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【EA Showcase】『クライシス 3』のストーリーやディテールに深く迫る!Crytekプロデューサーインタビュー

EAのシドニーオフィスにて、『Crysis 3』でプロデューサーを担当するCrytekのMichael Elliot Read氏にインタビューを実施したので、その模様をお送りします。今作のゲームディテールやストーリーの深い部分に迫る話も飛び出したのでシリーズファンはぜひご覧ください。

ソニー PS3
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エレクトロニック・アーツは、12月11日、オーストラリアのシドニーにて、同社のアジア太平洋地域メディア向けの新作展示会「EA Asia Pacific Showcase 2012」を実施。iNSIDEとGame*Sparkからも参加することができたので、注目作のプレイレポートや開発者インタビューを順番にお届けしていきます。

先日のハンズオンレポートに続いて、Electronic Artsのシドニーオフィスにて、『クライシス 3』でプロデューサーを担当するCrytekのMichael Elliot Read氏にインタビューを実施したので、その模様をお送りします。今作のゲームディテールやストーリーの深い部分に迫る話も飛び出したのでシリーズファンはぜひご覧ください。

※本インタビューでは前作のネタバレ情報も一部含むので観覧にご注意ください。


―――それではまず最初に、簡単な自己紹介をお願いします。

Michael Read:私はMichael Elliot Read、『Crysis 3』のプロデューサーです。2007年からゲーム業界で働いており、元は『EVE Online』や『DUST 514』などのCCP Gamesでキャリアをスタートしました。Crytekに入社したのは今年4月です。ゲーム業界に入る以前は、6年間ニューヨークで音楽業界に関わっていました。音楽とビデオゲームは昔から大好きで、徐々にビデオゲームの方が好きだということが分かってきたのです。

―――なるほど。それでは『Crysis』の話に移りたいと思います。『Crysis』はまず1作目でフランチャイズが確立され、『Crysis 2』では新エンジンと共にコンソールに進出しましたが、最新作『Crysis 3』ではどのような野心や目標があるか、またどういう位置付けになるのでしょうか?

Michael Read:まず『Crysis 3』には、トリロジーのラストとしてストーリーを完結させるという役目があります。もうひとつは、『Crysis』と『Crysis 2』の過去5年の経験を生かして、ジャングルと都市の環境を混合させた最も良い部分、ゲームプレイについても一番良い要素を全て受け継ぎ、さらにそこから追加や向上させることが目標でした。

―――では、シングルプレイヤーについて具体的にお聞きしますが、前作『Crysis 2』では実際にユーザーからどのようなフィードバックがあり、それらをどのように『Crysis 3』に反映したのでしょう。

Michael Read:『Crysis 2』のシングルプレイはニューヨークという舞台設定で、アーバングリッド、あるいはコンクリートジャングルといった場所に限定されていました。また『Crysis 2』ではバーティカル(縦方向)なゲームプレイも追加しました。その結果、ゲームをプレイしたユーザーの多くはを閉塞感やリニアな体験だと感じてしまったのです。

―――なるほど。

Michael Read: そういった意見は一部は正しいと思いますが、ビジュアル面が原因だったかと考えています。つまり『Crysis 2』で閉塞感があったのは、周りに余り景色が見えないからです。『Crysis』では木々や海や山や村が見えましたからね。『Crysis 3』ではその点を改善しています。

―――『Crysis 3』のゲームディテールについて伺います。今作では“The 7 Wonders(七つの不思議な区域)”が舞台として用意され、これまで湿地帯、高層ビルの廃墟、草の生い茂る野外といったロケーションが公開されていますが、それら以外にどのような場所が存在するのか、何か情報やヒントを教えていただけませんか?

Michael Read:詳しいところまではお話できませんが、ヒントとして例えば、川や島などもあり、あるエリアは非常に広く開放的で、別のエリアは狭く、またその中間に位置するエリアも存在します。“The 7 Wonders”はどれも全く異なるアートデザインと環境を持ち、もし全部を横に並べてみたら、「7つのゲームがある!」と驚くかもしれません(笑)

7つの世界を明確に分ける、それが本作の大きな挑戦でした。『Crysis』では基本的にジャングルだけが舞台でどこも同じような環境だったのが、『Crysis 3』では場所によって植物が異なったり、水や石の種類といった部分まで変化を持たせる必要がありました。

―――分かりました。では次も余り詳しくはお話できないかもしれないですが、『Crysis 3』では過去のシリーズでも登場したプロフェット、そしてサイコも復活を果たします。彼ら以外に再登場するキャラクターがいたり、注目に値する特徴的なキャラクターは出てくるのでしょうか?

Michael Read:それについて聞かれたのは初めてです(笑) もしかすると!としか言えません。その他のキャラクターとしては、クレアという名前の新しい女性キャラクターが登場します。E3 2012や“The Fields”デモの冒頭で声だけを聞くことができて、サイコと共に反乱軍のメンバーであるということ以外は話せないので、ゲームを実際にプレイして確認してほしいです。

今作におけるプロフェットとサイコのバックグラウンドであれば詳しく話せますよ。

―――それではぜひお願いします。

Michael Read:まずストーリーは、何年も監禁状態であったプロフェットをサイコが助けるところから始まります。今回お見せした“The Fields”のミッションは、(プロフェットが)リバティドームに初めて足を踏み入れる導入の部分に当たります。

サイコがナノスーツを着用していないことにお気付きになったかもしれませんが、その背景にはC.E.L.L.コーポレーションがナノスーツを着ている人間からスーツを剥ぎ取る“皮剥ぎラボ”のようなものを作っているのです。それを行う過程は、本当に痛々しく精神的苦痛を与えます。

サイコは今反乱軍と共にリバティドームで活動をしており、この反乱軍の目的は、C.E.L.L.が築きあげてきた権力構造を破壊し、占有しているエネルギー資源を断つことです。プロフェットを助けたのはその目的に加担させるためでしたが、プロフェットにも未来を予言させるようなイメージが浮かび始め、最初は全く不可解だったのが、徐々に理解できるようになり、反乱軍を助ける一方で彼自身の目的も変化していくのです。

もうひとつ付け加えておきたいのが、パフォーマンスキャプチャーに重点を置いていることです。これはつまり役者の声だけを拾うのではなく、顔の表情や実際の仕草までシネマティックに捉えることで、ストーリーに深みを与えるようにしています。今作ではライターのスティーブン・ホール(Steven Hall)を起用しており、この作業においても彼が協力しています。

―――『Crysis 3』のシングルプレイヤーでは乗り物は何か出てきますか?

Michael Read:はい。

―――どのような種類があるのでしょう? 何かディテールは?

Crytek:まだ詳細はダメです(笑) ただ、あるマップなどはかなりの広さになるので、走って移動しようとするとものすごく時間がかかってしまいますね。

―――今回のプレゼンでも、強力なコンパウンドボウやエイリアン武器が紹介されていましたが、ナノスーツは何か変わった部分や進化した部分はありますか?

Michael Read:ナノスーツはC.E.L.L.が関わるストーリー上の都合もあり、『Crysis 2』と同じバージョン2.0のままです。物語上では、『Crysis 2』でナノスーツがエイリアンのDNAに感染し、20年が経過したことで、エイリアンと交信したり武器が扱えるようになりました。

ゲームプレイ上では2つありまして、まずひとつはバイザーハッキングが可能になり、タレットや表示板、地雷などのインターフェースを操作できます。タレットを破壊するのも、クロークでやり過ごすのも、ハッキングするのもプレイヤーの自由ですが、いずれにせよゲームプレイの選択肢は増えました。

もうひとつはPerkシステムで、プレイヤーは好きなPerkの組み合わせをアンロックすることができるようになりました。これは前作の“ナノカタリスト(エイリアンの死体から拾ってスーツを強化できる)”に置き換わるもので、『Crysis 3』ではシステムが変更になり、プレイヤーはキャンペーン上のあちこちで見つかる“ナノスーツアップグレードキット”を入手し、それらを消費してアンロックしたPerkを、好きな組み合わせでロードアウトとしてセーブしておき、即座に切り替え可能です。

―――次はマルチプレイヤーモードについて伺います。前作『Crysis 2』のマルチプレイにおけるゲーマーの反響はどのようなものでしたか? それらは『Crysis 3』で生かされているでしょうか?

Michael Read:『Crysis 2』のマルチプレイヤーモードは、2009年にCrytekが買収した『TimeSplitters』のスタジオFree Radical(現Crytek UK)が開発していて、シングルとマルチの制作を別々に進行するのはCrytekとしても初めてのことでした。『Crysis 2』の開発においては、とにかくナノスーツをマルチプレイでも利用できるようにするのを目標としていました。また、『Crysis 2』では新エンジンを採用していたため技術的な壁にぶつかり、ゲームデザインの面であきらめなければならない部分もありました。

そこで『Crysis 3』では、シングルプレイヤーとマルチプレイヤーをはっきり区別し、それでいてアートスタイルは同じ物を維持しています。今作でも開発を担当するCrytek UKには、マルチプレイがより楽しくなるよう、より早いテンポになるよう、かつ『Crysis』のエッセンスは保たれるように、できる限り多くの変更を加えるようにしてもらったのです。

―――マルチプレイヤーモードについてもう一点、コンソール版はPC版よりもプレイヤー対応人数が少なくなっていますが(PC版16人、コンソール版12人)、それ以外にPCとコンソールで仕様が異なる部分はありますか?

Michael Read:プレイヤー人数以外に仕様の違いはありません。PCとコンソールをできるだけ同じゲームプレイ体験にしたいと思っていて、いずれかを省略することのないグローバルなゲーム体験を目指し、キーボードを前にすればそれはPC専用ゲームのように、コントローラーを手にすればコンソール専用のゲームに感じられるはずです。

―――最後の質問です。『Crysis 3』でトリロジーが完結するということですが、フランチャイズの今後についても気になるので、何かコメントをいただきたいです。

Michael Read:Crytek CEOのYerliも言っていますが、『Crysis 3』は『Crysis』の終わりを意味するものではありません。次に何が来るかはその時が来たら発表しますが、基より三部作として考えていたのが、フランチャイズを確立していく中での努力がかなって新たな可能性が開け、現在はナノスーツやナノドームも引っくるめた“クライシスユニバース”と捉えています。

―――良く分かりました。どうもありがとうございます。
《Game*Spark》
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