かつてはアーケードゲームの花形として活躍し、家庭用向けも大きな人気を博したシューティングゲーム。昨今では、全盛期ほどの勢いはないものの、名作が新たな姿で登場したり、インディー規模の新作が登場したりと、根強い展開が続いています。
そんなSTG史を語る上で外せない名作のひとつが、トレジャーが開発した『レイディアントシルバーガン』です。横長画面の縦スクロールSTGで、多彩なウェポンを使い分ける戦略性や、効率よくスコアを稼ぐことでパワーアップする要素はもちろんのこと、爽快感やバランスの妙などSTGとしての完成度も高く、多くのゲーマーを魅了しました。
そんな名作STGについて、20周年を迎えたこの日に振り返ってみたいと思います。
◆『レイディアントシルバーガン』を生み出したトレジャーの歩み
トレジャーは、メガドライブソフト『ガンスターヒーローズ』で華々しいデビューを飾りました。本作のジャンルはアクションで、アイテムを組み合わせることで変化するショットを使いこなし、変化に富んだユニークなステージの数々に挑みます。
また、小気味よい操作感や優れた演出の数々も光り、1作目にして多くのファンを獲得することに成功。その後も、メガドライブの格闘ゲームを代表するひとつ『幽☆遊☆白書 魔強統一戦』や、キャラが入り乱れるアクション性がクセになる『ガーディアンヒーローズ』などで、更なる人気を獲得しました。
同社が展開するゲームはいずれもアクション要素が色濃く、そのためユーザーもその印象が根強かったのですが、1998年にリリースした『レイディアントシルバーガン』はなんとSTG。その大胆な提案は多くのユーザーを驚かせましたが、同時に「どんなSTGが出るんだろう」と期待も高まりました。そして、高まる期待にしっかり応える出来映えを提示し、ユーザーをもう一度驚かせます。
このアーケード版『レイディアントシルバーガン』をプレイしたトレジャーファンが感じたのは、ショットの組み合わせで変化する戦略や多彩でユニークなステージ構成、敵を倒した時の爽快感など、トレジャーがこれまでリリースしてきたアクションゲームの魅力と通じる点ばかり。ジャンルこそ違えども、そのトレジャーらしさがふんだんに盛り込まれた一作となり、好評を博しました。
◆サターン版『レイディアントシルバーガン』は、STG熟練者から初心者まで幅広く楽しめる！
アーケード版がリリースされた後、1998年7月23日にセガサターン版がリリースされました。3つのボタンを組み合わせ、最大で8種類のショットを使い分けるゲーム性や、チェーンをはじめとする多彩なスコア獲得手段を軸にハイスコアを目指すパターン構築など、STG熟練者を満足させる魅力の数々を忠実に移植し、こちらも高評価を獲得。
またサターン版を出すにあたり、ストーリー面の演出などを補強した新たなモードを追加。元々、世界観などの設定や物語の背景などがしっかりと作り込まれていましたが、アーケード版はプレイ環境を考慮してか、やや説明不足と感じられる面もありました。その点についてサターン版は、この新モードを追加することで完全に払拭。また、ウェポンで敵弾の一部を消せたり、繰り返してプレイすることでクリアしやすくなる仕様も搭載されていたりと、「とにかくクリアしたい」という初心者ゲーマーが楽しめたのも、サターン版の特徴のひとつです。
自宅で腕を磨いてアーケードのスコアアタックに名を残すもよし。エンディングを見るために少しずつプレイして励むもよし。綿密に計算されたバランスと、爽快感溢れるゲームプレイを、腕前にかかわらずそれぞれが楽しめた『レイディアントシルバーガン』は、当時プレイした方ならば印象深く残るSTGと言って過言ではないでしょう。
敢えて難点を上げるならば、サターン版の生産数はそれほど多くはなく、また購入したユーザーが手放すことも少なかったため、市場在庫はあっという間になくなり、中古相場もずっと高値を維持。後々知ったユーザーが遊びたくとも、なかなか手が出せる状況ではありませんでした。
ですが2011年9月に、『レイディアントシルバーガン』がXBOX LIVE アーケード向けに登場。13年の時を経て、Xbox 360で遊べるようになりました。また、後にXbox Oneの後方互換にも対応。ハードさえ持っていれば、気軽に購入できるダウンロード版で楽しめるようになりました。XBOX Liveによるオンライン同時プレイに対応している点も、XBOX LIVE アーケード版ならではです。
『レイディアントシルバーガン』をリリースした後、トレジャーは様々なアクションゲームを展開しますが、その一方で『斑鳩』も手がけ、こちらも話題となりました。また、アクションとシューティングの魅力を兼ね備えた『罪と罰』シリーズも、同社の代表作として知られています。『レイディアントシルバーガン』20周年を祝い、本作をXBOX LIVEで楽しんだり、トレジャーの様々な作品に改めて触れてみてはいかがでしょうか。
(C)TREASURE
※画像はXBOX LIVE アーケード版のものです。
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