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リアルグラフを活かした新しい楽しさの提供 ― コンテストも決定した「LINE GAME+YOU」記者発表会

NHN Japanは、無料通話・メールアプリ「LINE」の展開するゲームサービス「LINE GAME」についての発表会を実施しました。

ゲームビジネス その他
NHN JAPAN代表取締役社長・森川亮氏
  • NHN JAPAN代表取締役社長・森川亮氏
  • スマートフォン事業部長・鎌田誠氏
  • 世界8700万ユーザーを突破した「LINE」
  • 「ローソン」など公式アカウントも多数
  • 「LINE GAME」今後の展開
  • 「LINE GAME コンテスト」開催
  • 受賞者には賞金1000万円を進呈
  • 来夏には受賞作品をリリースしたいという
NHN Japanは、無料通話・メールアプリ「LINE」の展開するゲームサービス「LINE GAME」についての発表会を実施しました。

■2012年度の「LINE」を振り返る
NHN JAPANの代表取締役社長・森川亮氏は「“LINE”は世界230カ国で8700万のユーザーを獲得し、公式アカウントも多数登場している大きなプラットフォームへと成長しました。ここ最近も非常にユーザー数が伸びているので、早ければ年内、遅くとも年明け早々には1億ユーザーを達成できるのはと思います。とくに台湾やタイでは単独1000万ユーザー突破し、世界40カ国のApp Storeでも無料総合ランキングで1位を獲得しました」と、LINEの著しい成長について振り返りました。

また、森川社長は、サービスを利用した1日あたりのユーザー数である「Daily Active User(DAU)」を重要視しています。LINEでは登録ユーザーのうち、DAUは65%がという非常に高い割合を占めていると初公開。また、通話やメッセージなどのやりとりは1日あたり22億件と、非常に膨大なコミュニケーションが図られているといいます。

人気キャラクターを使った「スタンプ」も盛り上がりをみせ、オリジナルキャラクター「CONY」「BRPWN」などのグッズやアニメ化なども展開。また、日本企業だけでなく、海外企業の公式アカウントも非常に多くの「フレンド」を獲得しており、ビジネス面でも高い効果を得ているようです。

■「LINE GAME」の取り組み
フューチャーフォンからスマートフォンに移る中、同社はコミュニケーションの価値を高めた「スマートフォンならではのプラットフォーム」という構想を7月に発表しています。ここでいうプラットフォームとは、単純にコンテンツを並べたものではありません。スマートフォンならではの新しいシステム構築を目指しており、なかでもホットなコンテンツが『LINE POP』をはじめとした「LINE GAME」です。

現在提供している6つのタイトルは、累計3000万ダウンロードを突破。DAUも600万人を記録し、日々増加傾向に。また、セールス面でも継続的に高い数値を誇っています。

スマートフォン事業部・事業部長の鎌田誠氏は「“LINE GAME”は、あくまでLINEの1コンテンツという位置づけです。一般的なゲームプラットフォームと大きく異なるのは“リアルグラフ”をベースにしており、普段ゲームをしないユーザーも、親しい友人や家族と競いながら楽しめるものを用意してきました」と、コンテンツの特長を解説。このようなコンテンツの場合、同じゲームを遊んでいるユーザー同士といった内部性、およびゲームをやっていないユーザーを招待するという外部性の連携が重要といいます。

内部性大きなポイントになっているのは「ランキング」機能です。従来のゲームにもランキングシステムは多数存在していますが、ワールドワイドになればなるほど上位ユーザーとの一般的なユーザーとの感覚には大きな差がでてしまいます。LINE GAMEの場合は、あくまで友達同士でのランキングとなるため、似たような傾向のユーザー同士が絶妙にマッチングした現実的なランキングとなります。さらに競争をあおってプレイを促すメッセージを流し、LINE上でのシンプルで手間のかからない招待も可能としました。

今後はユーザーの体験を3段階にとらえ、まずは普段ゲームをしないユーザーが、友達同士でゲームを遊ぶという外部コミュニケーションの役割を目指します。次の段階では、対戦や協力といったゲーム内部でのコミュニケーションそのものが成り立つようにし、一緒に遊んでいるという感覚を共有できるようなものに。最後はMMORPGなどに代表されるような、ゲームの中にきちんとした世界観が存在し、より深い生活体験を可能とするものを取り入れていきます。

しかし段階の順序やゲームジャンルは定めておらず、コアユーザーやライトユーザーという切り分けもおこないません。LINE上でのゲームを「習慣化する」という段階は順調に進んでいるため、今後は友人のゴーストデータと遊ぶレースゲームやシューティング、メダルゲームなど、ルールは簡単ながらよりコミュニケーション性の高いものを提供する予定としています。

■2013年の新たな展開に向けた「LINE GAME コンテスト」開催
森川社長は、LINE GAMEのさらなる展開と成長について「すでにゲームプラットフォームは数多く存在しており、まずは実績が大事だと判断しました。LINEとゲームの相性がいいのか?収益はあがるのか?という疑問もありましたし、まず実績ということで、パートナーの皆さんには厳しいお話しもさせてもらい、お叱りもいただきました。しかし、こうしてある程度実績を打ち出せたということで、ビジネスの面でも決して損にならないパートナーシップを組めるという確信を得ました」と述べ、一歩踏み込んだ展開に向けた「LINE GAME コンテスト」の開催を発表しました。

今回のコンテストは「LINEにあったらいいな」というゲームアプリを募集するもので、プロ・アマチュアは問いません。セミプロやアマチュアも含め、より多くのクリエイターにLINE GAMEの門戸を開き、優れたゲームを発掘してゲームの価値を高め、ユーザーにより良いサービスを提供することを目的としています。

応募の対象となるのは、AndroidおよびiPhone向けのネイティブアプリで、一次審査、二次審査、最大1万人のLINEユーザーが行う最終審査を経て大賞を決定。受賞者には賞金1000万円の進呈とプラットフォーム上でのサービス展開、またゲーム内でのLINEキャラクター活用も検討するといいます。

鎌田氏は「ユーザーとして、パートナーとしてより多くの方々の参加をお待ちしています」と期待を寄せ、森川社長は「単純に多くのコンテンツを並べていけば良質なプラットフォームになるわけではありません。より多くのパートナーと価値を高め、世界中に広めていければと思います」とコメントしました。

■質疑応答
―――ブラウザアプリは対象外?
だめではありませんが、LINEはスマートフォン向けなので、スマートフォンならではの操作感がしっかり出ているもののほうが受け入れられると思います。

―――すでに企画のある企業は持ち込みも検討しているはず。コンテストとどちらがよい?
「このゲームで勝負したい!」と、より早いリリースを希望するなら持ち込みしていただいても構いません。こちらでも大規模とはいきませんが、ユーザーによる審査も実施します。LINEのユーザーは「見た目が可愛い」ことも重要視しているので、LINEのキャラクターを使いたいのであればコンテストのほうが良いと思います。

―――「LINEにあったらいいなというゲーム」の具体例は?

単純に、リアルグラフを活かした「友達と一緒に遊んだら楽しい」というものです。例えば「鬼ごっこ」は非常に簡単なルールですが、誰かと一緒に遊ぶと楽しいですよね。「ゲームの内容が面白い」だけではありません。

―――パートナーとの「厳しいやりとり」とは?
当初の「LINE GAME」では、カジュアルゲーム以外にカードゲームやブラウザゲームも検討していました。しかし私たちは後発なので、ユーザーに受け入れてもらうには独自の路線がないとだめだろうと。そこで方向転換し、いわゆる「ゲーマー向け」のタイトルを後回しにして「リアルグラフ」を前面に出すようにしました。現在、パートナーとは改めて話し合いを進めています。

―――夏に発表になった、大手ゲームメーカーのタイトルはいつ出る?
早ければ、来春には出せると思います。

―――来年以降、どのくらいのペースでリリースする予定?
私たちが作るものだけではないので、具体的にいくつとは申し上げられません。当分は完全オープンにしないので、同じような状況が続くと思います。毎月5~6本以上はリリースしたいですね。

―――今後、ハンゲームのほうはどうなる?
提供するゲームの方向性が違うので、どちらも継続します。ちょっと出してみない分からない部分も多いので、おいおい対応していきます。

―――仮想通過の導入はどうなる?
マネタイズについてもサポートしていきます。すでにAndroid向けには「LINEコイン」を導入しており、iPhone向けでもスタンプで始めたところです。いずれはゲームへの直接課金に向けていきたいです。
《近藤智子》
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