかかわっていますか?
直接やりとりしているのはプロデューサーで、翻訳のクオリティは信じるしかないですね。英語なら何となく分かりますが・・・。
ーーー過去の作品をPS4でアレンジできるとしたら何ですか? また、どんな面で進化させたいですか?
やっぱり、オープンワールドで自由潜入できる『メタルギアソリッド1』を誰かに作って欲しいですね。みんなが遊びたいのもそれだと思います。ただ、社内で呼びかけても、なかなか立候補しないんですよ。毎日そういう話はしているんですが。
ーーー今回、どうして羊ネタを思いついたのですか?
直接的には僕のアイディアではないんです。ただ、どちらも干支があるので、このキーアイコンがわかる人たちであれば、それを弄ったほうが良いのかなと思いました。
ーーーマザーベースのアイディアは『ピースウォーカー』からありましたか?
はい、ありました。ただ『ピースウォーカー』はPSPなのでウォークスルーはできませんでした。いわば、今作につながる実験作のようなイメージで作っていました。おかげさまでユーザーにも評判が良かったので、その進化形を作っているような部分があります。
ーーー中文版はPS4/PS3エクスクルーシブですか?
はい。
ーーー中国本土でも小島監督のファンがたくさんいます。なにかメッセージをお願いします。
国に関係なくみなさんにゲームを提供したいと思っています。PS4が早く中国全土に広がればいいなあと。
ーーーローカライズにおけるニュアンスの変化について心配されていましたが?
そこは今回は大丈夫だと思います。日本語から直接、その国や地域の言葉に訳すのが一番いいんですが、普段はなかなかそういかないんですよね。僕らは六本木でゲームを作っていて、そういったグループがあればよかったんですが、それに適したチームがなかったりもするんです。それで過去に失敗したこともありました。そこで今回は良質なローカライズをしてくれるところを慎重に探していいたところ、SCEの良いチームを紹介してもらえました。ここのチームとは、開発チームともすごく近い距離感でやれると思っています。ただ翻訳するというだけでなくて、ホントに共同開発をするような進め方をします。そのため、今回については特に心配していないですね。期待してください。