まずはゲームが非常に重要な地位を占めていることをデータを引用しながら紹介。毎週、30億時間がゲームに費やされ、市場規模は音楽業界の倍、AppStoreの収益のうち8割がゲームだと言います。特にスマートフォンとタブレットは最大のゲームプラットフォームとなっていて、合計の販売台数6億台はWii/PS3/Xbox360を全て合計した2倍の規模となっています。App StoreとGoogle PlayにはFlashを利用したアプリが2万3000個以上公開されていて、スマートフォン向けの開発には最適な開発環境だとハワード氏は強調します。Flashは汎用的であるだけでなく、最近ではStage3DというGPUの性能を引き出す機能も備わりました。
続いてハワード氏はFlash PlayerやAdobe AIRが頻繁にアップデートされ、開発者にとって有益な機能が次々と追加されていると説明。2つの製品は四半期に一度のペースでアップデートが行われているそうです。また、βプログラムも用意されていて、開発者は将来実装される予定の機能にいち早く触れることも可能です(会場では殆ど利用者はいないようでしたが)。気になる今後のアップデートですが、OUYAのコントローラーのサポートには会場から大きな歓声が。巨大な(4069×4069px)のテクスチャへの対応、ゲームパッドのブラウザからの利用対応、細かなパフォーマンス向上なども計画されています。
Adobeが昨年12月に発表した「Gaming SDK」についても改めて説明。これはCreative Cloudで無償で提供されているゲーム統合開発環境で、ActionScript 3.0を用いたゲーム開発が非常に容易に実現できます。Starling(GPUアクセレーション)、Feathers(UIコンポーネント)、Away3D(3Dサポート)などのフレームワークも統合され簡単に組み込むことができます。今後提供予定のバージョン1.1では新たにボーンベースのアニメーションを実現するDragonBonesもサポートされる事が明らかにされました。
ゲーム開発に嬉しい製品では「Adobe Scout」というプロファイラーも提供されています(こちらも無償)。ハワード氏が「アドビの製品で過去最高という声もある」と冗談めかしながら紹介したこの製品は、実行中のパフォーマンスを詳細に解析してくれるもの。タイムラインに沿って内部でどのような命令がコールされているか、値がどのように変化しているかを追うことができ、開発の終盤に活躍してくれそうです。
標準化に対しては距離を置くと思われがちですが、CreateJSと呼ばれるライブラリではCS6からHTML5への変換をサポート。環境に応じたフォーマットに対応していくようです。
4月にはGame Jamを自社で開発するなどゲーム開発向けの環境整備を加速しているアドビ。今後の展開にも注目です。
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