まず、Beier氏はF2PゲームのQAにおける9つのテスト領域(機能、品質、ローカライズ、バランス、ユーザビリティ、ゲームの評価、支払いサービス、セキュリティ)を提示しました。
それらの領域におけるQAの最も大きな2つのゴールは「全てのバグと機能的な欠陥を発見し、レポートすること」と「常にアップデートのリリース前に、各領域での品質を確約すること」としました。
しかしながら、QAの活動に疑問が持たれる理由として、QAの活動はマーケティング上では効果が明らかにしづらく、活動による利益が見出しづらいことが問題だとしました。同時に、パッケージ販売のゲームよりはF2Pゲームは顧客の期待が低く、クオリティが求められづらい現状であるとのこと。
続いて、より良いF2Pゲームの品質を達成するにはどうしたらいいかについて
「品質のゴールを設定すること」「ゴールの基準を達成するために必要なタスクを引き出すこと」「QAプロジェクトの予想所要時間を決めること」「それに伴って雇用をすること」「QA経験のある者を最初に雇いチームを作ること」を挙げました。
QAプロジェクトの予算戦略についてのレクチャーではQAチームの予算を最低で抑えようとすると、追加のテストで足が出てしまい、全ての可能性を考慮して最高までやろうとすれば中国人が千年掛けても終わらないとのこと。つまりは、高い品質を求めるならばそれに見合ったゴールを設定する必要があると述べました。
プレイヤーコミュニティとQAチームとの連携においてはよく管理されたコミュニティーはベータや実運用においても大きな助けになるということを強調しました。また、新しい意見やアイデアが貰えたりバランスやユーザビリティに関するフィードバックも受け取れること。さらに、もし特定のバグに関する懸賞金さえつけておけば、内部的なチームを持つ必要がなくなること。そのため、管理されたユーザーコミュニティはQAチームにとって代わりの利かない加勢であると強調しました。しかしながら、ユーザーからのフィードバックはあくまでブラックボックスであることなども忘れてはいけないと付け加えました。
最後にQAチームの成功に必要な要素としてコミュニケーションの大事さについて語りました。QAチームはタスクを十分にこなすために全ての情報を集める義務を負っている。より良いゲームを作るために開発陣やユーザーはQAチームを助けてあげて欲しいと述べ、このレクチャーを締めくくりました。
これらの考え方はQAにとって基本的な事柄でもありゲームに限ったことではないという印象も持ちましたがBeier氏本人も同様にあらゆるコンテンツ作成において適用出来る考え方だと述べました。QAチームの導入に関心のあるデベロッパーはプロジェクトを組む前に一度思い出してみてはいかがでしょうか。
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