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【台北国際ゲームショウ 2013】遂にベールを脱いだ『The Last of Us』その詳細と最新ビルドでのプレイレポートをお届け

SCETが台湾で主催したアジア向けのメディアセッションで、『アンチャーテッド』シリーズの開発を担当するNaughty Dogの新作PS3ソフト『The Last of Us』の新情報が明らかになりました。最新ビルドで試遊もできたので、その模様もあわせてお伝えします。

ソニー PS3
Eric Monacelli氏(Naughty Dog)
  • Eric Monacelli氏(Naughty Dog)
  • Eric Monacelli氏(Naughty Dog)
  • 更なる「インフェクテッド」の存在も示唆されている
  • クリッカーとの戦い
  • 新キャラ「テス」
  • インフェクテッドの様子
  • 女性のインフェクテッド
  • 【台北国際ゲームショウ 2013】遂にベールを脱いだ『The Last of Us』その詳細と最新ビルドでのプレイレポートをお届け
Sony Computer Entertainment Taiwanが台湾で主催したアジア向けのメディアセッションで、『アンチャーテッド』シリーズの開発を担当するNaughty Dogの新作PS3ソフト『The Last of Us』の新情報が明らかになりました。最新ビルドで試遊もできたので、その模様もあわせてお伝えします。

本セッションにはNaughty DogのEric Monacelli氏が登壇し、本作の最新情報を発表しました。まず、本作の着想について、簡単な説明がありました。映画では「ノーカントリー」「トゥモロー・ワールド」「ウォーキング・デッド、そして小説では「卵をめぐる祖父の戦争」(City Of Thieves)といったタイトルに強い影響を受けているとのこと。

本作は、謎の寄生菌が蔓延し、無政府状態になってしまったアメリカを描きます。現在あるような文明は終わりを告げ、建物は朽ち果て、石油などの資源や、銃弾などの武器も非常に貴重なものになっています。最初の感染者が出てから20年が経った過酷な世界を高精細なグラフィックスで描き、感染せずに生き残った人々、寄生菌に感染し、人間の原型を留めない「インフェクテッド」(感染者)が織りなす重厚な物語を体験することになります。

主人公のジョエル、そして彼が避難所から連れ出すことになるエリー。彼らは、感染を防ぐために「インフェクテッド」と戦うのはもちろん、感染していない人同士の生き残りをかけた争いにに巻き込まれていきます。

今回の作品についてEricは「非常にリアリティのある作品だ」と語っています。もしこのようなパンデミックが起これば、実際にそうなるであろう世界をプレイヤーは体感できるようになっているそうです。

ここからは、今回のセッションで明らかになった新情報をお伝えしていきます。

■新キャラクター「テス」(Tess)
既に一部では報じられていた新キャラクター「テス」の情報が発表されました。彼女は主人公であるジョエルのパートナーで、アンダーグラウンドの世界で、犯罪的な活動(武器販売など)をすることで知られています。彼女には強さだけでなく、ネゴシエーターとしての能力も兼ね備えているといいます。

彼女はパートナーであるジョエルに心酔しており、絶大な信頼を寄せていますが、一方で彼の気持ちはどうなのかという点においては、疑問を抱いているといった役所になっています。

■初めて明かされた「インフェクテッド」は「クリッカー」と「ランナーズ」
続いて発表されたのは「インフェクテッド」の種類です。これまでは詳細は明らかになっていなかったものの、現時点で「2種類のインフェクテッドがいる」とのこと。それぞれ、菌の進行具合で大別され、感染後比較的に時間が短いものが「ランナー」です。彼らは、視覚が敏感で、明かりに反応する習性をもっています。まだ、人間にも近いため、動きも俊敏で一度襲われると、次から次へと寄ってきます。

そして、もう一方の「クリッカー」は、ランナーに比べると感染してからある程度の時間が経っているインフェクテッドです。特徴としては、視覚が完全に失われた代わりに、聴覚が異常なまでに研ぎ澄まされています。自らも常に口から「チッ、チッ」と音を鳴らしているのも大きな特徴です。

動きはかなり遅く、走れば簡単に逃げられるものの、体力と攻撃力は非常に高くなっています。通常の攻撃では致命傷はおろか足止めも難しく、銃で撃ち抜いても、一撃では死にません。そして、攻撃時は圧倒的な力でジョエルを押さえつけ、瞬く間に頸動脈を噛み千切られてゲームオーバーになってしまいます。

注目すべきは彼らには、知能があるということ。ただし、行動原理としては感染を拡大させるという「インフェクテッド」の本能に基づいたものになるといいます。それでも彼らは「インフェクテッド」としての生活に充足感すら覚えているということです。

そんな彼らを排除していくということが果たして完全なる正義なのか、そこも本作では丁寧に描かれているということです。「贖罪」もひとつのテーマであるとEricが語った、その内容にも注目が集まります。

■ライティングシステムにもこだわり
また、ライティングの表現にも力を入れているようで、懐中電灯で照らした部分は色味がごく自然に変化するようになっているそうです。ゲームとしては初めて採用されたシステムだと語っていました。また、実際の懐中電灯のように接触不良で点滅を始めることもあるようですが、その際は「コントローラーをシェイクすれば元に戻ります」と、細かい部分もリアリティを追求した仕組みになっています。

Ericによるプレゼンの後は、実際にハンズオンで本作を楽しむことができました。届いたばかりという最新ビルドで、新キャラのテスも参加するゲームの序盤をプレイしました。



エリーは生まれて初めて避難区域の外へと出て、崩壊した世界を目の当たりし驚きを隠せない様子。プレーヤーはジョエルを操作し、自然に飲み込まれたOutskirts(郊外の街)を進んでいきます。

雨や水の表現はさすがという美しさで、コンクリートに覆われていたであろう街は本物のジャングルに近いような鬱蒼としたところへ変貌していますが、その対比も丁寧に描かれていました。

目的地へと向かう道中には、レンガや空き瓶といったアイテム、パイプ棒や角材などの棒状の武器、そして未使用の弾丸など、様々なアイテムが落ちており、それらを回収しながら先へと進みました。

初めて遭遇した「インフェクテッド」は「クリッカー」でした。「ヘッドショットを決めれば楽勝だろう」と撃ってみたところ、致命傷は与えられず、弾も4発しか持っていないため、すぐに底をつき簡単にゲームオーバーになってしまいました。

スタッフによると、どうしても倒すことは出来ないため、空き瓶などを遠くに放り投げてそちらに「クリッカー」の注意を引き付けた隙に逃走するしかないとのこと。敵は一体とはいえ、一撃必死という緊迫感があり、否が応でもゲームに引き込まれていきます。

その後、2種類のインフェクテッドが登場する場面にも遭遇。あまり慣れていない筆者は、ここでかなり苦戦してしまいました。ランナー自体は素手でも倒せますが、数が多いため囲まれてしまい、その間にクリッカーに一撃でやられてしまいます。ランナーは音を立てずに近づけば一撃で倒すことができるので、それを活用して、クリッカーとサシでの勝負を出来るように持ち込むかが重要であることを痛感しました。

自分のことで精一杯な筆者でしたが、同行するエリーやテスがやられてもゲームオーバーになってしまいます。彼らも戦いを重ねるごとに成長していくということですが、プレイ時にはまだまだ足手まといといった印象。誰もやられてはいけない、限られた資源を大事にしていかなければならない、まさに本作が描く極限状態での人間をプレイヤーも直接的に味わうことができるシステムになっていました。

なお、物資は限られてるとはいえ、ジョエルは様々なアイテムを組み合わせて新たなアイテムを作っていくことができます。こうしたアイテムを如何に活用していくかも、攻略の重要な要素となることは間違いなさそうです。

「サバイバルアクション」というジャンル名そのままの体験をできるゲームであることは、短いプレイ時間ながらも強く感じることができました。「キャラクタードリブンのストーリーだ」とEricは語っていましたが、プレイヤーが直接的にゲームに介入できる部分も多く、常に緊迫状況が演出されているため、ドンドンとゲームに引き込まれていきました。

全世界が注目する本作は2013年5月発売予定。まだまだ明かされていない情報も多いですが、ハンズオンの後のインタビューでそのあたりも詳しく聞いています。そちらは後ほど掲載しますのでお楽しみに。

(C)Sony Computer Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog, Inc.
《宮崎 紘輔》

タンクトップおじさん 宮崎 紘輔

Game*Spark、インサイドを運営するイードのゲームメディア及びアニメメディアの事業責任者でもあるただのニンゲン。 日本の新卒一括採用システムに反旗を翻すべく、一日18時間くらいゲームをしてアニメを見るというささやかな抵抗を6年続けていたが、親には勘当されそうになるし、バイト先の社長は逮捕されるしでインサイド編集部に無気力バイトとして転がり込む。 偶然も重なって2017年にゲームメディアの統括となり、ポジションが空位になっていたGame*Sparkの編集長的ポジションに就くも、ちょっとしたハプニングもあって2022年7月をもって編集長の席を譲る。 夢はイードのゲームメディア群を日本のゲーム業界で一目置かれる存在にすること、ゲームやアニメを自分達で出すこと(ウィザードリィでちょっと実現)、日本武道館でライブすること、グラストンベリーのヘッドライナーになること……など。

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