「E3やGDCのようなイベントを訪れるたびに、革新的に見えるものはインディーズゲームからしかもたらされず、一方でビッグタイトルの開発費の高騰がゲームの革新を滞らせているという懸念が浮かび上がります」とRaymond氏は続けています。
ハードの性能が上がるにつれて開発チームの規模も拡大しつつある中、巨額のマネーが動くAAAタイトルの開発スタイルを今後も維持できるのかどうか、非常に疑問であると主張するRaymond氏は「革新的であり続けるためには様々な収益モデルを見つけ出し、一方で開発コストを削減する必要があります」と述べ、現在の開発体制は持続可能ではないことを力説しています。
また、あらゆる側面でゲーム産業の構造が変化している現状においてRaymond氏は「新たなビジネスモデルを模索しなければならない」とし「(AAAタイトルには)F2Pとアイテム課金制を有効活用できる場所が絶対にあります」と語り、ユービーアイソフト(トロント支社)は現在まさにこの課題に取り組んでいることを示唆しています。
この取り組みの鍵となるのはプレイヤー同士の「コミュニティ」作りであり、『Team Fortress 2』がビジネス的にも成功を収めたのはやはり活発なユーザーコミュニティによるものであると指摘しています。しかしながら成功例を単純に後追いするだけで良いはずはなく「注意深く」ゲームとコミュニティの特性を見極めて取り組まなければならないと結んでいます。
奇しくも先日のDyack氏の発言といい、今回のRaymond氏のインタビューといい、ゲーム業界の華ともいえるAAAタイトルについての見解が立て続けに発表され、ますますこの分野の今後の動向に目が離せなくなってきています。
関連リンク
編集部おすすめの記事
ゲームビジネス アクセスランキング
-
令和に新作ファミコンカセットを自作!その知られざるテクニック&80年代カルチャーを「桃井はるこ」「なぞなぞ鈴木」らが語る【インタビュー】
-
グラビアアイドル×VR=けしからん!パノラマ動画「VRガール」公開
-
イギリス人が選ぶ歴代トップ100ゲーム―マリオシリーズが圧倒的
-
PC版『バイオハザード5』画面分割を望む声、海外で高まる
-
目黒将司×LAM 無二の個性派クリエイター対談-「目黒サウンド」「LAM絵」と称される“キャッチーさ”はどう育まれた?
-
「2021年最も活躍したと思うゲーム実況者は?」第1位に輝いたのはあの“インターネットヒーロー”!
-
9割がお蔵入りする個人制作ゲーム、完成させる秘訣は - IGDA日本SIG-Indie研究会レポート
-
任天堂がマイクロソフトにレア社を売却した経緯とは・・・3億7500万ドル巨額買収の裏側
-
ポケモンはここで作られる!ゲームフリーク訪問記(前編)
-
【ゲーム×法律】ゲームの利用規約違反で制裁、どこまで許される?