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「うまい」「はやい」「やすい」の三拍子で日本のゲーム開発現場を支援する・・・RADゲームツールズ日本代表に聞く

ゲームビジネス 開発

「うまい」「はやい」「やすい」の三拍子で日本のゲーム開発現場を支援する・・・RADゲームツールズ日本代表に聞く
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まるで外食屋さんのキャッチフレーズですが、まさにこのような精神でゲーム開発現場を長年助けてきたツールメーカーがあります。その名はRADゲームツールズ。創業は1988年。その製品は実に1万3000タイトル以上で採用されてきました。

日本で開発された最近のタイトルでは、『エンド・オブ・エタニティ』(PS3/Xbox360版)や『ファイナルファンタジー13』(Xbox360版)などがあり、『コール・オブ・デューティー』シリーズ、『バットマン アーカム・アサイラム』といったメジャーなヒットタイトルの多くに採用されています。

前述のようにそのウリは、質や使い勝手の良さ、サポートの迅速さ、そしてライセンスフィーの安さです。そして昨年12月から日本の代表として阿部剛寿氏が就任。日本のメーカーにとって、より採用しやすい環境が整いました。そこでGameBusiness.jpでは、今後の日本戦略や各製品の特徴などについて阿部氏に伺いました。

RADゲームツールズ日本の阿部氏


■海外での採用実績はピカイチ

RADゲームツールズは1988年というまだゲームの黎明期に創業。ムービー再生ツール「BINK」、サウンドツール「Miles」、アニメーションツール「Granny 3D」という三本柱で、海外では殆ど全てのゲームメーカーで採用実績があります。厳しい欧米の開発市場で1万3000以上ものタイトルでの経験に鍛え上げられてきたクオリティ・サポート・価格を、日本のユーザーにも本格的に提供してゆきたい、という意向を持っています。今年後半には、新製品が予定されています。

サポートではこれらのツールの開発者自らが回答をくれるようです。たとえば、「BINK」ではジェフ・ロバーツ氏、「Miles」ではダン・トンプソン氏とジョン・マイルズ氏というコンビです。阿部氏によれば、「夕方までにメールをいただければ、翌日回答が基本です。開発担当者は、メールを見れば即答してきます。」というスピード感だそう。もちろん阿部氏が間に入ってくれるので、英語は不要です。

シンプルでフラットな価格も一押しポイントだそうで、全てのツールは販売本数に関係なく一律の価格設定になっているそうです。また、複数の地域で販売しても追加のロイヤリティはなく、安心して使う事が出来ます。価格自体も競合と比べて競争力のあるものになっているとのことです。

■現在提供しているツールは3種類

RADゲームツールズで現在提供中のツールは3種類です。ここではそれぞれの概要と特徴を見ていきましょう。

●BINK・・・ムービー再生ツール

「BINK」は高速・軽量なムービー再生コーデックです。全てのプラットフォームに対応し、それぞれに最適化されているため、例えばPS3のSPUやマルチスレッドもサポートします。5.1ch/7.1chや3D表面レンダリング、α、マスキング、多言語字幕・多言語ボイスなども全てサポートします。名前は聞いたことがなくとも、右のロゴに記憶がある方も多いでしょう。

現行バージョンでは、ビデオ ネイティブのサウンドサポートは、Binkオーディオだけですが、この秋にもリリースされるらしい次期メジャーバージョンからは、Oggフォーマットのサポートも入ることになっているようです。

多数の採用実績のあるゲームエンジン「Unreal Engine」とのインテグレーションも提供されているため、Unrealを採用するタイトルでは多くでBINKも採用されているそうです。

導入は僅か14行のコード部分に手を入れるだけで完了するとのこと。パブリックページからダウンロードできる「RAD Video Tool」(Windows/Mac)が提供されているので、まずはそちらでエンコードと再生を試してみて欲しいとのこと。

価格は7500ドル(PS3、Xbox360、Wii)と6000ドル(PC、PSP、DS)。

●Miles・・・サウンドツール

「Miles」は最近バージョン8にアップデートがあった音楽再生ツールです。DSを除いた全てのプラットフォーム(iPhone/iPad含む)に対応し、ADPCM/Ogg/Bink Audio/MP3(ライセンス料不要)の各フォーマットをサポートします。

バージョン8よりサウンドデザイナーのためのGUIオーサリング環境(Miles Sound Studio)が実装され、より高度な使いやすいツールへと変わりました。

価格は4000ドル(共通)。

●グラニー3D・・・DCC環境をサポートする

「グラニー」は開発現場のDCC環境をサポートするためのツールです。Maya、Max、XSIというDCCツールに対応した"エクスポーター"、アニメーションに動的修正、IKなどの加工をしたり、ブレンドなどの操作を加えることができるプロセス、エクスポートしたアニメーションを実機で動かす"ランタイム"という、三種類の異なるステージ構成での使用が可能です。こういった機能的構成要素は、ユーザーの環境に合わせて臨機応変に組み合わせる事が出来ます。

これを用いることで、アニメーターがグラフィカルに動作までを作業できたり、様々なDCCツールを用いている環境(社内と社外の連携など)ではツールの差異を吸収するためのツールとしても用いることができます。

こちらも2000タイトル以上で採用されています。

価格は、15000ドル(PS3、Xbox 360、Wii)と12500ドル(PSP、Win、Mac、Linux)となっていますが、ユーザーでのアニメーション制作ワークフローに応じてツールの使用法が変化しますので、臨機応変にお相談可能とのこと。

■これから期待のツールも

そして今後も新しいツールが登場します。

●テレメトリー

「テレメトリー」(Telemetry)は、ゲーム中のメモリ消費量の推移やスレッドの状態をアナライズしてくれる、クロスプラットフォームのタイムライン・プロファイリング・システム。

容易に組み込める超軽量のランタイムをゲームに組み込み、テストプレイを行い、その結果のログを解析してくれるツールです。ゲームの進行ベースで状態を把握できるため、デバッグの効率を大幅に向上させてくれそうです。

プラットフォームはPS3、Xbox360、Windowsをリリース時にサポートする予定で、その他のプラットフォームも後日追加される予定。テレメトリー自体のリリースは6月の予定です。

リリース時にはプログラマー向けにセミナーも開催予定ということなので、期待あれ。

GDCで私も製品を拝見しましたが、このようなゲームに特化したアナライズツールはまだまだ少なく、大きな可能性を持ったツールという印象を受けました。

●イギー

最後に「イギー」(IGGY)は、Flashでオーサリングされたコンテンツをゲーム機上で動作させるためのツールです。

Flash Player 9/ActionScript 3.0準拠のファイルを動作さることができ、ネイティブのFlash UIコンポーネントでオーサリングすることができます。もちろん日本語のフォントにも対応します。メモリやパフォーマンスをチェックするためのテレメトリー機能、MP3フォーマット サウンド再生ができるマイルズ機能も内蔵するとのこと。

プラットフォームはPS3、Xbox360、Windowsで当初はリリースされ、次いでWii、PSP、Macが追加される予定。イギーは7月~9月の登場予定です。

Scaleformの競合製品となりますが、阿部氏は「Flash環境で普段どおり作ってもらえれば、ゲーム機でコンテンツを軽く効率良くを再生するような、スタンダード ソリューションとして使い勝手の良い、価格も手頃な製品にしたい」と語っていました。

価格は、もちろんRADプライス、BINKと同条件になる予定だそうです。

■最後に

以上のように現在は3種類、近い内に2種類が追加されて、計5種類のツールがRADゲームツールズのラインナップとなります。

最後に阿部氏はアピールポイントとして13000以上のタイトルで揉まれてきた「質の高さ」「サポートの良さ」「価格の手ごろさ」を再度強調しました。

特に価格面については複数の製品やプラットフォームで採用する場合にはボリュームディスカウントもあり、さらに海外の大手パブリッシャーの多くが包括契約を結んでいて、開発会社での採用が容易になるように同様な契約を日本のメーカーとも結べるよう交渉中ということです。加えてダウンロードタイトルのように制作予算が非常に限られるタイプのゲームについては、もちろん低価格で提供可能ということでした。

歴史の長いツールメーカーというだけあって、過去に採用した事のある日本のメーカーも多く存在するということですが、本格的に戦略的セールスをしてこなかった期間が長かったため「まずは出来るだけ多くのお客さまにお会いして、RAD製品について紹介を行い、SDKの無償評価に入っていただく、という方法で、地道に良さを伝えていきたい。呼んでいただければ、いつでもどこにでも出かけて行きます。」と阿部氏は語っていました。

ご興味のある方は公式サイト等からどうぞ。
《土本学》

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