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記野直子の『中国ゲーム市場分析』番外編 ― コンソールの中国市場への進出とその課題

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記野直子の『中国ゲーム市場分析』番外編 ― コンソールの中国市場への進出とその課題
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ご存じの通りXbox One とPS4の巨大市場中国への参入が発表され、その初お目見えとなるChina Joy 2014に出かけてまいりました。7月末から8月頭にかけて中国上海市で行われた中国最大のゲームショーChina Joyですが、1か月近く前のことで既にいろいろな記事が出ています。私からは別の角度から報告をしたいと考えておりました。番外編ご一読ください!

今年4月29日マイクロソフトが百視通新媒体(Bestv New Media Co Ltd:以下Bestv)と提携して9月に中国市場にXbox Oneを投入すると発表すると、SCEは5月に上海東方明珠集団股分有限公司(Shanghai Oriental Pearl Group Co Ltd:以下Pearl)と提携して中国にPS4を発売するというニュースが流れました。現在のところマイクロソフトは9月27日に発売すると日にちまで発表していますが、SCEは発売日を発表していません。

中国進出と聴くと、筆者の頭には2003年12月に中国市場に投入して失敗に終わったPS2の経験が浮かぶのですが、今回はどのようにアプローチするのか非常に興味がありました。China Joy 2014はそれを如実に語るものになろうと考えていたからです。

残念ながら両プラットフォームブースは思ったよりも小さく、若干ガッカリ感がありました。タイトル数はマイクロソフトがXbox One向けの26タイトル、ソニーがPS4向け7タイトル、PS Vita向け7タイトルの計14タイトルでした。

タイトル数が多ければいい!と言うつもりもありません。しかし、マイクロソフトが一手先んじた感があるのはタイトル数ではなく、地場(ローカル)コンテンツを展示していたことです。中国企業のPerfect World社が開発/発売する「Neverwinter Online」が展示されていました。

ハードウェアが普及するためには地場との一体感は不可欠なもので、他国で作られたありものを持ってくるだけでは受け入れられません。もちろん欧米や日本発の素晴らしいソフトウェアもたくさんありますが、中国市場を開拓するには中国発のタイトルをたくさん作ってもらわなくてはなりません。なぜならば、中国にはさらに「センサーシップ」があるからです。

この「センサーシップ」とは、該当コンテンツが内容的に中国で発売できるか否かを判断する政府の「検閲」です。この検閲は中国政府が行うもので、すべて現地語にローカライズされているコンテンツでしか判断してくれません。従ってソフトメーカーはすべてのローカライズを終えて組み込んでから「センサーシップ」への提出をし、数カ月ともいわれるセンサーシップを経てOKが出れば晴れて発売ができるという仕組みです。しながら、数か月後にNGが出た場合は指摘箇所を修正して再提出し再度センサーシップの流れに乗る…という仕組みです。従って、メーカーからするといつ発売できるかわからないのです。

センサーシップの判断をするのは政府側なので、実際にゲームをしたことがある人かどうかも疑問です。ESRBやCEROのように業界団体ではないため、ガイドラインや指標が提示されているわけでもなく「俗人的」な判断である可能性もあるわけです。

中国のコンテンツ制作関係者から言わせれば、中国政府としてはオープンなマーケットを提供するイメージを世界的に示しながらも「勝手にはさせないぞ」という最後の砦として「センサーシップ」があるのだ、とのことです。

はじめに戻りますが、中国初のコンテンツであれば中国国内の産業を発展させるという意味で中国政府のメリットにもなることから、こちらを進めていくというパワーを注ぐ方が外から強引に持ち込もうとするよりも早く打破できる道である気がします。

ちなみに、ソニー、マイクロソフト両社のパートナー企業をよくよく調べてみると、 マイクロソフトのパートナーBestvの親会社はShanghai Media Group (SMG)、そのSMGの親会社はShanghai Media & Entertainment Group (SMEG)って、あれ?SCEのパートナーのPearlの親会社もSMEGですが…。ってことで、両社とも中国の巨大メディアコングロマリット企業の傘下企業と提携しているという!姉妹会社じゃないですか!いえいえ、それが言いたいのではなく、結局はその裏に中国政府がいるわけで、政府との緊密な関係がなければ中国市場進出はできなかったのだなとつくづく思うわけです。

ローカライズとは言語のローカライズを意味することではなく本来の「現地化」を達成して実現すべきものだなと提言させていただきたいです。

■著者紹介
記野直子
カイオス株式会社 代表取締役
青山学院大学文学部卒業。日産自動車株式会社を経て、ゲーム好きが高じゲーム業界へ転身。コナミ株式会社、株式会社バンダイ、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントにてゲームソフトの海外展開、ゲームソフト発キャラクター展開などに従事。2007年よりカイオス株式会社代表。
《記野直子》

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