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【そそれぽ】第29回:人に騙され易いのに『極限脱出ADV 善人シボウデス』をプレイしたよ!

ソニー PSV

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第29回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

3月に突入して、卒業シーズン真っ只中。会社勤めの方は年度末で忙しい日々を送っていることでしょう。春も近い季節ですが、今週、東京では突然の雪に見舞われるほど寒い寒い。近所で開催されていた「梅まつり」の梅は、ほとんどがつぼみのままという状態。こんな寒い日々なので、梅が満開になるのを家でゲームしながら待ちわびております。

というわけで、今回プレイするのはチュンソフトのPlayStation Vitaソフト『極限脱出ADV 善人シボウデス』です。

『極限脱出』シリーズの第2弾ですが、基本的には独立したお話で、前作を知らなくても楽しめるというこのタイトル。チュンソフトのアドベンチャーゲームというと、筆者はサウンドノベルの『かまいたちの夜』や『428』などでプレイしたことがあるのですが、あれらの緊迫感溢れるストーリー性に、更に頭を使う「脱出ゲーム」の要素が加わっている「極限脱出ADV」ということで、少しビビりつつ。人を信じやすく騙されやすい筆者ですが、「裏切り」の世界から無事脱出できるのでしょうか。ものすごく心配ですが早速プレイしていきたいと思います。


■そもそも『善人シボウデス』とは?
主人公「シグマ」たち9人が謎の閉鎖空間へと連れてこられ、そこからの脱出を目指す「ノナリーゲーム」、その中で繰り広げられる裏切り合いのゲーム「アンビデックスゲーム(通称ABゲーム)」に挑むことに。腕にはめられたバングルに記された数字が「9」以上になったとき、外界へ唯一つながる「9の扉」から脱出することができます。

「ABゲーム」では、互いに協力すれば+2、裏切りに成功すれば+3、裏切られれば-2、両者裏切りでプラスマイナス0・・・疑心暗鬼や欲望の中、9人は脱出を目指しますが、外界と遮断された空間で知るさまざまな新事実や、巻き起こる事件と、物語は読み進める程に大きく展開していきます。


■チュートリアルが親切
右も左もわからないままゲームを始めても、チュートリアル的な内容が非常に親切なので、基本的な部分は取扱説明書を読み込まなくても十分にプレイすることができます。ただし、ゲームそのものよりも、ゲームの世界観や、ゲーム内で展開されるゲームが複雑なので、「ゼロ3世」の話や「ファイ」のアドバイスなどにはしっかり耳を傾けましょう。

また「脱出パート」でも、悩んでいるうちに、一緒に部屋にいるメンバーが、程良く自然にヒントとなるフレーズを口にしてくれたりします。第一印象とは裏腹にかなり親切なゲーム設計がされています。


■PS Vita版はなんといっても画面を直接タッチ
PS Vita版は、「ノベルパート」も「脱出パート」もすべて画面タッチでプレイすることも可能ですが、アナログスティックやボタン操作にも対応しています。プレイスタイルはお好みでOKです。

しかし、「脱出パート」のタッチ操作はなかなか快適。大きなディスプレイで、直接気になる箇所をタッチしたり、スワイプで視点を移動させたり、操作がかなり直感的でわかりやすいです。


■ファイのリードで頭が良くなってる気分
登場人物たちは切れ者も多く、特に「ファイ」はさまざまに迫ってくる難しい問題をプレイヤーに整理して伝えてくれたり、さまざまな推理を見せてくれたりします。プレイヤーは、それが思考の起点となることも多く、「ファイ」と一緒にいない場面でも培ってきた「思考」は活きてきます。

よく考えたら「ファイ」のリードなのですが、プレイヤーが自ら気付いたような気分にさせてくれます。「オレ頭イイな!」という場面も多々(笑)。このおかげで、殺伐とした空気感の中でも気持ちよくプレイできます。


■もちろんまんまと裏切られることも
さて、筆者は例えゲームの中でも人を出し抜くようなことは出来ないので、「ABゲーム」でも余程信用できない相手でない限り「協力」の一択。しかし、意外な「裏切り」ももちろん待っているわけで、バッドエンドに遭遇することもしばしば。

ただ、バッドエンドを迎えても、それがただ「フローチャート」を埋めること以外に活きてくる場合もあるようです。心は痛むかもしれませんが、時には「裏切り」を選ぶことも必要。バッドエンドを迎えるとしても、この世界観で起こり得るさまざまな可能性を見ていく必要があります。


■プレイヤーの記憶はシグマの記憶
突っ込んで書くとネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、主人公「1人」に対して、物語がいくつにも枝分かれしていくゲームは、必ず沢山のパターンのエンディングが待っていて、エンディングごとに「パラレルワールド」が存在することになります。

それぞれの「パラレルワールド」を全て把握しているのはゲームの外側にいるプレイヤー自身なわけですが、本作ではゲーム内のプレイヤーの分身とも言える主人公「シグマ」も、共に「パラレルワールド」を共有していける展開になっていきます。これが意外と斬新です。しかも「パラレルワールド」は展開こそ違えど、それぞれが持っている「考え」や「理念」、或いは「取りたい行動」は共通。さまざまな物語を読み解くことで、「シグマ」と共に知識を蓄え、物語の真相へと近付いていきましょう。


■アイテムの扱いが少々面倒
「脱出パート」で、脱出のためのアイテムを手に入れた際に、そのアイテムを調べたり使ったりするのですが、その画面がもう少しだけスピーディーに動いてほしかったです。奥行きがある形でリング状にアイテムが並んでいるのに、スワイプ操作でリングを回せなかったり、アイテム同士を組み合わせるのもひとつひとつ選ばなければならなかったり、もう少しだけインターフェイスが便利なら良かったのにと感じることがありました。


■総評:理系な頭と文系な頭をフル回転
「ノベルパート」は、読み進めるというよりも、キャラクター同士のコミュニケーションに関わり合いながらストーリーを進行していく形式なので、文章を読むのが苦手な人でも特に問題なく入っていけると思います。「脱出パート」は、良質な「脱出ゲーム」。密室でヒントを探し最後の「キー」へ辿り着くためには、柔軟な発想と頭の回転が必須。ただし、脱出へのヒントを貰いやすい「EASY」への切り替えはいつでも出来るので「物語重視」で本作を遊びたい人も楽しめる仕様になっています。タイトルのイメージと裏腹に全体を通して親切設計です。

「ABゲーム」のルールや、各種部屋の種類、部屋の位置関係を表すマップなどから感じ取れる作品の全体の印象に対して、自由度の高さはあまり感じられませんでした。基本的にはフローチャート方式のノベルゲームに、要所要所で「脱出ゲーム」が織り交ぜられているといった形式です。ただし「協力」と「裏切り」を選択しながら展開する物語は、フローチャート方式とわかっていても緊張感があり、惹き込まれます。

チュンソフトのサウンドノベルシリーズが好きな人は自然に入っていけると思うのでオススメです。グロテスクな表現も多少含まれるので苦手な人はちょっと注意。また、淡々とこなしていくことも多い「脱出ゲーム」にしっかりとしたストーリーを求めている方にもオススメ。手書きでメモが必要になるぐらい、歯応えのある難題が待ち構えています。

PS Vita版は、大きな画面で楽しめるグラフィックの美しさ、気になる箇所を指で直接タッチして調べられる「脱出パート」など、さまざまに快適な面がある一方で、(ハード的に当たり前ですが)立体視に非対応だったり、ゲーム内でメモを取ったりする場合に「タッチペン入力」でないために思ったように画面に字などを書きにくかったり、3DS版とはまさに一長一短。読み込みなどは全く気にならないので、お好みのハードで本作を楽しんでみてください。


【そそれぽ】第29回、いかがでしたでしょうか?今回は頭が回転しない自分の脱出ゲームの苦手っぷりを改めて感じさせられました(笑)。今後もいろいろなゲームをプレイしていくと思うので、生暖かい目で見守ってあげてください。次回もどうぞお楽しみに!


『極限脱出ADV 善人シボウデス』は、好評発売中で価格は6,090円(税込)です。PSVitaダウンロード版の価格は5,480円(税込)です。

(C) 2012 CHUNSOFT


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ
愛内里菜らに楽曲提供をし、VOCALOID音楽のクリエイターとしても有名な作・編曲家。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略SLGから格ゲーまで、幅広いジャンルのゲームをプレイする。
Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

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