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新生『フロッグミニッツ』を支えたユニティの威力とは?

ディー・エヌ・エーの水島壮太氏と、グラスホッパー・ユニバースの平岡敬裕氏、方野裕行氏は、「Grasshopper Universe×mobage Unityを駆使したソーシャルゲーム開発の最先端」と題した講演を行い、最新作『フロッグミニッツ』の概要について紹介しました。

ゲームビジネス 開発
「ユニティ アジア・ブートキャンプ・ツアー:東京」で4月12日、「モバゲー」を展開するディー・エヌ・エーの水島壮太氏と、グラスホッパー・ユニバースの平岡敬裕氏、方野裕行氏は、「Grasshopper Universe×mobage Unityを駆使したソーシャルゲーム開発の最先端」と題した講演を行い、最新作『フロッグミニッツ』の概要について紹介しました。

左から方野氏・平岡氏・水島氏


グラスホッパー・ユニバースは『シャドウオブザダムド』などでおなじみのグラスホッパー・マニファクチュアと、ディー・エヌ・エーの合弁会社として昨年11月に誕生した開発スタジオです。コンソールゲーム開発で培った高い開発力と、ディー・エヌ・エーのノウハウを組み合わせて、世界に発信できるソーシャルゲームの開発を行うことを目的としています。

『フロッグミニッツ』はその第一弾で、昨年3月にiOS向けに開発された同タイトルをベースに、ソーシャルゲーム要素を組み合わせた完全新作。iOSとAndroid向けに近日配信が予定されています。

はじめに水島氏はモバゲーがユニティ向けに提供する「Mobage UnitySDK」について紹介しました。これはユニティで開発されたアプリから、モバゲーのソーシャル機能や課金機能に接続するためのSDKで、モバゲー ネイティブSDKと同じレベルの機能を利用できます。またモバゲーでは試作ソーシャルアプリのテスト用に「サンドボックス」と呼ばれる仮想サーバ環境が用意されていますが、ユニティで開発したソーシャルアプリも一般のアプリと同じように、このサンドボックス環境を利用することができます。ただし実機上でなければ動作しない(ユニティ上では動かない)点に注意が必要だとされました。

Mobage UnitySDKのアーキテクチャユニティとの統合も容易
サンドボックス環境での開発各種機能の数々


具体的なソーシャル機能については、▽MobagePeople(ユーザー・友達情報の取得)▽MobageBlacklist(ブラックリストのチェック)▽MobageBank(アイテム課金)など6種類で、新たに▽MobageRemoteNotification(プッシュ機能)と▽MobageLeaderboard(スコア管理&ランキング表示)も近日公開される予定です。特にNGワードをチェックする「MobageProfanity」など、コミュニティにまつわるトラブルを防ぐ機能が充実している点が特徴でしょう。水島氏も「NGワードについては24時間、QAがチェックしている」と健全性をアピールしていました。

続いて壇上には平岡氏が上がり、新作『フロッグミニッツ』の紹介に移りました。同作はユニティそしてMobage UnitySDKを用いて作られたタイトルとなります。開発期間は約半年で、もともとはiOS版『フロッグミニッツ2』として開発がスタート。その後グラスホッパー・ユニバースを設立するにあたって、新たにソーシャルゲームとして企画が再スタートすると共に、ユニティベースでの開発に移行しました。開発期間は約半年間で、前半3ヶ月はプログラマー・プランナー・アーティストが1名ずつ。後半3ヶ月はプログラマーが3名、アーティストが2名、プランナーが1名に増強されています。

ゲームの内容はiOS版と同様で、画面をタッチしながら餌をカエルに与えていき、満腹になって動きが鈍くなったところを捕獲していくというもの。登場するカエルは100種類以上にもおよび、iOS版で好評だった坂本真綾さんのナレーションも健在で、「想像以上に喋りまくる」(平岡氏)そうです。ユニティの採用理由として平岡氏は、iOS&Androidのマルチプラットフォーム環境もさることながら、グラスホッパー・マニファクチュア自体が『シャドウオブザダムド』などの開発を通して、ゲームエンジン採用のメリットを熟知していたと解説。「『マニファクチュア』がアンリアルエンジンを熟知しているように、『マニファクチュア』も自分たちの武器を持ちたかった」と語りました。

画面をタッチして餌を確保カエルに餌をあげて捕獲する100種類以上のカエルが登場


他に平岡氏はユニティを用いたことのメリットとして、「パラメータの調整が非常に簡単なので、ネイティブアプリであってもブラウザタイプのゲームと同じように、日々のKPIから適切なアップデートを即座に反映させられる」点を上げました。ネットワーク周りも安定しており、ブラウザゲームのように頻繁に通信を行っても、まったく問題ないそうです。また本作は2Dゲーム的な外見ですが、実際は板ポリゴンにテクスチャを貼り付けてアニメのセル画のように重ね合わせ処理を行っていると説明。UIもモデル化することで、動きや見せ方の自由度が高くなると解説しました。

「一般的にユニティは2Dゲームに弱いと言われがちですが、そんなことはまったくありません」(平岡氏)

一方注意点として、iOSと比べてAndroidは端末のメモリサイズが小さい傾向にあるので、アプリ容量が問題になりやすい点を上げました。本作ではユニティの「アセットバンドル」機能を利用して、グラフィックデータなどのアセットを、実行時にダウンロードする仕組みを採用しています。しかし、それでもアプリの容量が問題になりやすいのだそうです。なお、この点はAndroid端末の種類の多さに起因する問題でもあり、協力会社と人海戦術でデバッグ&動作検証を行ったとのことでした。

さらに3G回線下ではダウンロードにそれなりの時間が必要になるので、ユーザーによっては「待ちきれない」という状態になることも、そのためアセットバンドルの容量を増やしすぎない(最大でも100MB以下)に抑えるように、ゲームの進行に合わせた切り分けを工夫すべきだと語られました。特にテクスチャや効果音など、すでに読み込み済みのファイルも上書きせずに容量が増加する仕様になっているため、単純に細かく切り刻めば良いというものでもないと注意を促しました。

セル画調の重ね合わせで2Dを実現リッチな3Dゲームでは本領発揮


最後に方野氏から、「2Dライクなゲームだけでなく、3Dゲームも開発中です」と、ロボットが登場するFPSライクなタイトルのスクリーンショットが紹介されました。方野氏はユニティのメリットとして「ライトマップ焼き込み時の計算の速さ」を上げ、トライ&エラーがストレスなくできたと語りました。特にユニティ上でゲームを実行しながら、リアルタイムにテクスチャやライト調整などができるため、直感的に作業が進められる点が、ゲーム開発に大きく貢献しているそうです。

ちなみに平岡氏は『フロッグミニッツ』は日本先行配信タイトルではありますが、今後は海外展開も視野に入れていきたいと語っていました。その際にナレーションは男性が良いのか、女性が良いのか、現在の癒やし的な口調が良いのか、ノリの良さを前面に押し出す方が良いのか、カルチャライズも含めて検討していきたいとのこと。ディー・エヌ・エーのいわば「セカンドパーティ」的なスタジオのタイトルだけに、世界展開についても注目していきたいと感じられました。
《小野憲史》

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