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【そそれぽ】第72回:遊び心のかたまり!子供向けRPGにとどまらない『妖怪ウォッチ』をプレイしたよ!

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第72回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

任天堂 3DS
現代風の町並みが広がる世界観。写真はさくらニュータウン
  • 現代風の町並みが広がる世界観。写真はさくらニュータウン
  • おおもり山。場所によって出現する妖怪も異なる
  • 団々坂。駅から電車に乗ることも
  • おつかい横丁。特殊なアーケード街もある
  • さくら中央シティ。ビジネス街も広がる都会風な場所
  • そよ風ヒルズ。いわずもがな高級住宅街。これらのエリアで物語が展開
  • 基本はウォッチで探索。右上のアイコンが反応したら近くに妖怪がいる証拠
  • 木をウォッチで探索すると・・・
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第72回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

関東では過去4番目に早い梅雨明けを迎え、夏到来。しかし油断しているとゲリラ豪雨で洗濯物もびっしょびしょです。そうだ、この不自然なほど突然降る雨の原因は、きっと妖怪のしわざに違いない!

というわけで、今回プレイするのはレベルファイブのニンテンドー3DSソフト『妖怪ウォッチ』です。

『イナズマイレブン』も『ダンボール戦機』も触れていない筆者ですが、ふとおもちゃ売り場に目を向けると子どもたちがそれらに群がっている光景を何度も見てきました。そんなレベルファイブが仕掛けてくる第3のクロスメディアプロジェクトが『妖怪ウォッチ』ということですが、ものすごく正直な話、今のところの印象、地味じゃありませんか?あえて、「クロスメディアプロジェクト第3弾!」と銘打つということは、本作には何か大きな秘密があるはず!ということで、実際にプレイして『妖怪ウォッチ』がどんなゲームなのかを確かめてみたいと思います。それでは、早速プレイしていきましょう。



■ホラー演出なし!明るい「現代風」の世界観
「妖怪」がテーマとなっているものの、おどろおどろしい雰囲気は一切なく、明るい現代風の世界観で物語が展開します。プレイヤーは小学生である主人公「ケータ」あるいは「フミちゃん」となって、夏休みの「さくらニュータウン」を舞台にさまざまな不思議な体験をしていくことになります。主人公の名前はもちろん変更も可能です。

町の横断歩道は青信号で渡らないと注意されたり(交通ルールを守り続けると良いことも)、24時間開いているコンビニが便利だったり、人の家に上がるときにいちいち靴を脱いでくれたりと、町並みなども含めて、ひと目で「いま自分たちが暮らしている現代と地続きなんだ」という世界観をとことん築きあげています。


■監督的なポジション!妖怪のバトルっぷりを補佐する独特の戦闘
RPGである本作の戦闘は、かなり独特な「半オート」方式。「妖怪」は、自身の性格によって特徴の異なる戦い方で自動的に戦闘してくれます。ただし「わざ」や、「とりつき」されてステータスダウンしているときの「おはらい」、あるいは「アイテム」の使用などはプレイヤーに委ねられており、下画面のパネルで指示を出します。極端に言うと、プレイヤーが何もせずに戦闘終了という場合もあるのですが、戦闘そのものを飽きさせない工夫が随所に仕掛けられています。

例えば、「ねらう」を使えば攻撃する敵の妖怪を指定することもできます。倒す順番は戦闘の有利・不利に大きく関わるので、よく考えて狙っていきたいところ。また、戦闘中たまに画面内をフワフワ飛んでくる「さすらいだま」を「ねらう」で狙い撃つと、戦闘後にさまざまなボーナスが受けられます。

円状に6体の妖怪をセットする「メンバーサークル」の配置、「メンバーサークル」の配置によって発動する陣形の効果、戦闘に参加する前衛、控えの後衛の出し方や切り替えのタイミング、「わざ」や「アイテム」の使い所、「ねらう」順番・・・。さまざまな要素を考えながら、戦闘が有利に運ぶように戦略を練る「監督」のような役割をプレイヤーが果たします。

難しそうに書いてしまいましたが、「奥が深い」というだけで、やってみると案外シンプルなのでご安心を(笑)。


■妖怪がともだちになるかは戦闘後のお楽しみ
妖怪を「ともだち」(=戦闘で使用できる仲間)にする方法は主に3つ。ストーリーやクエストを進めてともだちになってくれるパターンと、「妖怪ガシャ」(ゲーム内のコインアイテムを使うか3DS本体のゲームコインを使用)を回して出てくるパターン、そして一番重要なのは戦闘後に一定の確率でともだちになってくれるパターンです。

戦闘後に目当ての妖怪がともだちになってくれるか、ランダム性はなかなか高めです。しかし、アイテムを使うことで確率を上げることは可能で、ボスやイベント戦闘の妖怪以外、ほとんどの妖怪が仲間になる可能性を秘めています。某RPGの仲間モンスターのシステムにも近いドキドキ感はたまらないものがあります。


■ストーリーの本筋はハートフル
ストーリーはとにかくハートフル。古き良き日常系のアニメや漫画のようなテンポで、妖怪が原因による不思議な体験を沢山していきます。サブタイトルのついた章仕立てのミドルストーリーを重ねていく流れで、章の終わりには「つづく」の表示。「妖怪が原因だ!」ということで、基本的には何でもありなのです(笑)。

ゲームや漫画・アニメなどで理屈っぽいストーリーが増えている今日ですが、こういった軽いノリも気楽で良い感じです。大きな感動のような要素こそないものの、ちょっとした教訓があったりと、大人も楽しめる子供視点で楽しいストーリーが終始展開します。


■無限にも感じるやり込み要素
そもそも虫取りをきっかけに妖怪と出会うところから始まる本作。虫取りはもちろん、ゲームを進行すれば魚釣りもできるようになります。捕まえた虫や魚は貴重なアイテムと交換できたりもするので、それ自体がやり込み要素でありながら、妖怪の育成にも直結していきます。

ゲームを進行すると、寄り道のクエストも増え、行ける場所も広がり、ともだちになる妖怪も増え、妖怪の育成パターンも広がり、アイテムの合成、妖怪の合成・・・本当にどれから手を付ければ良いんだという状態になっていきます(笑)。

クエストは、報酬自体がなかなか美味しかったり、プレイに有利な施設を開放したりと、ストーリーを進める上でも蔑ろにはできず、手頃なものや重要なものはぜひ受けておきたいところ。細かいクエストをどこまでやるかは本当にプレイヤー次第。ストーリー進行一点張りのつもりがついクエストをやってしまうというように、やり込み要素がプレイヤーの“視界”に自然に紛れ込んでくるのも本作の魅力だと思います。


■育成と敵の新妖怪登場、タイミングで悔しい思い
本作の妖怪には、合体によって強力なものに生まれ変わったり、レベルアップで進化したりするものも存在します。しかし、プレイヤーの遊び方によってはそのタイミングがなかなか訪れません。楽しみにしている強力な進化系妖怪なワケですが、悔しいことにストーリーの敵として先に出てきてしまうことが多々ありました。

本作は完全新作タイトルのため、攻略サイトなどの情報を見ない限り、妖怪の進化や合成の知識は全くありません。筆者ももちろん知識なしで挑みました。しかし、敵で出てくる妖怪の見た目が思いっきり手持ちの妖怪の進化系で、ある意味「ネタバレ」を喰らったような感覚を味わうことに・・・。妖怪の進化のタイミング、あるいはストーリーで進化系の妖怪を出すタイミング、もう少し工夫してほしかったように感じます。


■ワープ系移動手段の登場がやや遅い
「さくらニュータウン」を中心に、いくつかのエリアを散策することになる本作。移動する範囲はストーリー中盤ぐらいでかなり広い状態になります。途中、移動手段として「自転車」を手に入れますが、ストーリーやクエストではあちこちを移動することが多く、「自転車」でもかなり遠く感じます。

ワープ系の移動手段はストーリーの後半に差し掛かったあたりになって出て来ます。エリアの散策自体がほぼ心ゆくまで済み、ストーリーやクエストでいろいろなところを移動する際に、さすがに何度も同じ箇所往復するのが面倒に思えることもありました。個人的にはもう少し早い段階でこのワープ系移動手段が出てきても良かったのではないかと思います。


■3DS本体のベストな持ち方に迷う
本作は3DSのタッチ操作とボタン操作をフルに活かした操作が採用されています。個人的には、マップ移動はボタン操作がベスト、戦闘はタッチ操作がベスト、探索画面はタッチ操作がベストなワケですが、どれも常時起きることなので、タッチペンを使う時だけ出し入れというわけにもなかなかいきません。

結局、筆者は右手に常にタッチペンを持ちつつ、ボタン操作をしています。それで特に不自由はないのですが・・・ベストな持ち方がはっきりわかるような操作体系にしてほしかったとも思います。


■総評:子供向けだと思って舐めてかかると後悔する良質RPG
まず、子供向けだと思って敬遠してしまっている人、プレイしないと絶対に後悔するレベルですのでご注意を!(笑)ストーリーの本筋だけを追えばそこそこ作りはライトですが、寄り道となる「クエスト」の圧倒的な豊富さや、「妖怪」に限らずさまざまに存在する収集系やり込み要素、更には手持ちの「妖怪」の育成や合成などなど、できることは無限大。それらを作業に感じさせない「散策」の楽しさがあり、その工夫やテンポ感にも非常に好感を持ちました。

ストーリーを進めようとしても、ついつい寄り道を沢山してしまうのは、上記のような気になる要素がゲーム内に自然に沢山散りばめられている証拠。もちろん本作に決まった遊び方はないので、やりたいことをやりたいようにやる、ストレスを感じないプレイスタイルでのんびりプレイするのが一番かもしれません。そういうプレイスタイルを受け入れてくれるのも本作の良さのひとつです。

また、マンネリ化しがちなRPGの「戦闘」にオリジナリティがあることにも好感を持ちました。妖怪たちにバトルを委ね、自分が監督的なポジションで補佐をするスタイルは、頭も使うしタイミングも重要。ただし、タッチペンの持ち替えや、タッチペンを使ったアクション要素、直感的にわかりづらい部分などで、賛否は分かれるかもしれません。

【こんな人にオススメ】
・RPGが好きな人
・収集系ゲームが好きな人
・自由度が高いクエストややり込みが好きな人
・かわいい妖怪のキャラクターたちに惹かれた人
・老若男女問わず

平凡な少年少女、平凡な日常に訪れるちょっと不思議な体験。昭和から続く「王道」をRPGにキレイに落とし込んだ世界観やストーリー。子供から大人まで、ゲーム初心者から上級者まで、誰にでもオススメできる、純粋な気持ちで楽しめる良作です。プレイヤーができること、ひとつひとつに遊び心が込められており、飽きずについアレコレやりたくなる触り心地と魅力があります。

ボーナスを獲得して鬼から逃げ切る緊張の「鬼時間」、QRコード使用したプレゼント要素、写真機能を使った「ふしぎなレンズ」などなどなど、今回紹介しきれてない“遊び心”もまだまだ沢山あります。「子供向けでしょ?」と敬遠してる方もプレイして、ぜひぜひ本作の奥深さを味わってみてください!


【そそれぽ】第72回、いかがでしたでしょうか?最近、欲しかったゲーム一気に発売されていよいよ積み気味の筆者です。夏休みがあったらいいのにな~。ないんだな~コレが。次回もどうぞお楽しみに!


『妖怪ウォッチ』は、好評発売中で価格はパッケージ版・ダウンロード版ともに4,800円(税込)です。

(C)2013 LEVEL-5 Inc.


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》
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