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『ライラの冒険 黄金の羅針盤』クリス・ワイツ監督と長谷川プロデューサーが対談!

セガは2008年春に映画で公開される同名作品をゲーム化した『ライラの冒険 黄金の羅針盤』を発売予定です。それに合せて今回、映画の製作スタッフが来日し、クリス・ワイツ監督と長谷川プロデューサーとの対談及び、ライラ役のダコタさんのコメントが到着しましたので紹介します。

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セガは2008年春に映画で公開される同名作品をゲーム化した『ライラの冒険 黄金の羅針盤』を発売予定です。それに合せて今回、映画の製作スタッフが来日し、クリス・ワイツ監督と長谷川プロデューサーとの対談及び、ライラ役のダコタさんのコメントが到着しましたので紹介します。



クリス・ワイツ監督、長谷川プロデューサー対談

長谷川: 普段、プライベートでゲームを遊ばれますか?

クリス: 仕事がある時はなるべく遊ばないように努力はしているんだけど、実はゲームが大好きなんだ(笑) 時として厳しい現実世界よりも楽しい事が起こるしね。ハマってしまうと仕事が進まなくなるのは目に見えているんだよ。


長谷川: という事は、子供の頃はゲームで遊んでたんですね?

クリス: あぁ、もうそりゃぁね。アタリとかインテレビジョンとか、そんな頃からずっとだよ。最近だと、これは言って良いのかどうか分からないけど…

(訳者注:この時彼は机の上のパッケージをチラッと見て、PS3とDS、つまりソニーと任天堂のものしか無いのを確認した上でこう言っています。ゲーム会社向けのインタビューの発言として問題ないか気にしているワケで、これは監督が非ゲーム業界人である事を考えれば相当空気読めてます(笑))

…『Halo』が大好きで、1や2の頃は、それこそ友達と徹夜でハマっていたよ。


長谷川: 特に好きなジャンルとかはありますか?

クリス: SFが好きだったのでPC版の「ウイングコマンダー」は相当遊んだよ。あとは初期の「ウルティマ」とか、「ポン」、「スペースインベーダー」とかね。オールドゲーマーなんだ(笑)


長谷川: (マニアックな名前がポンポン出てくるので)相当ゲームがお好きなんですね(笑)

クリス: ただ、ちょっとしたこだわりみたいなものもあって、例えば「HALO」だったら協力プレイはするけど対戦プレイは絶対しないんだ。負けるとすごく不機嫌になるんでね(笑)


長谷川: ゲーム版の「ライラの冒険」をプレイする機会はありましたか?

クリス: 実はまだ完成版では遊んだことが無いんだけど、開発途中のバージョンは何度か遊ばせてもらったよ。イオレクがオオカミのダイモンと戦うシーンとか、トロールサンドでのライラのシーンとか。ライラとパンタライモンが協力してパズルを解くシーンは良く出来てるなぁ、と思ったよ。


長谷川: 映画とゲームとの違いは感じられましたか?

クリス: 例えば、イオレクの大きさ、力強さ、勇気、戦うシーンの迫力、そしてライラの小ささ、賢さ、狡猾さなどといった、キャラクター達の最も重要な部分がゲームでもキチンと再現されていたので、特に違和感のようなものは感じなかったよ。


長谷川: 映画の初期段階からゲームのプロジェクトも同時に動いていたと聞きましたが。

クリス: その通り。そして、それはとても良いことだと思ったよ。ゲームの開発スタッフは良く映画の撮影現場に来ていて、シナリオをチェックしたり、セットのあちこちを歩いて細かく写真を撮ったりしていた。ただ、彼らにはあまり台本にもセットにも縛られすぎないようにしてもらった。オリジナル要素もOKにしたよ。単に映画を再現するだけのゲームならあまり面白く無いからね。


長谷川: その話が決まったときはどのようにお感じになりましたか?

クリス: この話が決まったのは、まだ撮影も始まっていない、プリプロダクションの頃だったんだ。そして、それはとても嬉しかったよ。自分の作品が多方面に広がっていくのを見られるワケだからね。それに、(訳者注:監督がかつて制作に関わった)「アメリカン・パイ」の時はゲーム化なんてあり得なかったしね(笑)セガからオファーがあった時は嬉しかったよ。



長谷川: ゲームの制作にはある程度関わられたのですか?

クリス: もちろん私はゲームのプログラムは出来ないけど(笑)開発スタッフと何回か打ち合わせをしたよ。さっきも話したけど、この映画の肝になる部分をキチンとゲームにも反映させて欲しい、というお願いをしたんだ。映画版でのライラには、機転が利いて、賢くて、そして自立心があるという、ある意味子供にとっての1つのお手本になって欲しい、という願いを込めているんだけど、その部分はしっかりゲームに反映されていると思うよ。


長谷川: 実際にゲーム内では、ライラが大人と会話するシーンでちょっとしたウソをついてみたり、あるいはワザと怒らせたりして、だけどそれによって守衛をドアの前からどけてその間にパンが部屋に侵入したり、とパズル的なシーンがいくつも登場します。

クリス: そこはゲーム版でとても良く出来てる、と思ったよ。実は原作者のフィリップ・プルマンは元教師で、子供の行動にはとても詳しいんだ。だから彼は子供がいつも本当の事だけを言わないこと、時にはびくりするぐらいズル賢くなれることも良く知っている。だがら、それがゲームでも再現されるのは重要な事なんだ。


長谷川: ライラ、ビリー、パンタライモン(の声)など、一部のキャラクターには映画の撮影とは別に、ゲームのための音声録音があったと聞いています。それらをディレクションされる機会はありましたか?

クリス: いや。だけど、音声収録の時までに子供達はそれぞれのキャラクターを自分達で完全に理解していたので、特に心配はしていなかったんだ。


長谷川: ちなみに、先日インタビューしたダコタさんが言っていたのですが、ゲームをプレイしていて迷ってしまったときに、「右に行って」「左に行って」と彼女自身の声に指示された時は妙な気分になった、と言っていましたよ。

クリス: (笑)そりゃそう思うだろうね。


長谷川: 先ほどもお聞きしましたが、そうするとゲームの開発スタジオに実際に行かれたりはできなかったんですね?

クリス: 残念ながら。とても行きたかったんだけどね。


長谷川: ゲームの中で見た要素で、映画に影響を与えたものはありましたか?

クリス: ゲームの開発スタッフが使っていた「Massive」という群集演算ソフト

(訳者注:「Massive」 とはキャラクターにアニメーションをつけるためソフトウェアですが、AI(人工知能)を搭載しており、簡単な操作で複数のキャラクターをバラバラに動かすことが出来ます。例えば100体のキャラクターを配置し、1つをリーダーに設定、残りのキャラクターには「他のキャラクターにぶつかるな」「前のキャラクターに付いていけ」という命令だけを与えておき、後はリーダーを動かすと、残りの全員が自然に、そしてバラバラの動きでついていきます。今までは100体を動かすためには全員同じアニメーションで動かすか、あるいは100種類のアニメーションを手作りするしか無かったので、このソフトの登場は画期的でした)

…があったんだけど、これのおかげで映画の中でもとても多彩な表現をできるようになったんだ。

例えば映画の中で、100体のオオカミのダイモンと子供達のダイモンが戦うシーンがあったんだけど、これを全て手作業で動かすだけのスタッフがいなかったのが、「Massive」のおかげで実現できたんだ。これは大きかったよ。

他にも、ゲームではNPC(non player character: プレイヤーが操作しない、独立して動いているキャラクター)という存在があって、彼らは彼らなりにキチンと行動しているけど、この映画のダイモンたちもそれぞれ独立してそれぞれのダイモンの形に合った動きをしているし、空から降ってくる雪やアクションの時にはじけ飛ぶ氷の粒などがそれぞれバラバラに動くのもこのソフトの恩恵を受けている。全ての雪を手で1コマずつ動かすなんて無理だよね(笑)


長谷川: ちなみに、2体のクマが戦っているシーンは格闘ゲームを思い出させました。画面上に体力ゲージが見えそうでしたよ(笑)

クリス: そうそう、あのシーンはちょっと意識してたよ(笑)

あと、さっきはゲームが映画に与えた、親和性の高い要素の話をしたけれど、映画とゲームで圧倒的に違う部分もある。映画だと、例えば5秒のカットを納得行くまで作りこもうとしたら撮影と編集に2年かかってしまう場合もあり得るんだ。だけど、ゲームなら(事前に決められたアルゴリズムに沿って動くだけなので)その場ですぐに出来てしまうし、気に入らなければちょっとアルゴリズムを変えてやり直せば良い。


長谷川: 個人的には、原作で読んでいてどんな映像になるのかと
期待していた、ライラが真理計を読むシーンでの演出は
素晴らしいと思いました。

クリス: 実は、あのシーンはもっとシンプルになる予定だったんだ。だけど、編集スタッフの1人が映像が次々にモーフィングするアイデアを出してきて、その後パーティクル(粒子)のアニメーションをさせるプログラムが出来て、最終的にああいった形になったんだよ。実はこのプログラムは、人間が死んでそのダイモンが消滅する時の演出用に作られたものだったんだけど、それがさらに強化されたんだ。ちなみに、ダイモンが消滅する時のパーティクルの動きは消滅する直前の動きによってそれぞれ違っているんだよ。


長谷川: ゲーム版で、映画では出来なかった事が出来て満足している部分などはありますか?

クリス: もちろんライラが大人と話すときに(訳者注:3択から正しい答えを選んだり、ミニゲームをクリアしたりして)上手く切り抜けるシーンもそうなんだけど、実は2匹のクマが戦うシーンも気に入っているんだ。

映画だと、この戦闘のシーンの中に可能な限りの様々なショットを入れたり、さらにエフェクトを付けたりしたけど(そのエフェクト付けのためだけにアメリカからロンドンに飛んだCGスタッフもいたほど)、でも完成してしまったらそれまで。

だけど、ゲーム版だと戦闘のたびに異なるアングルからシーンを見られたり、戦い方が変わったりするので新鮮な気分で観られるんだ。


長谷川: これから映画の第2部の撮影があると思いますが、当然ゲームの第2部も作られるでしょう。次回のゲームの中ででやりたい事はありますか? 特に映画では出来ないような事で。

クリス: 実は第2部にはゲーム向きの要素があるんだよ。この章には「神秘の短剣」という、今の世界と、隣あう別次元の世界をつなぐ扉を切り開ける短剣があるんだけど、映画だと何回かそのシーンを使ったら終わりになってしまう。

だけどゲームなら、プレイヤーの意思で好きなタイミングで別のステージに移動できるんだ。そんな機能をもったアイテムは今までのゲームにも無いんじゃないかな?


長谷川: 最後に、このゲームをプレイしてくれる日本のゲームプレイヤーのために一言メッセージをいただけませんか?

クリス: 皆さんこんにちは、監督のクリス・ワイツです。この『ライラの冒険 黄金の羅針盤』のゲームを皆さんに遊んで頂けるのを楽しみにしています。私自身は開発途中のバージョンを遊んだのですが、とても良く出来ていましたよ。


長谷川: 本日はどうもありがとうございました。

クリス: どうもありがとうございました。(日本語で)


2007年12月13日、ザ・ペニンシュラ東京(東京日比谷)にて

《土本学》

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