Chukongは内作カジュアルゲームを開発するディベロッパー、ゲームポータル『PunchBox』を運営し、サードパーティタイトルも配信するパブリッシャー、 Cocos2d-xの開発を行うゲームエンジンベンダーという、3つの顔を持つ新興企業です。2010年11月に創業し、3年弱で社員数が250名、月間売上が1200万ドル(約12億円)、年間売上は1億6000万ドル(約160億円)を突破するまでに急成長しました。
会社のDNAでもあるCocos2d-xはオープンソースで開発されており、会社自体も中国全土で約16万人の会員を抱える、中国最大級のiOSデベロッパー・コミュニティ「CocoaChina.com」を母体に起業された経緯があります。パブリッシャータイトルにはKONAMIの『コントラ』も含まれており、リリース後一ヶ月の間アメリカ・中国・台湾のiOS有料アプリランキングで1位を継続するなど、大ヒットコンテンツとなりました。
同社は7月26日に記者向け懇談会を開き、「ゲームロフトとの販売提携は弊社の課金ソリューションや『フィッシングジョイ』などの運営力が評価された結果だ」とコメント。KONAMIとの提携も強化していき、音楽ゲーム、過去のアーケード名作タイトルなどを、中国市場向けにパブリッシングしていく方針だと語りました。
このほか韓国のApp Store、Google Playでランキング1位を獲得し、国内では今夏ゲームオンが配信する3DRPG『Hello Hero』についても、同社が独占代理権を獲得したとのことです。韓国の大手スマホゲーム会社が初めて中国に進出した事例となります。
余談ながら、日本のLINEと同じく韓国でもKAKAO TALKが高い人気を集めており、プラットフォームとなっています。その結果カジュアルゲームがブレイク中の韓国スマホアプリですが、『Hello Hero』のようなミドルコア向けゲームもまだまだ人気を集めていると語られました。
他に大会が刊行する「グローバルモバイル業界白書」においても、ゲームエンジンが初めて取り入れられ、Cocos2d-xの世界シェアが30%と二位であること。中国売上トップ10ゲームの7割がCococs2d-xで開発されていること。 アンドロイドがスマホのメイン機種である中国では、一番よく使われるゲームエンジンであることも強調されました。
Cocos2dxは日本でも多くの開発者コミュニティが存在し、2Dアプリ開発に向くゲームエンジンとして高い評価を得ています。中国産ゲームエンジンが世界を席巻する時代がついに到来したといえるでしょう。中国でゲーム開発者コミュニティから生まれた企業としてもユニークな存在ではないでしょうか。
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